ひと駅歩くなら行き?帰り? 代謝を上げる通勤&オフィスの選択
代謝を上げるには、1日の活動代謝をできるだけ増やしたい。そこで、上手に活用したいのが通勤や仕事の時間。せっかく移動するなら、代謝アップの選択を選んで、賢く、楽に代謝を上げよう。
取材・文/井上健二 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 取材協力/神戸貴宏(Body Design Studio ASK代表、トレーナー)、菅原洋平(ユークロニア代表、作業療法士)
初出『Tarzan』No.839・2022年8月10日発売
坐る+階段 vs 立つ+エスカレーター|通勤列車に乗るなら?
答え|B 立つ+エスカレーター
電車やバスなどでの通勤は、活動代謝を上げる立派な運動。乗車中は坐らずに立ち、駅では必ず階段を使うと、活動代謝が高まる。
では、乗車中立ち続けてエスカレーターを使うケースと、乗車中は坐って階段を使うケースでは、どちらの代謝が高いか。乗車時間45分、階段を使う時間を計3分としてシミュレーションしよう。
安静時と比べて活動代謝が何倍かを「メッツ」という単位で表す。立ってスマホをいじったりするのは1.8メッツ、坐ってスマホをいじったりするのは1.3メッツ、階段の上り下りは3.5メッツだ。
体重70kgで前者の消費カロリーは約99キロカロリー、後者が約84キロカロリー。立つ+エスカレーターが勝つ(エスカレーター移動は短時間なので計算外)。ちなみに、乗車時間が20分と短めだと、前者が約44キロカロリー、後者が約45キロカロリーとなり、坐る+階段の逆転勝ち!
帰りvs行き|ひと駅歩くなら?
答え|A 帰り
一日のエネルギー代謝の約3割を占める活動代謝を上げる秘訣は、歩数を増やすこと。ところが、日本人の歩数は年々減り、コロナ禍で外出が制限されたため、その減少に拍車がかかっている。
出社する日常が本格的に戻ってきたら、歩数を増やすため、通勤時にひと駅手前で降りて歩こう。ひと駅ウォーキングを実践するなら、行きか帰りか。両方やれるなら、それがベストアンサーだが、どちらかに絞るなら帰り道で。
朝は体温が低く、カラダの動きが悪い。夕方は体温高めでカラダが動きやすいから、帰りはひと駅ウォーキングに最適だ。汗をかいても自宅ですぐにシャワーを浴び、スッキリできるのもメリット。
下りvs上り|オフィスの階段を使うなら?
答え|ドロー
普段の暮らしで、階段の上り下りは運動強度がもっとも高い。前述のように、階段の上り下りは、3.5メッツ。つまり安静時の3.5倍の活動代謝量があるのだ。階段を見つけたら、「代謝を上げるチャンスだ!」と喜びたい。
細かく言うと、上りの方が下りよりエネルギー代謝は高い。ならば、下りより上りが有利に思えるけれど、話はそう単純ではない。
下りは、体重を支えてブレーキをかけながら1歩ずつ踏み締める。上りより筋肉に加わる刺激が強く、筋トレ効果が高まる。加齢や運動不足による筋肉の減少にストップをかけ、筋肉減による代謝低下が防げる。ゆえに判定はドロー。上りも下りも、積極活用せよ。