自宅でできる、排便うながしエクササイズで便秘解消!
冷えを感じたら、20の「温活」でポカポカ。
筋トレ後のストレッチはこの3種目を!
運動の「やり過ぎ」で免疫が下がる⁉︎
トレッドミルの活用がダイエットへの近道⁉︎
長時間のPC作業の敵「巻き肩」をリセット。
バランスボールを使えば、腹筋群を網羅的に鍛えられる。
ダンベルを使いまくる王道19種目。
  • 公開:

【不調別に解説】今、あなたのカラダに不足している栄養素

今、あなたのカラダに不足している栄養素

「最近調子がイマイチだけど、40過ぎてるから仕方ないか」なんて年齢のせいにしてませんか? その不調の原因は栄養素不足かも。まずは不足しがちな栄養素をチェック。そのうえで気になる「不調別」にその原因となる栄養素を解説。

大切な成分に限って、不足しています

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」から摂るべき量を、「国民健康・栄養調査」(ともに令和元年)から摂っている量を調べ、過不足を探ったのが下の表。

エネルギー摂取量

[推定必要量]男性30〜49歳2700kcal
女性30〜49歳2050kcal
[摂取量]男性40代2172kcal 528kcal不足
女性40代1729kcal 321kcal不足
食物繊維 [食事摂取基準(目安量)]男性30〜49歳21g以上
女性30〜49歳18g以上
[摂取量]男性40代18.3g 2.7g以上不足
女性40代16g 2g以上不足
ビタミンA(βカロテン) [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳900μgRAE
女性30〜49歳700μgRAE
[摂取量]男性40代555μgRAE 345μgRAE不足
女性40代458μgRAE 242μgRAE不足
ビタミンD [食事摂取基準(目安量)]男性30〜49歳8.5μg
女性30〜49歳8.5μg
[摂取量]男性40代6.4μg 2.1μg不足
女性40代5.3μg 3.2μg不足

ビタミンB1 [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳1.4mg
女性30〜49歳1.1mg
[摂取量]男性40代1.09mg 0.31mg不足
女性40代0.89mg 0.21mg不足
ビタミンB2 [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳1.6mg
女性30〜49歳1.2mg
[摂取量]男性40代1.16mg 0.44mg不足
女性40代1.05mg 0.15mg不足
ビタミンB6 [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳1.4mg
女性30〜49歳1.1mg
[摂取量]男性40代1.25mg 0.15mg不足
女性40代1.01mg 0.09mg不足
ビタミンC [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳100mg
女性30〜49歳100mg
[摂取量]男性40代76mg 24mg不足
女性40代74mg 26mg不足
カリウム [食事摂取基準(目標量)]男性30〜49歳3,000mg以上
女性30〜49歳2,600mg以上
[摂取量]男性40代2,269mg 731mg以上不足
女性40代2,033mg 567mg以上不足
カルシウム [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳750mg
女性30〜49歳650mg
[摂取量]男性40代442mg 308mg不足
女性40代441mg 209mg不足
マグネシウム [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳370mg
女性30〜49歳290mg
[摂取量]男性40代251mg 119mg不足
女性40代219mg 71mg不足
亜鉛 [食事摂取基準(推奨量)]男性30〜49歳11mg
女性30〜49歳8mg
[摂取量]男性40代9.4mg 1.6mg不足
女性40代7.8mg 0.2mg不足

日本人のエネルギー摂取量は長年減少傾向にありますが、糖質の摂取量も減少傾向で、これは主食である白米を食べなくなってきていることを意味します」と分析するのは医師で管理栄養士の岩崎真宏先生だ。

「アメリカが先行してきた低糖質・高脂肪食に変わりつつあるんです。そして、脂肪は腹持ちがいいから、エネルギーは低くてもかさばりがちな野菜の摂取量が減る。このことがビタミン不足の一因です」

日本人は今ではそれほど日本食を頻繁に食べてない?

昔の日本人が食べていたような献立を、いまどきの40代日本人が食べる頻度は下がっているようだ。

「たとえば魚や海藻を食べる機会が減って、肉食、加工食品に偏りがちになっています。ビタミンDやミネラルは海産物に豊富なので、それが数値にはっきり表れましたね」

また40代に限らず日本人は世界でもまれに見る“果物を食べていない”民族だ。1日当たり200g近く食べていた1970年代と比較すると、半減どころかいまやわずかに55.2g(令和元年)。これもビタミン不足に影を落としているか。

「1日に必要なエネルギーがどれぐらいか、食育を受けているためアメリカの社会人の60%ぐらいは答えられますが、日本人はどうでしょう」

栄養不足がカラダに与える影響を知って、賢く摂取したい。そこで、ここからは気になる不調別に足りていない栄養を解説。自分の不調に合わせて不足している栄養が摂れる食べ物を積極的に選ぼう。

便秘の原因は…

→食物繊維不足

食生活が豊かになると、精製された食材を多く口にするようになる。精製の過程では通常、食物繊維を取り除くため、栄養の吸収速度は速く、吸収が小腸で終わってしまい、大腸に届くものは激減する。当然、便のかさが減るから便秘がちになる人が増える。

しかも、腸内細菌のエサがなくなるので、腸内細菌が生み出す有機酸も減ってしまい、酸による腸管への刺激が減るので、大腸の蠕動運動が乏しくなって、便秘は悪化するばかり。

なお、腸内細菌は大腸のエネルギーになる短鎖脂肪酸も生み出すので、この理由でも菌のエサ不足は大腸の管理に悪影響を及ぼす。

生活習慣病を予防

水に溶けない不溶性食物繊維は、過剰な油脂や胆汁酸、有害物質を吸着、便とともに排出することでコレステロール値の調節に役立つ。

水溶性食物繊維は糖や脂質の吸収を遅らせて、血糖値の急上昇を緩和する。不溶性、水溶性ともに満腹感をもたらすので、過食の予防にもいい。

多く含まれる食べ物

キクラゲ、干しシイタケ、インゲンマメ、おから、ゴボウ、干しヒジキ、寒天、海苔、ワカメ、玄米、全粒粉パン

高血圧の原因は…

→カリウム不足

食卓に乗る頻度が落ちた海藻、野菜に多いため、不足量もなかなかのもの。体内では塩分とバランスをとるミネラルとして働き、カリウムがしっかりあると過剰な塩分を尿中に排泄しやすくなる。このため、カリウム不足から体内が塩分過剰になる日本人は多い。

塩分が増えると血中に水分を引き込み、濃度調節が始まるので、見かけ上の血液量が増えて血管に強い圧力がかかり、高血圧の状態に陥る

また、腎臓の血管には食塩感受性があるので、塩分で直接血圧が上がっているわけではない人も、腎臓を傷めることになり、腎疾患から高血圧になる人は少なくない。

生命活動の要となる

筋肉の細胞内にカリウムの60%が貯蔵され、筋肉の伸縮に関わるほか、エネルギーの産生にも働くため、アスリートには重要なミネラルの一つ。

一方、細胞はナトリウムを外に排出することで浸透圧を維持している。塩分摂取過多になると、ナトリウムとともに排泄されてしまう。

多く含まれる食べ物

コンブ、ワカメ、干しヒジキ、アボカド、ホウレンソウ、芽キャベツ

肌荒れ、シミ、そばかすの原因は…

→ビタミンC不足

野菜、果物の摂取量の減少が響いている可能性が高いビタミンC。酸に弱く、光や空気、熱にも弱い。弱いということは、自分が“身代わり”となり酸化されることで、近くの細胞の酸化を防いでくれているということだ。

肌荒れ、シミ、そばかすなど皮膚のトラブルの原因の一つが、紫外線がもたらす活性酸素による酸化ストレス。この酸化反応を予防するにはビタミンCなどの抗酸化物質を体内に十分にストックしておく必要がある。

だが、水溶性物質であるため、汗や尿に流失しやすく、長時間体内にとどめるのは難しい。こまめな補給が必要なビタミンだ。

免疫力にも関係が

細胞を取り巻くコラーゲンの合成に必須で、皮膚だけでなく血管粘膜などを丈夫に保つ。鉄や銅などのミネラルの吸収を促し、体調の維持にも役立つ。

抗ウイルス作用を持つ一方で白血球の働きを高めるため、免疫力の維持、強化には初手として補充したい。

多く含まれる食べ物

アセロラ、赤ピーマン、菜の花、芽キャベツ、ブロッコリー、イチゴ、キウイ、ネーブル

イライラの原因は…

→カルシウム不足

得られる水の多くが軟水の日本で不足が続いているミネラルだ。体内ではほとんどが骨に貯蔵され、ストレスが高まると血中のカルシウムが消耗し、これをカラダが感知すると骨から血中に放出して濃度を保とうとする。消耗後には食事で補給しないと骨は痩せていく

これが続くと将来骨粗鬆症になるリスクが高まるし、骨折もしやすくなる。カルシウムは精神安定剤のようにも作用するため、不足したままだと神経が過敏になりがちで、イライラの元にもなる

筋肉の伸縮に関わり、不足は手足のしびれやけいれん、足がつるなどのトラブルも起こりやすくする。摂り過ぎると尿路結石のリスクが増す。

血行にも影響する

筋肉だけでなく心筋の鼓動を正常にキープしている。カルシウム不足は血行、血液の状態にも悪影響をもたらし、動脈硬化や高血圧の下地にもなっている。血行が悪化すれば肩こりがひどくなる。骨だけでなく歯にも影響するので歯質の低下により歯周病に対して脆弱になる。

多く含まれる食べ物

牛乳、ヨーグルト、チーズ、小松菜、モロヘイヤ、干しエビ、サケ水煮缶

口内炎の原因は…

→ビタミンB2不足

糖質、脂質の代謝に必要な補酵素なので、これらの栄養を摂り過ぎると不足がちとなる。不足は代謝の足を引くので、糖質、脂質がエネルギー源として使いにくくなり、肥満や脂肪肝の一因となる。

これに先行して粘膜に異常を生じるので、口内炎、口角炎、舌炎、目の充血、白内障、肌・毛髪の劣化などのトラブルを招きやすい。成長期に不足を放置すると発育が止まる可能性も。

体内で過酸化脂質の生成を妨げるので、老化、生活習慣病の予防にもつながるが、レバーやきのこ類、ドジョウなど好みの分かれる食材に多いため、人によっては大幅な不足も考えられる。

毎日摂取する必要あり

粘膜、目の健康に関わるので視力の維持には不足できないビタミン。エネルギーを生み出す際に使われるため、新陳代謝の速い粘膜への影響はすぐに表れる。

脂質の代謝に欠かせないので、脂漏性皮膚炎の人は不足している可能性がある。水溶性なので毎日の補給が大事だ。

多く含まれる食べ物

レバー、ドジョウ、きのこ類、納豆、カレイ

不整脈、気分の落ち込みの原因は…

→マグネシウム不足

興奮状態の神経を鎮める働きを持つので、不足を放置すると精神状態の悪化を招くことがある。不整脈をはじめ心筋梗塞や狭心症などの心疾患の一因ともなる。

カルシウムと同じく、体内ではその多くが骨に貯蔵され、ストレスが高まると尿中に排泄されてしまう。偏食でリンを摂り過ぎると、マグネシウムの体内への吸収を妨げる。

メカブ、ゴボウなどいまどきの食卓で見かけることの少なくなった食材に多いし、緑黄色野菜を食べなければたちどころに不足となる。穀類が精製に伴って失う部分にマグネシウムは多いから、白米を玄米に替えるのはよい工夫

心身の両面を調節

糖を燃焼する際の補酵素。イライラや集中力の低下、神経の興奮を鎮め、心血管疾患の予防にも役立つ。

骨に貯蔵しているカルシウムを、血中に放出させる副甲状腺ホルモンの合成にも欠かせない。余分なカルシウムの組織への沈着を防ぐので、不足は尿路結石の一因となる。

多く含まれる食べ物

ナッツ、ホウレンソウ、メカブ、ゴボウ、オクラ、モロヘイヤ、玄米

夜盲症の原因は…

→ビタミンA不足

網膜の光受容器細胞にある色素、ロドプシンの主成分がビタミンA。不足状態が続くと明暗を感じにくくなり、夜間視力が低下し、いわゆる鳥目(夜盲症)の状態になりやすくなる。

影響は網膜だけでなく、全身の粘膜、皮膚に及ぶため、幼児・小児では皮膚の乾燥を招き、角質乾燥症を発症することが多い。粘膜の状態が乱れると免疫力が低下し、呼吸器は菌、ウイルスの侵入に対し脆弱になり、風邪もひきやすくなる。

消化器の守りが弱くなれば、食あたり、下痢が増える。脂溶性ビタミンであり、過剰摂取には害もあるため、サプリは安全設計になっている。

がんの予防にも期待

皮膚や粘膜の健康に欠かせないビタミン。抗酸化力が強いためLDLコレステロールの酸化を防ぎ、がん、老化、心疾患などの予防ではキーとなる栄養素だ。

緑黄色野菜に多いβ-カロテンは、そのときに必要な分だけ体内でビタミンAに変換され、残りはストックに回される。

多く含まれる食べ物

レバー、ウナギ、ホタルイカ、肝も食べられる魚(鮎など)、モロヘイヤ、ニンジン

味覚障害の原因は…

→亜鉛不足

DNAからタンパク質を合成する際に欠かせないミネラルだ。このため細胞の新生に深く関わり、新陳代謝が盛んな部位ほど要求量が多くなる。

とりわけ、舌、軟口蓋にあって味覚を司る味蕾は食事の影響で容易に増減するが、亜鉛不足は味蕾の数の減少の一因となることが知られている。

ただし、味蕾は回復力が高く、亜鉛不足を補えば比較的短期間で正常に戻る。

また、亜鉛はインスリンの合成に用いられるため、不足すると糖尿病の発症リスクが高まる。男性では精子の生産にも必須であるが、強壮剤として働くわけではなく、性機能を向上させるものではない。

修復・成長を促す

味覚と同様に嗅覚にも大きく影響する。ビタミンCとともにコラーゲンの合成にも深く関与する酵素であり、不足すると傷の治りが遅くなるし、子どもの発育も遅れがちになる。

消化器官も新陳代謝が盛んな部位なので、不足は胃腸障害を招きがち。粘膜全般の健康にも関わる。

多く含まれる食べ物

カキ、豚レバー、牛赤身肉、ウナギ、イイダコ、空豆

骨粗鬆症の原因は…

→ビタミンD不足

体内では活性型に変換され、骨の成分であるリンやカルシウムの吸収を促し、骨へのカルシウムの定着も後押しする。血中のカルシウムが不足状態になると、骨に働きかけてカルシウムの放出も促すし、尿中へのカルシウムの排泄を抑える方向にも作用する。

骨の育つ成長期に必要量が多く、大きく不足するとくる病やX脚、O脚にも。歯ももろくなり、むし歯が増える。閉経後の女性や高齢者では骨粗鬆症の呼び水にもなる。

日光に当たっていればコレステロールを材料に十分な量を皮膚で合成できるので、極端に外出を控えると不足がちになることがある。

生活習慣病に関連する

メカニズムがはっきりとは解明できていないものの、体内で十分な量を維持できていると、小児の喘息などアレルギー症状を軽く抑えられる。

血管の機能低下を防ぐため、生活習慣病の発症リスクも下げる。逆に不足するとカルシウムの血管壁への沈着が多くなり、動脈硬化が進む

多く含まれる食べ物

サケ、サンマ、ブリ、アジ、シラス干し

取材・文/廣松正浩 取材協力/岩崎真宏(日本栄養コンシェルジュ協会代表理事、医学博士、管理栄養士) 編集/阿部優子

初出『Tarzan』No.859・2023年6月22日発売

Share

関連記事:

Share