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栄養素がぎっしり!果物、きのこ、海藻、豆、芋類を食べるべき理由

基礎から学ぶ野菜以外の植物性食品を摂るべき理由

ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な野菜は意識的に摂取量を増やしたい。が、もちろんそれだけを食べていればいいワケではない。果物、きのこ、海藻、豆、芋類など野菜以外の植物性食品にも、それぞれ私達の健康を支える豊富な栄養素が含まれている。野菜以外の植物性食品が持つチカラを知っておこう。

果物|生で手軽に食べられて、野菜並みの栄養パワーを持つ

果物

果物100gの目安
  • キウイフルーツ…1個
  • イチゴ…6粒
  • リンゴ…1/2個
  • グレープフルーツ…1/2個
  • ミカン…1個
  • バナナ…1本
  • ナシ…1/2個
  • カキ…1個
  • 桃…1/2個
  • ブルーベリー…50粒

厚生労働省は、健康を保つ生活習慣の指針となる「健康日本21」を10年ぶりにリニューアルする。

1日の野菜摂取量については1日350g以上という基準は据え置かれたが、大きく変更されたのが果物の摂取量。1日200g以上と、現状の2倍に大幅に増やしたのだ。

1日当たりの果物摂取(g)の現状
1日当たりの果物摂取(g)の現状

出典/厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」

「健康日本21(第三次)」の目標値200gは、現状の摂取量の2倍。とくに男性は、女性より果物の摂取量が少ない傾向があるから要注意。

その根拠になっているのは、果物の摂取量を増やすほど、健康にプラスだというエビデンスが近年着実に蓄積していること。

下の2つのグラフで示すように、肥満と高血圧に関しては、果物の摂取量が増えるほど、罹患リスクは下がっている。データは示していないけれど、2型糖尿病も、1日の果物摂取量が200g前後までは摂取量と罹患リスクは反比例している。

果物の摂取量と肥満リスク
果物の摂取量と肥満リスク

出典/Schlesinger S, Neuenschwander M, Schwedhelm C et al.(2019)Food Groups and Risk of Overweight, Obesity, and Weight Gain: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies. Advances in nutrition(Bethesda, Md)10, 205-218.

果物の1日の摂取量が増えるほど、肥満リスクは右肩下がりになる。

果物の摂取量と高血圧リスク
果物の摂取量と高血圧リスク

出典/Schwingshackl L, Schwedhelm C, Hoffmann G et al.(2017)Food Groups and Risk of Hypertension: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies. Advances in nutrition (Bethesda, Md)8, 793-803.

1日200gまでは、果物の摂取量が増えるほど、高血圧リスクは右肩下がりになる。果物に多いカリウムが、高血圧を招くナトリウムの排泄を促すのが一因だろう。

果物からは野菜と同様にビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルが摂れる。それが偉大な健康効果の源になるのだろう。

「加えて、皮と種さえ外せば、生でそのまま食べられるので、野菜より手軽に摂取機会が増やせます。コンビニなどでも買えるカットフルーツなら、皮も種も取る必要がありません」(管理栄養士の大島菊枝さん)

ただし、果物には糖質も多い

なかでも果糖は肝臓で脂質に変わりやすく、過食すると脂肪肝を招く恐れもある。ドライフルーツシロップ漬けの缶詰果汁100%ジュースなどは、とくに糖質と果糖の過剰摂取につながりやすいから要注意。果物はできるだけ生で摂り、糖質が活動エネルギーとして使われやすい朝食か昼食に食べるようにしよう。

果物の主な栄養成分(可食部100g)

炭水化物(g)

カリウム(mg)

β-カロテン(㎍) ビタミンC(mg) 水溶性食物繊維(g) 不溶性食物繊維(g)
イチゴ 8.5 170 17 62 0.5 0.9
キウイフルーツ(黄肉種) 14.9 300 38 140 0.5 0.9
ブルーベリー 12.9 70 55 9 0.5 2.8
リンゴ(皮付き) 16.2 120 22 6 0.5 1.4

出典/食品成分データベース

きのこ|野菜で摂れないビタミンD、免疫力アップ成分が摂れる

きのこ

再三触れている1日350g以上という野菜摂取の基準には実はきのこを含んでもよい。野菜だけではなく、きのこも1日最低1回は食卓に乗せよう。ストックしやすい乾物を活用すれば、登場回数を増やせそう。

野菜をしっかり食べていても、それだけでは不足しやすい栄養素が、きのこには含まれている。それは、ビタミンD。キクラゲ、干し椎茸、マイタケなどにとくに多い。

ビタミンDは、日光を浴びると皮膚で合成できるが、現代人は美白のために日光浴を避けがち。最新研究では、日本人のなんと98%がビタミンD不足に陥っているという衝撃の結果も出ている。

ビタミンDは、骨の合成に欠かせないカルシウムの吸収率を上げるほか、筋肉の合成も高めてくれる。また、ビタミンDの摂取量が多い人ほど、死亡率も下がる傾向がある。

きのこには食物繊維も多いナメコのネバネバ物質は、水に溶ける水溶性食物繊維の一種。マイタケやエノキタケには水に溶けない不溶性食物繊維が多い。きのこの不溶性食物繊維ではβ-グルカンも注目株。β-グルカンが腸管にあるパイエル板というセンサーを刺激すると、自然免疫力が高まるのだ。

きのこ類の主な栄養成分(可食部100g) カリウム(mg) ビタミンD(㎍) 水溶性食物繊維(g) 不溶性食物繊維(g)
シイタケ(乾) 2200 17.0 2.7 44.0
マイタケ 230 4.9 0.3 3.2
エノキタケ 340 0.9 0.4 3.5
ナメコ(水煮缶詰) 100 0.1 0.2 2.3
キクラゲ(乾) 1000 85.0 0 57.4

出典/食品成分データベース

海藻類|日本人の健康を古くから支えてくれた縁の下の力持ち

海藻類

きのこと同じく、1日の野菜摂取量の目安となる350gの内訳には海藻も含まれる。こちらも1日に1回、食卓に乗せるようにしたい

世界的に見ても、海藻をもっとも日常的に食べているのは、おそらく日本人。日本人が健康長寿なのは、ひょっとしたら海藻をせっせと食べているおかげかも。なぜなら、海藻は栄養素がギッシリ詰まった海の玉手箱だからだ。

もっとも期待できる栄養素は、ミネラルカリウムカルシウムマグネシウム、鉄などだ。いずれも、現代人には不足しやすい

「逆にヨウ素は、含有量が多すぎて過剰摂取が心配なくらい。とくにヨウ素が多いワカメなどは食べ過ぎないようにしましょう」

ビタミンでは抗酸化作用があるβ-カロテンをふんだんに含み、“海の緑黄色野菜”と呼びたいくらい。

腸内環境を整えてくれる食物繊維も多い。他にも、メカブやモズクや昆布といった褐藻類に含まれるフコイダンというヌメリ成分には、血管を詰まらせる血栓(血の塊)の生成を防ぐ作用があるという。

海藻は野菜と合わせてサラダにしたり、味噌汁などスープの具材にしたりすると、摂取量が増やせる。

海藻類の主な栄養成分(可食部100g)

カリウム(mg) カルシウム(mg) マグネシウム(mg) 鉄(mg) ヨウ素(㎍) β-カロテン(㎍)

食物繊維総量(g)

ワカメ(素干し、水戻し) 260 130 130 0.5 1900 1200 5.8
モズク(塩蔵、塩抜き) 2 22 12 0.7 180 1.4
メカブ(生) 88 77 61 0.3 390 240 3.4
ヒジキ(干し、ステンレス釜茹で) 160 96 37 0.3 960 330 3.7
甘海苔(焼き海苔) 2400 280 300 11.0 2100 25000 36.0

出典/食品成分データベース

豆類|タンパク源にも、糖質源にもなってくれる

豆類

豆類の摂取が増えるほど、高血圧や糖尿病といった気になる生活習慣病のリスクは下がる(下のグラフ参照)。

豆類の摂取量と高血圧リスク
豆類の摂取量と高血圧リスク

出典/Schwingshackl L, Schwedhelm C, Hoffmann G et al. (2017) Food Groups and Risk of Hypertension: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies. Advances in nutrition (Bethesda, Md) 8, 793-803.

前述の果物は高血圧抑制に効果的だが、豆類も同様。豆類の摂取が1日30gを超えるあたりから、高血圧リスクが明らかに下がり始める。

豆類の摂取量と糖尿病リスク
豆類の摂取量と糖尿病リスク

出典/Schwingshackl L, Hoffmann G, Lampousi AM et al. (2017) Food groups and risk of type 2 diabetes mellitus: a systematic review and meta-analysis of prospective studies. European journal of epidemiology 32, 363-375.

豆類の摂取が増えるほど、誤った生活習慣が招く2型糖尿病のリスクは緩やかな右肩下がりのカーブを描いていく。

豆類の摂取は、大きく大豆とそれ以外という2つのグループに分けて考えるべき。なぜなら、期待できる栄養素に違いがあるからだ。

大豆は、タンパク質量が多い。豆腐や納豆などの大豆製品は、日本人にとって貴重なタンパク源だ。また、大豆に含まれるフィトケミカルのイソフラボンは、骨中のカルシウムを保つほか、有害な活性酸素を無力化する高い抗酸化作用がある。そして大豆タンパク質のβコングリシニンは、脂質代謝を正しく整えて内臓脂肪を減らす作用もある。

大豆以外のひよこ豆、インゲン豆といった豆類からは、基本的なエネルギー源となる糖質が摂れる

糖質を過剰に摂ると血糖値が急に上がり、血管のストレスになる。豆類は総じて食物繊維がリッチで、消化吸収はゆっくり。糖質が多くても、危険な血糖値の上昇は抑えられる。

いずれのグループでも、豆類からはカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛といったミネラルが豊富に摂取できるのもメリット。

豆類の主な栄養成分(可食部100g) 炭水化物(g) タンパク質(g) カリウム(mg) カルシウム(mg) マグネシウム(mg) 鉄(mg) 亜鉛(mg) 水溶性食物繊維(g) 不溶性食物繊維(g)
ひよこ豆(茹で) 27.4 9.5 350 45 51 1.2 1.8 0.5 11.1
インゲン豆(茹で) 24.5 9.3 410 62 46 2.0 1.0 1.5 12.0
大豆(茹で) 8.4

14.8

530 79 100 2.2 1.9 0.9 5.8

出典/食品成分データベース

イモ類|特性を知って賢く活用しよう

イモ類

イモ類が通常の野菜と違うのは、炭水化物を多く含むこと。炭水化物とは、糖質+食物繊維のことだ。

とくにサツマイモは、100g当たりの炭水化物量が、ご飯に匹敵する。ジャガイモの含量もサツマイモの約半分。古今東西、飢饉を救う作物として珍重されてきた理由だ。

でも、サツマイモやジャガイモには、ご飯などの主食にはない栄養面の特徴がある。それはビタミンCの含量が多いこと。イチゴやオレンジのようにビタミンCが豊富な果物の半分ほどの含量を誇る。ビタミンCは水溶性で調理中に失われやすいけれど、イモ類は食物繊維が多いため、ビタミンCの損失が最小限に抑えられるというメリットもある。

イモ類でも、ちょっとユニークなのがヤマノイモ。円筒形のナガイモ、球形のヤマトイモ(関東ではツクネイモ)、扁平のイチョウイモ(関東ではヤマトイモ)がある。

イモ類は基本的に加熱して食べるが、ヤマノイモだけは刻んだり、すり下ろしたりして生で食べられる。理由は、ジアスターゼという消化酵素を含むから。ご飯やそばにトッピングすると、消化吸収を助ける

それぞれの特性を把握して、1日1回はイモ類をどれか食べよう。

イモ類の主な栄養成分(可食部100g) 炭水化物(g) カリウム(mg) ビタミンC(mg) 水溶性食物繊維(g) 不溶性食物繊維(g)
ジャガイモ(皮なし) 17.3 410 28 0.4 0.8
サツマイモ(皮なし) 31.9 480 29 0.6 1.6
サトイモ 13.1 640 6 0.8 1.5
ヤマノイモ 27.1 590 5 0.7 1.8

出典/食品成分データベース

取材・文/井上健二 取材協力/大島菊枝(管理栄養士) イラストレーション/ナカイミナ

初出『Tarzan』No.863・2023年8月24日発売

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