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〈ナイキ〉のランニングシューズ3足を履き比べ! シューズトライアル体験レポート
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カラダ作りの知識を深める「ストレングス学園」。今回は側屈トレーニングの基本種目「サイドベンド」にフィーチャーして、その理論と実践法を解説する。
立位で行う側屈種目のサイドベンド。その名の通り体幹部を横に曲げて行う、ストレッチ要素も兼ね備えたトレーニングだ。シンプルな動作だけに、基本的なフォームが重要となる。ダメなNG例とともに解説しよう。
まず最も陥りやすいミスが、腰が横にズレて突き出してしまうこと。代償動作で背骨を横に倒した“つもり”なだけで、これでは体幹に正しい刺激が入らない。ポイントは「背骨のC」と呼ばれるように、骨盤の位置は変えず、背骨だけでカーブを描く意識を持って行うことだ。
また多いミスとして、腰が反ったり、斜め前へおじぎするように上体がグラついたり、ねじれたりすることがある。
動作のベクトルとして押さえておきたいのが、カラダを前後に分けた「前額面」の動きを常にキープすること。横にスライドする“自動ドア”をイメージして、前述のようなCカーブを描いていこう。
ちなみに「矢状面」とはカラダを左右に分ける面で、体幹部においては屈曲・伸展の動きが該当。人体を輪切りで見た「水平面」では、「回旋」の動作を伴う。よって答えは①前額面。
側屈とは前述のように、背すじを伸ばした状態から、前後にブレることなく上体を真横に傾ける動きを指す。
強くて安定した体幹、そして正しく疲れにくい姿勢を保つには、いわゆる腹筋・背筋運動だけでなく、こうした側屈トレーニングが不可欠だ。具体的に鍛えるべき筋肉は、答え②の腹斜筋。
ここを強化するメリットとしては、ベルトに乗ったハミ肉を絞る、くびれて割れた腹にするなどの見た目的な御利益も見逃せない。
だが何より注目したいのは、誰もが持つ姿勢のアンバランスを左右対称な動作によって整えられる、という点だ。その効果をより高めるには、鏡を見ながら左右の稼働域を均等にするといった工夫があるとベストだ。
サイドベンドの側屈動作におけるポイントは、腹斜筋を意識しながら、上体を倒す側の脇腹がしっかり縮むのを意識すること。逆に起こすときは、反対側の脇腹が縮むことを意識するといいだろう。
いずれの場合も、動作はゆっくり行うことも重要。勢いに任せず、また重力に耐える力で、左右の腹斜筋をバランスよく鍛えていきたい。
取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.858・2023年6月8日発売