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ウサイン・ボルトをつくった栄養素、日本人が摂るには?

ウサインボルト

“小さな巨人”である副腎の機能不全でDHEAというホルモンが減ると疲れやすい。あの最速ランナーの強さの秘密ともいわれるDHEAを補う方法を知ろう。

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その疲労、コルチゾールの仕業かも?

疲労の新たな要因として注目されるのが「副腎疲労症候群(AFS)」。

副腎は、腎臓の上に乗る小さな臓器。見かけによらず、各種ホルモンを分泌している“小さな巨人”だ。この“小さな巨人”の機能不全で疲れを引き起こすのが、AFS

「寝ても疲れが取れない、気力がない、集中力が低下したといった自覚症状があるタイプは、AFSの可能性があります」(日本抗加齢医学会専門医の上符正志医師)

AFSの発端は、やはりストレス。ストレスを受けると、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌される。コルチゾールは糖質脂質の分解を進めたり、血圧を上げたりして、ストレスと闘う体内環境を整える。それは短期的にはプラスだが、ストレスが長期化してコルチゾールが多く作られ続けるのは、マイナス。

副腎が作るホルモンの多くは、コレステロールが原料。ストレスが慢性化し、コレステロールがコルチゾール合成にばかり使われると、原料不足で他のホルモン分泌が滞る。これは“コルチゾール・スティール(コルチゾール泥棒)”と呼ばれており、そこでAFSが生じる。

「コルチゾール・スティールで問題となるのは、DHEAというホルモンの減少。DHEAは、男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンのエストロゲンなど、50種類以上のホルモン合成に関わるマザーホルモン(ホルモンの母)。

コルチゾールとDHEAは1対1の割合で作られるのが理想ですが、そのバランスが崩れてDHEAが減り、筋合成を進めて意欲を高めるテストステロンなどが不足してAFSが起こるのです」

ストレスとDHEAの関係

ストレス下でDHEAが減る理由/副腎はコレステロールから多くのホルモンを合成。ストレス下でコルチゾール合成量が増えるとその分だけDHEA合成量が減り、DHEAから合成されるテストステロンやエストロゲンの合成量も減る。

仮にコルチゾール・スティールがなくても、加齢でDHEAの分泌量は右肩下がりで減る。これは、中年以降に疲れやすくなる一因なのだ。

年齢とDHEA分泌量のグラフ

加齢でDHEAは減少する/縦軸にDHEA分泌量、横軸に年齢を取ると、男女ともにグラフは緩やかな右肩下がりのラインを描いており、加齢でDHEA分泌量は減る。これは中年以降に実感する疲れの一因と考えられる。

ウサイン・ボルトのパワーの源!?

AFSを元から断つには、ストレスをシャットアウトすべき。でも、現代でストレスをゼロにするのは、神様でも難しい。ならば、DHEAを補うことを考えてみよう。

野生のヤムイモには、DHEAに似た働きをするジオスゲニンという成分が含まれる。人類最速の男ウサイン・ボルトは、小さい頃からヤムイモを食べており、疲れ知らずで厳しい練習をこなしたことが、彼の偉業の背景にあるという説もある。

ヤムイモ

ヤムイモで元気にと行きたいが、腸内細菌の手助けも必要だ。

「ただヤムイモからジオスゲニンを摂り入れるには、腸内細菌の手助けが不可欠。日本人でその腸内細菌を持つ人はなので、ヤムイモでAFSを防ぐのは難しいでしょう」

では、日本人が今できることは何か。

DHEAの合成には、ビタミンB群やCが欠かせない。まずはレバーなどからB群、緑黄色野菜や果物などからCを積極的に摂取したい。

AFSが本気で気になるなら、日本抗加齢医学会の専門医がいるアンチエイジングクリニックを検索。血液検査でDHEAが減少していたら、日本では個人購入が許されていないDHEAを処方してもらおう。

取材・文/井上健二 写真/AFP/アフロ、Biosphoto/アフロ 取材協力/上符正志(銀座上符メディカルクリニック院長)

初出『Tarzan』No.831・2022年4月7日発売

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