笑いがインナーマッスルに効く?
よく「笑いすぎて腹が痛い」と言ったり、ネット上で「腹筋崩壊」なんてワードを見たりする。実際大笑いすると腹が刺激される気はするし、それが高じて腹筋が割れたりしないだろうか。笑いを研究する近畿大学講師の阪本先生、どうでしょう?
阪本亮先生
教えてくれた人
さかもと・りょう/近畿大学医学部 心療内科医学部講師。ストレス関連身体疾患としての心身症を専門とし、お笑い全般を研究。がん患者のメンタルケアなどにも携わっている。
「笑いがどの程度腹筋に影響するかを調べたドイツ人の研究があります。笑いと深呼吸を組み合わせた健康体操的な“笑いヨガ”とクランチを行い、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の筋活動を比較。各部位をどの程度刺激しているか調べたものです」
下がその結果。腹直筋と外腹斜筋はクランチの方が筋肉をより多く使うが、内腹斜筋については笑いの方が筋活動が優位になった。ちなみに「最高レベルの笑い」とは本研究で実施した笑いヨガの中で、最も大きな笑いを計測したもの。
内腹斜筋は笑いの方が強い刺激が入る結果に
「この結果から、笑いはお腹の外側よりも体幹寄りの筋肉に効くことがわかります。でも笑いだけで腹が割れるかというと、そこはやはり難しい。筋トレを超える強度で笑うのはそれだけパワーが必要なのです」
とはいえ、笑いも立派な腹筋エクササイズだと判明。阪本先生によると年齢を重ねるほど笑う回数は減ってしまうとのこと。常に最新のお笑いに触れるなどして笑う機会を作り、気持ちを開放し、お腹を刺激しよう。