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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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免疫システムにダメージを与えるだけでなく、高血圧、関節リウマチ、肝炎、認知症、うつなど、心身ともに悪影響大な口呼吸。では、口呼吸から鼻呼吸へと切り替えるためにはいったいどうすれば? キーワードは「落ち舌」。口呼吸の元凶といえる、舌の筋肉の衰えを改善する「あいうべ体操」を実践しよう!
みらいクリニック院長。内科医、東洋医学会漢方専門医。口呼吸を鼻呼吸に変えて自然治癒力を高め、薬に頼らない治療で多くの実績を上げている。『正しく鼻呼吸すれば病気にならない』『免疫力を上げ自律神経を整える 舌トレ』など著書多数。
まずは上の比較イラストを見てみよう。正しい舌のポジションとは、上顎の少しへこんだ部分にくっついた状態。鼻で息を吸い込むと分かりやすいが、これを常時キープするのは難しい人の方が多いのでは?
「口呼吸は心身にさまざまな不調をもたらしますが、その最たる原因がいわゆる“落ち舌”と呼ばれる低位舌(ていいぜつ)。舌は重さ約200gの筋肉のかたまりですが、起始部が根元に付着するのみで先端には支えがなく、筋力の低下とともにダランと垂れ下がってくるのです」(医師の今井一彰さん)
そこで今井さんが長年、提唱するのが、舌や周辺の筋肉をトレーニングする「あいうべ体操」。
全国で500以上の学校や施設、団体や医療機関でも導入され、インフルエンザの発症率が激減したり、災害時の避難所では感染症予防にも成果を上げるなど、その有効性は折り紙つきだ。
実際にやってみると、顔や口まわりが驚くほど疲れるのに気付くはず。
「声は出さなくてOKなので、通常の筋トレと同様、1回に3セットは行いたいもの。口の中が乾燥しない入浴中は、特におすすめです」
口まわりには多くの筋肉が集まり、表情筋や首の筋肉と連携しながら口を閉じたり、動かしたりするのに働く。異なる母音の発音により、口や舌を大きく使うのが強化のポイント。
上顎に舌をフィットさせて、間の空気を抜くように音を鳴らす。できなければ舌の筋肉が衰えている可能性大。
舌先を高速で動かす「巻き舌」には、舌の筋力が不可欠。「トゥルルル…」と続けられるかトライしよう。
3秒間で「パパパパパ…」「タタタタタ…」と言える回数をカウント。15回以下が1つでもあればアウト。
口まわりを取り囲む多くの筋肉や、舌の根元にある「舌骨筋群」を強化。口の奥を引き上げる「口蓋帆挙筋」も鍛えられ、睡眠時無呼吸症候群の予防・改善に効果あり。
頰の筋肉が耳の前に寄り、首にスジが出るくらいまで口をぐいっと横に。「笑筋」や「口角挙筋」「広頸筋」などが働いて喉を強くし、呼吸器系疾患や誤嚥の予防にも。
口を閉じる働きに不可欠な「口輪筋」をトレーニング。唇を思いきり尖らすとより広範囲の筋肉が鍛えられ、無意識にダランと開いた口がしっかり閉じられるように。
舌を顎の先まで伸ばすようなイメージで。「外舌筋」や「内舌筋」「茎突(けいとつ)舌筋」など舌そのものの筋肉が鍛えられるため、“落ち舌”対策には特にこれを3回リピート。
編集・取材・文/オカモトノブコ 撮影/角戸菜摘 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/世戸ヒロアキ
初出『Tarzan』No.865・2023年9月21日発売