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つい脚を組む癖は直すべき? 股関節の悩み、解決します

股関節の気になるお悩み

股関節は下半身の要。ゆえに、股関節の痛みや歪みは下半身全体に影響し、大小さまざまなトラブルの要因に。違和感はあるが病院に行くほどではないだろう、そんなスルーしがちな気になる悩みに答えていこう。股関節の痛みは活動量の大幅減少の原因になるので、理解を深めてしっかりケアをしたい。

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磐田慎一郎さん

磐田慎一郎さん

教えてくれた人

いわた・しんいちろう/〈リソークリニック〉院長。日本整形外科学会認定整形外科専門医。日本再生医療学会認定再生医療認定医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本距骨調整協会アンバサダー。

お悩み① O脚なのは、股関節が原因?

「例外はありますが、O脚は膝に問題を抱えている場合になりやすく、股関節にトラブルがあるときになりやすいのはX脚です」と磐田先生。

生まれつき、骨盤側の方が大腿骨頭を十分に覆っていない(被りが浅い)臼蓋形成不全の人は、X脚になりやすい。大腿骨頭を覆う部分が小さいということは、体重を支える面積もそれだけ小さくなる。

すると負荷が分散できずに関節軟骨がすり減り、変形性股関節症を発症するリスクが高くなる。

O脚、X脚そのものが悪いわけではないが、負荷が偏ることで、股関節痛や膝痛に繫がる場合があるので、違和感などがある人は早めに医師に相談しておこう。

お悩み② 運動中に股関節が外れそうな感覚が

久しぶりにサッカーをしてボールを蹴ったとき、キックボクシング系のエクササイズで大きく脚を振り上げたとき、股関節が外れそうな感覚が。これって大丈夫なのだろうか?

「股関節はしっかりした関節なので、交通事故レベルの外力が加わらない限り脱臼をすることはありません。久しぶりの運動中に不安定さを感じたなら、股関節周辺の筋力低下が原因だと思われます。しかし、異物音や痛みが伴っている場合はすぐに専門家に診てもらうべきでしょう」

運動中の股関節の痛み

関節唇が損傷していると、痛みやカクカクという音を伴うことがある。要注意!

臼蓋の縁には、関節唇という線維性の軟骨があり、関節の安定に寄与している。この関節唇に亀裂が入っていると、股関節を動かす際に一部が巻き込まれて痛みと音を伴うことがある。

損傷していれば、当然、股関節に不安定さを感じることにもなる。関節唇にトラブルがあると、手術が必要になる場合もあるので、放置せずに医師に診てもらおう。

お悩み③ 階段を上るとき股関節が痛む

階段の上り下り

階段の上り下りが辛いのは、加齢というより、運動不足が原因の場合がほとんど。

階段の上り下りで、股関節、膝関節の不具合に気がつく人は多い。階段を上るときは、平地を歩くときよりも股関節を大きく屈曲させる必要があり、階段を下りるときの着地衝撃は平地のそれよりも大きいからだ。

日常的に運動をしておらず、股関節の可動域が狭くなっていると、階段を上ろうとしたときに、その可動域以上の動きを要求することになり、痛みや違和感が生じるのだ。

痛みがあるからといって動かさないでいると、さらに可動域が狭くなり、関節が固まり、拘縮と呼ばれる状態に陥ってしまう。そうならないために、床に寝て膝を抱えるストレッチなどをして、股関節の可動域を確保しよう。

お悩み④ 産後、股関節が閉まらない気が…

妊娠すると、産道を確保するために、仙骨と腸骨を繫ぐ仙腸関節の靱帯と、恥骨の結合部の靱帯が緩み、骨盤が開きやすくなる。

出産後、開いた骨盤は数か月かけて元に戻るのが一般的だが、人によってはそれ以上の時間がかかったり、長く緩さを感じることもある。

そのため、産婦人科で骨盤ベルトを使ったケアや、周辺の筋肉を鍛えるためのエクササイズが指導されることが多い。

「自然に元に戻る場合がほとんどですが、心配な方は産婦人科の先生に相談して、早めにケアやエクササイズに取り組むといいでしょう」

お悩み⑤ 脚を組む癖がどうしても直らない

椅子やソファに座ってリラックスしようとすると、どうしてもを組んでしまいがち。直した方がいい癖なのかは気になるところ。

「足の裏を4分割し、基点とする部位がどこにあるかで、適したカラダの使い方が異なるという4スタンス理論というものがあります。

理論の詳細は省きますが、どのタイプかというのは生まれ持ったもので、脚を組んだ方が楽なのも、その人のカラダに適した動きだからなんです」

脚を組んだ方がリラックスできるのであれば、わざわざそれを修正してカラダにストレスを与える必要はない。ただし、動きの左右差が大きくなり歪みの原因にならないよう、時折左右を組み替えるべし

お悩み⑥ 開脚ストレッチができるようになりたい

開脚ストレッチ イラスト

大きく開脚できる人を見ると自分の硬さが気になるが、90度開脚できれば十分だ。

柔軟性に富んだカラダは全トレーニーの憧れ。いつかは自分も180度開脚をしたい、と思っている人もいるかもしれない。

しかし、それが健康的かというとそうでもない。そもそも股関節の可動域としては90度開脚できれば十分で、120度開けば柔らかい部類に入る。過度な柔軟性は、老後に関節が不安定になるリスクもあるのだ。

「180度開脚をするためには、内転筋の腱を柔らかくする必要がありますが、大人になってからは骨の折れる作業になります。必要な可動域が確保できていれば問題ないので、無理はしないでください

お悩み⑦ 足の爪先が外側を向いている

爪先が外側を向き始めたら筋力が低下しているかも

最近ペンギンの仲間入りをした人は、股関節を内旋させる筋力低下のサイン。

立っているとき、歩いているとき、ふと足元を見ると、爪先が外側を向いている。真っ直ぐ前を向いていなくて大丈夫なのだろうか。

「生まれつきの股関節の構造上、爪先が外側を向きやすいという人はいるので、昔からそうならほとんどの場合問題ないかと思います。最近そうなったという人は、股関節を内旋させる筋力が低下してきている可能性があります。

股関節に痛みがなければ、股関節由来の問題ではないでしょう。ちなみに、爪先が外に向いていて、さらに膝が内側に向いている人は、膝の前十字靱帯にかかる負荷が大きく、ジャンプの着地など、ちょっとしたことで靱帯を断裂する可能性があるので注意が必要です」

爪先が外を向いている人は、膝の向きもチェックしてほしい。

お悩み⑧ 靴の踵の外側ばかりが減る癖がある

シューズのソールの減り

シューズのソールの減り方には、持ち主のカラダの使い方が表れる。

靴のソールの減り方を見ると、どの部位に負担がかかりやすい歩き方、走り方をしているかが一目瞭然。

踵の外側が早く減る人は、O脚気味で膝に負担がかかりやすいタイプ。踵の内側が早く減る人は、X脚気味で股関節の負担が大きいタイプとなる。どちらが良くて、どちらが悪いということはないが、大きくソールが削れてしまった靴を履き続けると、トラブルの原因になる。

「ソールが偏って減っている靴を履き続けると、癖や偏りを助長することになります。その結果、股関節や膝の負担が大きくなって痛みやケガに繫がるので、ある程度ソールが減ったら靴を買い替えましょう」

ビジネスシューズやランニングシューズのソールが極端に削れていないかチェックしておこう。

取材・文/神津文人 イラストレーション/平井さくら 監修/磐田慎一郎

初出『Tarzan』No.833・2022年5月12日発売

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