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4年前、テレビ番組の企画で肝臓を検査した結果、余命8年と宣告された石田純一さん。驚愕の宣告に、ワイン通・石田さんも肝臓・腎臓との向き合い方を変えたのか。そして現在、大事な臓器たちは大丈夫なのか。最新の装置を使った検査で、石田さんの肝腎ナウを追った。
いくら番組の企画とはいえ、視聴者を驚かせるには十分だった。
元祖トレンディ俳優として長年活躍する石田純一さんが、とあるテレビ番組で人間ドックを受けた結果、肝機能異常や脂肪肝などが見つかり、禁酒を勧められた。
挙げ句の果てに“余命8年”という宣告も。その検査は2019年秋のこと。4年の月日を経た今、改めて肝臓と腎臓の検査を受けてもらうことに。
そもそも、当時の結果は石田さんにもインパクトがあったのでは。
「まあ…あれはテレビ的な演出も含まれてますしね。それほど深刻な結果だったとは思っていません」
と、意外(?)な回答が。そうすると収録後も生活は特に変わらず?
「禁酒はしていません。ただ当時よりお酒の量を減らしています。昔はボトル1本なんて平気で空けましたが、今は多くても3分の2本程度。あと肝臓とは関係なさそうですが、最近体型が気になるのでワインでなく糖質ゼロの焼酎をよく選びます。
水割りなどの方が肝臓への負担が少ないんでしょうけど、自分はもっぱらオンザロック。なるべく水も別で飲みますが強いお酒が好きなので」
飄々と語るが、筋金入りの酒呑みだ。だ、大丈夫なのか。さすがに休肝日は設けてますよね?
「ゴルフをする前日は飲酒を控えることも。カラダが軽いし、打球のキレ味も全然変わります。休肝日はそれくらい。今年5月に焼き肉屋を始めてからはほぼ毎日お店に出ていて、営業中にお客さまにいただくお酒を空きっ腹で飲むことも多々。
肝臓に負担をかけているかもしれません。ただ、お酒を我慢するストレスがカラダに良くないんじゃないかな? 結局、バランスが大事ですよね」
ストレス。もちろんそうです。よってお酒をゼロにはせず、ほどほどの付き合いを心がけているそう。
「ストレス解消に役立つのは、僕の場合は運動です。毎日5km以上走りますし、子供の送り迎えをする日は往復40分ほど歩く。ゴルフも月2〜3回はやっています。没頭するうちに浮世を忘れられますから」
では、腎臓についてはどうだろう。実は2014年には腎臓結石を除去する手術も受けている石田さん。
「その結石がシュウ酸由来と言われたのでホウレンソウは極力食べません。でも腎臓は肝臓ほど気にしていません。食事はもともと薄味&塩分控えめですし。僕の場合はとにかく肝臓! 親父や祖父など家系的に肝臓に問題があるんですよ」
少々不安だが、一にも二にも検査。
都内の〈クリントエグゼクリニック〉で最新のMRIなどを駆使して肝臓や腎臓を徹底的に調べた。
クリントエグゼクリニック
最新MRIを導入、精度の高い検査を受けられる。本クリニックは会員制だが、今回は特別に、2024年3月頃までの期間限定で石田さんが受けた検査を受診可能。詳細はクリニックに問い合わせを。
縄手祥平先生
なわて・しょうへい 山梨大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院の脳神経外科で勤務する傍ら、〈クリントエグゼクリニック〉でも診療を行う。
「ここまで細かい検査は初めて」と、石田さん。今回検査を担当した縄手祥平先生、いかがでしたか?
「血液検査の結果、異常が見られたのが中性脂肪とγ-GTPの2つ。前者は150以下が正常ですが175、後者は75以下が正常ですが89でした。それ以外は正常範囲内で腎臓の機能低下などもなく、腫瘍マーカーも陰性でした」
イェーイと喜ぶ石田さんを「画像検査の結果は」と遮る縄手先生。
「MRIで軽度〜中等度の脂肪肝と判明。また胆囊に胆石が複数ありました。今後もそれなりの量のお酒を飲み続けると胆石が大きくなり、胆石発作のリスクが上がります」
「1日にワインを3分の2本以上は飲まないそうですが、石田さんの数値なら1週間で摂っていいアルコールは100g。1日で考えれば、グラス1杯〜1杯半程度。
焼酎は度数が高いので1杯がせいぜいかと。症状の進行を抑えるには徐々に飲酒量を減らすことと、睡眠中の脱水対策として就寝前の水分補給を推奨します」
心配な点もあるが、余命8年の窮地からは一旦脱した(!?)石田さん。
「思っていたよりいい結果でしたが、油断はしていません。お酒も減らす方向で…(小声)。不健康になるよりは健康でいたいですからね」
我々の健康を左右するこの二大臓器の、働きや役割もしっかり学びつつ、メインコンテンツとしては、今すぐケアする超実践的なTo Doリストを数多く展開!
後半では、肝臓と腎臓の働きとも関係が深い「塩」との正しい付き合い方を、さらには、年末年始には欠かせない「お酒」を楽しむためのアイデアを紹介します。
取材・文/門上奈央 撮影/石原敦志 協力/プリメディカ
初出『Tarzan』No.870・2023年12月14日発売