インソールに無頓着なんて、ありえない
立っているときも、歩いているときも、足裏は唯一の接地面。長さでいうと25cm前後、面積でいえば体表面のおよそ1%で全身を支えていることになる。
良い姿勢を保ち、正しい動作をするために、足裏が果たす役割は大きいが、負担もなかなかのもの。カラダが大きい人、体重が重い人の場合は、それだけダメージも大きくなる。
靴を履いた場合シューズのアウトソールが接地面になり、足裏が直接接するのは靴の中にあるインソールにあたる。カラダを支えるために、インソールが重要なことをイメージしてもらえただろうか。
足とインソールの相性が悪ければ、カラダを支えるための出発点から“ブレ”が生じる。スタートがブレれば、それを調整するために足首・膝・股関節などに負担がかかることになり、ブレが調整できなければ“歪み”に繫がる。腰痛や肩こりといったトラブルが、インソールを替えたことで改善したという例も多いのだ。
使いたくなる。インソール3つのメリット
シューズに最初から搭載されているインソールは、多くの人の足に合うよう設計されている。足の形が平均値からは大きく外れておらず、立ち方や歩き方に極端なクセがなければ問題ないのだが、もちろんそうでない人も多い。
「アウトソールの削れ方に大きな偏りがある」「長い時間立ったり歩いたりするのがとても辛い」という人は、ぜひインソールの入れ替えを検討してみてほしい。
メリット① 重心がニュートラルになるのをサポートする
立っているとき、重心の位置は前すぎず、後ろすぎず、外にも内にも寄らずニュートラルであることが望ましい。
偏りは不良姿勢や動作の不安定、カラダの歪みに繫がってしまう。踵が浮いたりせず、指がしっかりと使える。足がそのようなニュートラルポジションに来るのをインソールは助けてくれるのだ。
メリット②トラブルに繫がる“立つ”“歩く”のクセを整える
筋力不足や柔軟性不足、カラダの歪みが原因で、まっすぐに立つ・歩くということができない現代人は多い。立ったり歩いたりする際のクセを放置すると、ますます偏りや歪みに拍車がかかることになる。
インソールにはトラブルに繫がるクセを整え、正しい歩行動作を促してくれる機能もある。
メリット③クッション性、足裏へのフィット性の向上
インソールには、シューズ本体のクッション性や安定性を補ったり、足裏とシューズのフィット性を高める役割も。
足裏とインソールが合っていない状態で歩くのは、カラダに合っていない寝具で寝るようなもの。違和感をそれほど感じていなくても、積もり積もってトラブルを起こす可能性が高い。
たとえば、こんなインソール
ザムスト《Footcraft》
悩みや使用シーンによるバリエーションと、LOW、MIDDLE、HIGHの3アーチから最適なタイプを選択可能。写真左は、足裏・ふくらはぎ・脛に悩みを抱えている人向けの《スタンダード》(4,950円)で、アーチタイプはMIDDLE。
写真右は踵やアキレス腱への負担を減らす《スタンダード クッション プラス》(5,170円)で、アーチタイプはHIGH。アライメントを適切にサポートしてくれる。
シダス
《3Dseries》(4,950円)は、スポーツ時の使用に適したタイプ。衝撃吸収性を備え、立体形状によってしなやかにアーチをサポートしてくれる。足の動きを妨げないよう考慮されているので、運動時の違和感が少ない。
《MAX PROTECTseries》(2,420円)は、日本人の足に合わせて設計。ウォーキングや立ち仕事用に作られたもので、足裏のアーチをしっかりと支えてくれる優れモノ。
オーダーメイドも考えてみよう
オーダーメイドのインソールであれば、サイズや足形だけでなく、重心位置や、立ち方・歩き方のクセまで考慮され、それらを適切なポジションに促してくれる。
「その人にとっての楽な立ち方・歩き方が、良い立ち方・歩き方ではないので、注意が必要です」と、インソールをオーダーメイドで作製する専門店〈FOOTWORKS〉の主、森健さんは言う。
実際に〈FOOTWORKS〉を訪れる人たちも感覚と出力がマッチしていない人が多いのだそう。
「本人としてはまっすぐ立って、まっすぐ歩いているつもりでも、そうでない人がかなりいます。ここでは、その人特有のねじれなどを調整するインソールを作り、イメージとアウトプットのギャップを埋めるお手伝いをしています」
正しく立ち、正しく歩きたい人は、一度オーダーメイドのインソールを検討してみよう。
FOOTWORKS
インソールの作製だけでなく、カラダの使い方や足のケア方法までレクチャーしてもらえる。価格は49,500円。一定期間使用後、調整をする。
住所:東京都港区南青山6-11-3 神通ビル207
TEL:03-6434-1098(完全予約制)