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オホホくらいの中笑いが理想。自律神経を整える“笑い方”

笑い

“笑い”はカラダにいいというが、果たしてどんな影響をもたらし、副交感神経をいかに高めるのか。ストレスに効果的に対処するための笑うタイミングや、笑いの塩梅を専門家に伺った。

笑い 文教大学副学長、医学博士 石原俊一さん

石原俊一さん

教えてくれた人

文教大学副学長、医学博士

いしはら・しゅんいち/1987年、同志社大学文学研究科心理学専攻博士後期を修了。その後、臨床心理士として、患者の心理的治療を行う総合病院に勤務。2003年、文教大学人間科学部に赴任。生理心理学の基礎を解明すると同時に、行動科学的アプローチによる治療法を研究。

笑いが自律神経を整える

医学的に“笑い”の研究が始まった90年代から、自律神経系との関わりに注目し研究してきた石原俊一さんは、カラダへの影響をこう話す。

「自律神経を乱すストレスは大きく2つのタイプに分かれます。一つは、能動的対処事態。仕事のパフォーマンスを上げるためにカラダに鞭を打ちバリバリ働くようなことで溜まるもので、休息などである程度対処できます。

もう一つが受動的対処事態といって、自分ではどうしようもなく四面楚歌の状態に陥ることで、新型コロナウイルスによる不安などが当たります。

後者は心拍と血圧の低下を引き起こし、結果、血管収縮や心不全、心理的な鬱の状態を招く恐れがあります。それに対処する一つの解決法が、“笑い”。自律神経を整え、疲れたカラダを修復する効果が研究で実証されています」

ストレスが起こる前に笑った方がいい

笑いの刺激を与えるタイミング次第で、より効果が期待できるそう。

「笑いは、笑い始めた瞬間から副交感神経を優位にすることが報告されています。またアスリートが試合というストレス課題の前にリラックスできる音楽を聴いて過緊張を抑制させるのと同様に、何かストレスが起こる前に笑いの刺激も先行して与えた方が交感神経の興奮を抑えやすい

すなわち“笑い”は、怪我をしないための心のストレッチと言えます。ストレスを解消するだけでなく、それを活性化させず溜め込まないカラダを育むわけです」

一説には、ニコッと口角を上げるだけで副交感神経を高めるともいわれるが、それはキッパリ否定する。

“楽しい”という認識がはっきりとないと自律神経系の反応は鈍いというのが、私の見解です。またガハハと大笑いしすぎると、かえって交感神経を高めすぎてしまうことになるため、オホホくらいの中笑いが理想。この塩梅にも個人差があるので、自分の笑いのツボを知るのも大事なことです」

編集・取材・文/宮田恵一郎 イラストレーション/高橋将貴 取材協力/石原俊一(文教大学副学長、医学博士)

初出『Tarzan』No.858・2023年6月8日発売

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