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こんな場所なら走ってみたい!都心からアクセスしやすい“絶景ラン”

絶景ラン スポット

秋はランに挑戦してみようという気持ちが湧いてくるもの。とはいえ、近所をぐるぐる走るのは退屈な気もしてしまう。そこでおすすめしたいのが、非日常が味わえる“絶景RUN”。クルマや電車で絶景近くまで移動。そこから絶景を目指して、あるいは絶景を眺めながら、ちょっぴりランを楽しむ。旅気分が味わえ、きっと走ることが好きになれる。今回は都心からアクセスしやすい絶景スポットを紹介!

平塚・湘南平(神奈川)

高台には圧巻の360度パノラマ絶景が待っている

平塚・湘南平

湘南平とは、神奈川県の大磯町と平塚市にまたがる海抜181mの丘陵。泡垂山(あわたらやま)の山頂一帯を指し、高麗山(こまやま)公園として整備されている。

そして、湘南平を含む高麗山公園は、「関東の富士見百景」「かながわの景勝50選」「かながわの花の名所100選」「平塚八景」などに選ばれている。その景色の良さはお墨付きというわけだ。

湘南平にはテレビ塔展望台(一時閉鎖中)と高麗山公園レストハウス展望台の2つの展望台があり、相模湾や近隣の山々を眺めることができる。

おすすめは360度の大パノラマが堪能できるレストハウス展望台。空の中にいるような気分が味わえる。

高麗山公園へはクルマでのアクセスも可能だが、JR大磯駅からハイキングコース(徒歩約40分)で上ってくることもできる。湘南平からは浅間山、高麗山へと続くハイキングコースもあり、大磯駅から平塚駅にかけては、「関東ふれあいの道」(大磯・高麗山の道)にもなっている。

大磯駅から相模湾に向かえば、すぐに箱根駅伝のコースに出られる(平塚中継所も遠くない)。もちろん海も目の前だ。ランを楽しむには事欠かないエリアと言えるだろう。ランの後に大磯港に揚がる魚介を楽しむのも絶景RUNの醍醐味!

湘南平(高麗山公園)

神奈川県平塚市万田790。小田原厚木道路平塚ICより約6.5km。新湘南バイパス茅ヶ崎西ICより約9km。JR平塚駅北口からバス(湘南平下車)で約23分、バス停から展望台までは徒歩すぐ(ただしバスの本数はかなり少ないので注意)。JR大磯駅からタクシーで約15分。高麗山公園レストハウス展望台が利用できるのは9:30〜21:30。

鋸山・保田海岸(千葉)

南国リゾートを訪れたような気分が味わえる山と海

鋸山

鋸山の標高は329.5m。いわゆる低山ながら、頂上からの眺めは絶景の名にふさわしい。「関東の富士見百景」に選出されており、天気が良ければ富士山の姿を拝める。が、それだけではない。東京湾、伊豆半島が見渡せる。山を登り景色が開けた瞬間に、息を呑むほどの眺望が目に飛び込んでくる。

頂上以外の見どころも豊富。鋸山ではかつて採石が盛んに行われていたため、石切り場や切通し(石を運び出す道)の跡を見ることができる。

また、南側斜面は日本寺の境内となっており、大仏、百尺観音、東海千五百羅漢などを見学できる。山頂へは麓からロープウェーで上がれるほか、JR浜金谷駅から登山道(徒歩約70分)、有料道路を使ってクルマで行く、日本寺の境内を上がるなどのルートがある。

絶景ラン スポット

日本寺の南側にあるJR保田駅以南には、海水浴場が点在。比較的海岸近くに道が続いており、海を眺めながらのんびりとランニングを楽しむことができる。

きれいな海があり、ランニングやサイクリングをしやすい道路があるため、トライアスリートがこの周辺で合宿をすることも多いのだとか。東京からそれほど遠くない場所で、無理なく山と海の両方を満喫できる非常に贅沢なスポットなのだ。

鋸山

ロープウェー山麓駅へはJR浜金谷駅より徒歩約9分、東京湾フェリー金谷港より徒歩約13分、館山道富津金谷ICよりクルマで約5分。ロープウェー料金は片道650円、往復1,200円(大人)。鋸山登山自動車道入り口までは館山道富津金谷ICよりクルマで5分。自動車道の利用料金は1,000円(乗用車料金)。日本寺内の通行は拝観料が必要(大人700円)。

山中湖周辺(山梨)

週末リトリートに最適。湖とトレイルに癒やされる

山中湖周辺(山梨) 絶景ラン スポット

湖と森のリゾート、山中湖。富士五湖最大面積で、標高は約1000m。都心から訪れれば、まずその清涼感に癒やされるだろう。

湖畔には一周約13.5kmの周回コース(サイクリング、ランニングで利用可能)が整備されているので、非常に走りやすい。所々にトイレが配置されているのも嬉しいポイントだ。

また、山中湖周辺はUTMF(ULTRA-TRAIL Mt.FUJI)のコースになっていることからも想像できる通り、トレイルランニングを楽しめるエリアもある。

ランの後は山中湖温泉で汗を流すのもいい。周辺は宿泊施設も充実しているので、週末を利用してリトリートしに行くのもおすすめだ。

山中湖

東名高速御殿場ICからクルマで約30分。東富士五湖道路山中湖ICからクルマで約3分。富士急行線富士山駅からバスで約25分。JR御殿場駅からバスで約40分。東京、神奈川からは山中湖村に高速バスも出ている。周辺には駐車場も多くクルマが便利。

富津岬(千葉)

長距離ランナーの聖地で潮風を浴びながら

富津岬(千葉) 絶景ラン スポット

富津岬周辺は、実業団や大学や高校の強豪チームといったエリートレベルの長距離チームの合宿地として人気の場所。秋から春にかけて、多くのトップ選手たちが富津岬周辺で走り込みを行っている。

富津公園内には5.6km(2.8、2.3kmもある)の周回コースがある。フラットで走りやすく、信号もない(車両の通行はある)。

岬の先端に向かう直線は気持ちよく、突端にある展望台からの眺めはまさに絶景。東京湾や対岸の景色、房総丘陵を一望できるパノラマビューを楽しめ、空気の澄んだ日には富士山の姿がはっきり見える。

ランの後は、公園内に多く残る戦争遺構を巡って散策するのもいい。

富津公園

住所:千葉県富津市富津2280。館山自動車道木更津南ICからクルマで約20分。公園全体で普通車の駐車場は539台分。JR内房線青堀駅からバスで約12分。JR内房線木更津駅からバスで約40分。富津公園前のバス停から富津岬展望台までは徒歩で約20分。

豊洲ぐるり公園(東京)

昼夜で表情が一変する都会ならではの景観

豊洲ぐるり公園(東京) 絶景ラン スポット

都内屈指のランニングスポットとして名高い「豊洲ぐるり公園」。豊洲埠頭先端から東電堀まで、豊洲市場の周りをぐるりと囲うように園路が整備され、ランニングやウォーキングを楽しめるようになっている(ランニングコースは4.8kmで400mごとに距離表示がある)。

コースはフラット。信号はなく、道幅が広いので、ビギナーランナーもかなり走りやすいはずだ。

海に面しているため、ランニング中、視界には常に大きく海がある。対岸の高層ビル、レインボーブリッジに豊洲大橋は壮大な雰囲気。夜になれば都会らしい夜景が楽しめる。仕事終わりに夜景ランをすれば、気持ちがスッキリするはずだ!

豊洲ぐるり公園

東京都江東区豊洲6-1先、江東区豊洲5-1先。豊洲ぐるり公園自動車駐車場は24時間利用可能(400円/時。普通自動車38台)。ランニングコースへは、ゆりかもめ新豊洲駅および市場前駅、東京メトロ有楽町線豊洲駅などからアクセスしやすい。

横須賀・うみかぜ公園(神奈川)

異国情緒も味わえる絶景を巡るうみかぜの路

横須賀・うみかぜ公園(神奈川) 絶景ラン スポット

うみかぜ公園からは、東京湾に浮かぶ無人島・猿島が一望でき、浦賀水道を航行する船舶を眺められる。それだけでも異国に旅をしに来たような感覚が味わえるが、ランニングがてら少し足を延ばせば、さまざまな景色を堪能することができる。

JR横須賀駅から、うみかぜ公園を経て、観音崎公園まで続く約10kmの遊歩道(愛称:うみかぜの路)には魅力的なスポットが点在する。

約2000本のバラが咲くヴェルニー公園、戦艦三笠が保存されている三笠公園、ヤシの並木道が続く馬堀海岸横須賀美術館観音崎灯台と、見どころだらけ。ゴール後には、カレーやハンバーガーといった横須賀グルメも楽しみたい。

うみかぜ公園

住所:神奈川県横須賀市平成町3-23。国道16号線、安浦二丁目交差点を平成町方面に曲がって約700m。公園利用する場合は駐車場の利用が可能(日中は1時間320円、30分ごとに160円加算、上限640円。夜間は1時間100円)。京急本線県立大学駅から徒歩約15分。

RUNの専門家に聞く、絶景の走り方

教えてくれた人

齊藤太郎さん(さいとう・たろう)/ニッポンランナーズ代表。小学生から80歳オーバーまで300人を超えるメンバーに「美しく、健康的に走り続ける」というポリシーのもと、効率の良いランニングフォームとトレーニングの組み立て方を指導している。ニッポンランナーズは東京、千葉県を拠点に活動中。

牧野 仁さん(まきの・ひとし)/マラソン完走請負人。一般ランナーをマラソン完走へと導くマラソン完走請負人。アスレティックトレーナー、ストレングス&コンディショニングトレーナーとして活躍。市民ランナーの指導を専門に行うJapanマラソンクラブを設立。スポーツネットワークサービス代表。

自宅を拠点に走るのとは勝手が異なる絶景RUN。用意しておくと便利なもの、注意点はあるのだろうか。

ランニングステーション入浴施設など、近くでシャワーを浴びられる場所を探しておくといいと思います。なければ汗拭きシートを用意しておきたいですね。加えて、ルート上のトイレの有無コンビニの位置も確認しておくと安心です」

とは、マラニック(マラソン+ピクニック)やランニング合宿などのイベントの開催もしている〈ニッポンランナーズ〉代表の齊藤太郎さん。

「絶景を求めて地方へ行くなら、忘れてはいけないのは小銭の準備。都会で生活していると忘れがちですが、コインロッカー、自動販売機、駐車場などで交通系電子マネーが使えないことがよくあります」

絶景RUNだからこそ必要になるギアもあるという。

「遅い時間に走るならヘッドライトネックライトがあると安心です。なるべく明るい色のウェアを身に着けて、他者からの視認性を高めて安全に走りましょう。れからクルマの人はクーラーボックスを積んでおくと便利です。飲み物や補給食を入れられるのはもちろんですが、お土産をしまっておけるので」

マラソン完走請負人として、さまざまな場所を走っている牧野仁さんは、着替えの持参を推奨する。

「ランニングの途中で歩いたり、寄り道することを考えたらトップスだけでも持っておくと、汗冷えを防ぐことができます。

また夏場でなくても海岸を走るなら日差し対策、紫外線対策としてキャップを被っておいた方がいいでしょう。日焼けを避けたいなら日焼け止めも必須です。少し長めの距離を走る場合は、水や補給食も持っておきたいですね」

同じく絶景を求めてやってきたハイカーやサイクリストと道を譲り合うことも大切。安全を重視して、絶景RUNを楽しんでほしい!

取材・文/神津文人 撮影/小川朋央 取材協力/齊藤太郎(ニッポンランナーズ代表)、牧野 仁(スポーツネットワークサービス代表)

初出『Tarzan』No.866・2023年10月5日発売

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