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こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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思うように食べられない日でも、自ら調合した“燃え調味料”なら、慣れない料理をしてみよう、出先で一振りしてみよう、という気にならないだろうか。初心者でも簡単、魔法の粉作り。いざ、スパイスの世界へ。
印度カリー子さん
いんど・かりーこ/1996年生まれ。スパイス料理研究家、タレント。初心者のためのオリジナルスパイスセットの開発・販売をするほか、レシピ本の執筆、大手企業との商品開発など幅広く活動。
目次
夏が来ると無性に辛いものが食べたくなる。刺激的なスパイスに翻弄されて爽快な汗をかきたいからだ。とはいえ、自分で作るとなるとハードルがちと高い。だってスパイスって複雑だし難しそうだし。
そこで『ターザン』考えた。おいしくて手軽でついでに代謝が上がる万能オリジナルマサラを作ればいいじゃん! ハテ、でもどうやって?
「3つのスパイスを混ぜるだけで簡単にできますよ」
教えてくれたのはスパイスの伝道師・印度カリー子さん。マサラは複数の香辛料を配合したミックススパイスのことだが、ここで使うのはパウダー状のクミン、ターメリック、チリペッパー。
これを2:1:1の体積比率でタッパーやビンの中でシャカシャカ混ぜたら、あっという間にターザンマサラの出来上がり!
クミン:カレーの中核となるスパイス。香り成分のクミンアルデヒドが食欲を増進。シードの状態で持っているという人はすり鉢でゴリゴリすってパウダーにしてもよし。
ターメリック:カレーの黄色い色の正体がこちらのスパイス。色素成分のクルクミンは活性酸素の害を抑制する抗酸化作用を備えている。土臭いので使う比率は1に留めるのが鉄則。
チリペッパー:カレーの刺激的な辛味を演出するおなじみのスパイス。辛味成分のカプサイシンには脂肪分解、代謝促進効果あり。代謝アップが目的なら、なくてはならないアイテムだ。
「3つのスパイスのなかで代謝促進の研究が一番進んでいるのがチリペッパーです。辛味成分のカプサイシンが脂肪分解に役立ちます。クミンに含まれる香り成分のクミンアルデヒドには食欲増進効果、ターメリックの色素成分・クルクミンには抗酸化作用が期待できます」
なんと、脂肪が燃えて食欲が落ちやすい夏でもガツガツ食べられて疲労&老化予防までできるとは。
「好みで配合比率を変えてもいいと思います。チリペッパーは辛味や刺激があるので胃が弱い人は一部をパプリカパウダーに差し替えてもいいですね。ただターメリックだけはあまり量を増やすと土っぽい香りになるので注意してください」
まずは王道の黄金比率で作ったターザンマサラ料理に挑戦してみてほしい。紹介するのは印度カリー子さん直伝の火を使わない簡単レンチン料理3品。失敗なし、しかも美味、タンパク質もばっちりカバーとくれば試してみない手はない。
「スパイスは一振りで味が変わる魔法の調味料。簡単でおいしいのに世間からはまだまだ難しそうと思われています。だからまず使ってみて何に合うかを探っていく訓練が必要。このマサラをきっかけにスパイスデビューをしてみてください」
一度食べたら間違いなくやみつきに。さあ、スーパーへ走ろう。
火を使わずにできるターザンマサラ料理で、タンパク質を確保せよ!
ナスと合い挽き肉をコラボしたみんな大好きキーマカレー。赤身部分の挽き肉を使い、調理油は使用しない。なのでボリューミーなのに後味はさっぱり。ナス以外にズッキーニやパプリカなどの野菜を活用しても美味。
コンビニでよくお見かけするあの一品が、家でも簡単に作れます。ポイントはレンジで加熱後、余熱でじっくり火を通すこと。お刺し身のようなしっとり食感のスパイシーなサラダチキンを口にしたら、もう後には戻れない。
魚の主菜として、またはブロッコリーの副菜としても食べられる一品料理。鮭の色素成分・アスタキサンチンにはクルクミン同様、抗酸化作用が期待できる。塩鮭を使えば味付けいらずと手軽で、冷めてもおいしい。
料理に使うだけじゃない。いつもの惣菜にターザンマサラを一振りすれば、辛味と旨味が加わって驚きのグレードアップ。まあ、試してみたまえ。
マヨネーズとスパイスのコンビネーションを知らないのは人生の大損。というほどにコクが増す。とくに卵サンドとのマリアージュを一度体験すると、マサラなしではもう物足りないかも。
あの和の王道副菜にスパイスですか? いやスパイス使いにタブーはない。きんぴらごぼうの甘辛さにマサラの辛味が加わることで抜群のアクセントに。お弁当の箸休めにあったら嬉しい。
市販の唐揚げをレンジで温めてターザンマサラを一振りすると、何個でもイケてしまうくらい食欲がアップ。スパイスは温かいものにかけると風味や色味が立つというお手本だ。
マヨネーズだけじゃない。味噌とスパイスのコンビネーションを知らないのも人生の損。味噌煮の強い味付けに辛味と香味が混ざることで最後まで食べ飽きることなく完食できる。
トマトの酸味の効いたレトルトのミネストローネにマサラを一振り。ほんのりとした辛味が心地よい。追いマサラをしていくうちに、あれ?いつの間にかカレーになってる!
取材・文/石飛カノ 撮影/五十嵐一晴 監修/印度カリー子
初出『Tarzan』No.839・2022年8月10日発売