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ちゃんとできてる? フォームが重要な「正しく座る」「正しく立ち上がる」

正しい座り方、立ち上がり方

肩こり・腰痛などのカラダの不調の遠因に、普段何気なく行なっている「座る」という動作の積み重ねがある。なかなか学ぶ機会のない、骨盤を立てる正しい座り方、そこからの正しい立ち上がり方、をしっかりと習得しておこう。

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肩こり・腰痛改善の基礎、「正しい座り方」をマスターしよう

伊藤和磨さん

伊藤和磨さん

教えてくれた人

いとう・かずま/代表を務める〈恵比寿・腰痛改善スタジオMaro’s〉には腰痛に悩む人々が全国から訪れる。著書に『アゴを引けば身体が変わる』(光文社)など。www.maros.jp

深く座るのも脚を組むのも脚を揃えるのもNG。すべては背骨に負荷をかける、歪んだ骨盤ポジションになってしまうから。ならば、正しい座り方とはいかに?

「坐骨ではなく“坐骨枝”という平らな部分で座ると骨盤は立ちます。そのためには股関節を後ろに引き込む“ヒンジ”という動きで坐骨枝をゆっくり座面に置くことがポイント。座面の奥に“座る”というより座面の端に“腰かける”イメージです」(伊藤さん)

坐骨枝を椅子の座面に置いたときの骨盤

お尻のエクボあたりにある左右のグリグリが坐骨。右は恥骨と坐骨を繫ぐ平らな坐骨枝を椅子の座面に置いた状態。左は坐骨と尾骨を座面に置いた状態。

下の写真がその正しい座り方。座るまでのフォームが命。長時間座るときは定期的に立ち上がり、再び同様のフォームで座り直す。で、正しい座り方から立ち上がると、正しい立ち姿勢に自然にシフト。やってみると分かるが、腰が超ラクちん。

これが「正しく座る」のフォーム

座り方フォーム 1

視線は正面に。両手は太腿の前につく。

座り方フォーム 2

股関節を後ろに引き込むイメージでお尻を下げていく。

座り方フォーム 3

座面の端っこにお尻をつける。

座り方フォーム 4

座ったら膝下まで踵を移動。背すじはまっすぐに伸ばす。

「正しく座る」のために|鼠蹊部に手を当てヒンジの練習

座り方の練習

畳文化の日本人はヒンジの動きが苦手。イメージを掴めないときは、ビートたけしの「コマネチ!」のポジションから股関節を手で押し込む練習を。

これが「正しく立ち上がる」のフォーム

正しい立ち上がりのフォーム

座るときの逆動作で立ち上がる。ただし、立つときは座っている時点から視線を斜め上に向けて背骨を丸めないことが最重要ポイント。立ち上がったらそれが正しい立ち姿勢に。

立ち方の応用1|効率的な立ち上がり方

効率的な立ち上がり方

視線を斜め上に向け、両足の踵を床から浮かせる。踵を床に落としたときの反動を利用し、勢いよくスッと立ち上がる。筋肉の力はほぼ不要。よりラクに立ち上がれる。

立ち方の応用2|自然な歩きにつなげる立ち方

自然な歩きにつなげる立ち方

座った姿勢で片足を手前に引く。左右の手は太腿の上に。背中をまっすぐにキープして立ち上がったら、そのまま最初の一歩が踏み出せる。で、近日公開予定の正しい歩き方に続く。

より「快適に座る」3つのメソッド

① 長時間デスクワーカーに必須のストレッチ

腰痛の原因のひとつは股関節を屈曲させる筋肉が縮んでしまうこと。その代表的な筋肉が背骨と太腿を繫ぐ腸腰筋だ。

「膝を引き上げる腸腰筋が短縮すると腰が丸まってしまい、腰椎周辺の筋肉や靱帯が引っ張られて痛みが生じます。そこで、長時間のデスクワークでは1時間に一度、定期的に腸腰筋ストレッチを取り入れることがおすすめです」(伊藤さん)

わざわざ立ち上がらなくてもできるストレッチで縮んだ腸腰筋をじんわり伸ばし、リフレッシュ。

座ったまま腸腰筋を伸ばす
座ったまま腸腰筋を伸ばす

座面の端に片方のお尻を乗せる。逆脚を大きく後ろに引いて骨盤を前に押し出す。後ろに引いた側の手を頭上に伸ばし、前脚側に上体を倒して20秒キープ。

② 小さな工夫で脚組み問題を解決!

どちらの脚を組みがちが把握しておこう

どちらの脚を組みがちが把握しておこう/組むのは右脚?左脚? わからない場合は、椅子に座り両手を水平に伸ばして左右にスライドさせる。スムーズに行きやすい側の脚を上に組んでいるはずだ。

イケナイと分かっていても、つい脚を組んでしまう。でも、ある意味これは仕方のないこと。

「右利きの人が右手を使うと勝手にカラダが左に回旋します。そのままではカラダが倒れてしまうので、右脚を上にして脚を組みます。さらに右利きの人の軸脚は左脚なのでそちらのお尻の筋肉が発達しています。右のお尻の高さが低いので脳がそれを補正しようと自然に右脚を組む人が多いのです」(伊藤さん)

仕方ないけど放ってはおけない。以下、2種類の矯正法で対策を。

矯正法①
矯正法①

右脚を組む人は右足を手前に引いて爪先を立てる。左足を前方に出して足の外側を床につける。引いた足が骨盤を立て、伸ばした足がカラダの前傾を防ぐ。

矯正法②
矯正法②

2つ折りにしたハンドタオルを組みがちな脚のお尻の下に敷く。これだけでお尻の高さが補正されて、自然と脚を組みにくくなる。左脚を組む人はむろん逆で。

③ 座り方の次は椅子選びに着手 

正しい座り方の次に重要なのは椅子の選び方。ただし、人間工学に基づいた高価なチェアが必ずしも正解というわけではない。

座面を極力高くするのが正解膝より股関節が高い位置に来るというのが基本です。この位置を保つことで骨盤が立つ、“立腰”の姿勢になるからです」(伊藤さん)

可能なら椅子を選んでからデスクを選びたいもの。ちなみに、膝より股関節を高く設定するセオリーは床に座るときも同様だ。

膝の理想角度は120°〜130°
膝の理想角度は120°〜130°

椅子の座面はできるだけ高く。膝の角度が120〜130度になるのが理想。座面の端に座って両足が床につけばOK。背もたれのない鞍タイプの椅子も○。

座面では段差を作る
座面では段差を作る

胡座をかくときは電話帳などで段差を作り、その上にお尻を乗せる。正座をするときはクッションなどを畳んで高さを出し、その上にお尻を乗せる。

取材・文/石飛カノ 撮影/角戸菜摘 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾

初出『Tarzan』No.824・2021年12月16日発売

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