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体脂肪を燃やす食事に欠かせない「EPA・DHA」の実力

寿司 写真

食事を減らせば痩せる!は大正解だけれど、それだとツラいのも事実。贅肉の浮き輪(=お腹まわりの脂肪)を取るには、普段の食事に栄養・機能をプラスする「足す食事」を取り入れたい。今回は、脱・贅肉浮き輪に必須脂肪酸EPA・DHAが効く理由を解説。

浮き輪ゾーンの贅肉とは?

浮き輪ゾーンの図説

浮き輪ゾーンとは、ヘソと左右の腰骨との間を中心に、腰まわりを贅肉が帯状にグルリと一周する部分(写真上の色で示した部分)。内部には内臓脂肪が溜まり、外側を皮下脂肪が腰まわりを一周するように囲み、溜まった体脂肪が、浮き輪をハメているように見えることから名付けた。

ダイエットというと、これまではカロリーや食事量を減らす「引く食事」が主流だった。でも、カロリーや食事量を減らす食生活は窮屈だし、辛くて長続きしない。

そこで脱・浮き輪のためにぜひ取り入れたいのは、贅肉を落とすために欠かせないものをプラスする「足す食事」(詳しくはこちらの記事:本気で痩せたいなら食事にタンパク質をプラスすべき理由)。

今回は足したい9つの栄養素と機能性成分の中から、必須脂肪酸EPA・DHAを解説。

体脂肪を燃やすカラダづくりに欠かせないEPA・DHA

外食でも中食でも自炊でも、意識しないと魚類より肉類を食べる機会が多い。世界有数の魚好きだった日本人の魚離れは年々進み、肉類の消費量が魚類を10年ほど前に逆転。その格差は年々開き続ける。

肉類は悪者でも何でもないが、肉食に偏ると足りなくなる栄養素がある。それがEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)。サバやサンマなどの青魚、マグロ類などに含まれる脂肪酸だ。

EPAとDHAは体内で必要量を作り出せないため、食事から摂り入れるべき必須脂肪酸に分類される。EPAとDHAには多彩な働きがあるが、ダイエット関連で注目されるのは、褐色脂肪細胞との関わり。

脂肪細胞には、体脂肪を溜める白っぽい白色脂肪細胞(WAT)以外にも、茶色っぽい褐色脂肪細胞(BAT)がある。WATとは対照的に、BATの役割は体脂肪を燃やして熱を作り、体温を保つことにある。

EPAとDHAは、大人のWATを、BAT的な機能を持つベージュ細胞に変える力があり、体脂肪を燃やしやすい体質に変える。食卓に、もっと青魚やマグロを足し算しよう。

EPAはランナー必須の栄養素!?

贅肉の浮き輪を燃やすには酸素が必須だが、なかでもEPAはその大事な酸素のデリバリーにも一枚噛む。血管内で酸素を運ぶのは、円盤のような形をした赤血球。EPAは赤血球のパーツでもある。

血管の99%以上は毛細血管。そのいちばん狭いところの直径は、赤血球よりも小さい。その難所を、赤血球はしなやかに変形してすり抜ける。EPAがリッチな食事をしていると、赤血球の柔軟性が高まり、小回りが利いて狭い毛細血管の奥の奥まで酸素がスイスイ運べるようになり、全身で体脂肪燃焼を助ける

だから、EPAを摂ると酸素を介して体脂肪を燃やす有酸素運動がラクにできる。実際、EPAを摂っているランナーは、酸素を使って効率的にエネルギーが得られるようになり、タイムが縮まることが確かめられている。魚サマサマだ。

EPA・DHA(※オメガ3系脂肪酸)の1日の摂取目安量
男性 2.0g以上
女性 1.6g以上

EPA・DHAが摂れる食材例

サバ
サバ

可食部100g当たりのEPA・DHA:2.1g

アマニ油
えごま油

可食部100g当たりのEPA・DHA:56.6g

サンマの缶詰
サンマの缶詰

可食部100g当たりのEPA・DHA:2.7g

クルミ
クルミ

可食部100g当たりのEPA・DHA:9.0g

取材・文/井上健二 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/西森萌 監修・料理作製/河村玲子

初出『Tarzan』No.830・2022年3月24日発売

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