
教えてくれた人
吉村英一さん/よしむら・えいいち 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所栄養・代謝研究部エネルギー代謝研究室室長。生活リズム、エネルギー代謝などの研究を続けている。
正月太りは万国共通? 世界でも休日に体重が増えている

Racette et al. OBESITY 2008 より作成
“ホリデーウェイトゲイン”という言葉にあまり馴染みはないかもしれないが、諸外国では“正月太り”と同じような感覚で使われているという。
たとえばアメリカなら11月後半の感謝祭からクリスマスにかけて、それから4月のイースターの時期に体重が増える傾向があり、それがホリデーウェイトゲインと呼ばれる。

1年間の体重の推移/日本では、正月明け、ゴールデンウィーク明けに体重が増える傾向がある。週末に増えて、長期休暇でさらに増える。その積み重ねが、気がついたらお腹がポッコリということに繫がる。Halander et al. N Eng J Med 2016より作図
原因は飲酒量や食事量が増えるのに伴う摂取カロリーの増加。正月太りと全く同じ仕組みだ。そしてこれが「年単位だけでなく、1週間単位でも起こっていることが、研究で明らかにされています」と話すのが国立健康・栄養研究所の吉村英一さん。
下のグラフが表すように、週末の間に体重が0.15~0.2kg増加し、月曜日にピークを迎える。そして次の金曜日までにベースの体重に戻らず、また週末に体重増が起こる。この繰り返しによって、ジワジワと脂肪が蓄えられ、正月太りとの相乗効果で、気がつけば中年太りというわけだ。

食事、身体活動量の週内変動/左は摂取カロリーのグラフ。平日よりも週末に摂取量が増えていることがわかる。右は活動量を示したグラフ。日曜日に極端に減少しているのが一目瞭然。Racette et al. OBESITY 2008より作図
週末にカロリー摂取が増え、日曜日に活動量が減る
なぜ月曜日に体重のピークが?
「まず、月~木曜日よりも、金~日曜日に摂取カロリーが増えるのが大きな要因。自分の頑張りへの報酬としてハイカロリーなものを食べすぎてしまう人が多いのだと思います」
一週間の仕事を終えた金曜日の夜にパーッと飲みに行く、土日は家でゴロゴロしたり、家族で外食して美味しいものをたっぷり、といったことに心当たりがある人は多いのではないだろうか。
もう一つの原因が、日曜日に大きく活動量が減少すること。
「月曜日からの仕事に備えて日曜日はのんびり過ごしている、土曜日に遊んで日曜日は疲れて寝ているといった人が少なくないはず。現代的な生活リズムは、ホリデーウェイトゲインに繫がりやすいとも言えます」
仕事を頑張ったご褒美のアルコールやスイーツをゼロにするのは酷な話だ。ならば、週末の活動量を増やして、月曜日のピークの山を少し低くすることを目指すべし。ピークが低くなれば、平日の間に体重がベースラインまで戻り、体重増が積み重なるのを防ぐことができるのだ。
食生活の改善に加え、週末にはカラダを動かし、体重を増やさない。これを習慣化することが、シンプルだが太らないためのカギだ。