快眠のために「姿勢改善&ヒップリフト」をすべき理由|昼の自律神経メンテ術⑥
昼のタイミングでも自律神経を意識することは大切。ランチやマッサージでうまく気分転換をしつつ、集中力をキープしたい。さらに日中の過ごし方は、夜の睡眠にも大きな影響を及ぼす。【昼の自律神経メンテ術】では日中に実践できるメソッドを紹介。6つめは「姿勢改善&ヒップリフト」について。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/東海林巨樹 取材協力/菅原洋平(作業療法士)
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売
姿勢改善で歯ぎしり防止
今ではすっかり日常的になったリモートでの打ち合わせ。議論が白熱してくると、無意識に上体が前のめりになり画面を覗き込むような姿勢をとっていないか?
作業療法士の菅原洋平さんによれば、仕事など日中の活動で出力の高かった筋肉は夜間寝ている間に反応するのだという。
「パソコンの画面を覗き込む姿勢では首と顎が固まって、耳の後ろから鎖骨に至る胸鎖乳突筋という筋肉が緊張します。この筋肉は顎の動きにも関わるので、夜間に反応すると歯ぎしりなどの原因に」(菅原さん)
胸鎖乳突筋が硬くなると口呼吸が多くなり、こちらも歯ぎしりを引き起こしやすくなるという。良質な睡眠のため、日中のPC作業では意識的に背すじを伸ばして姿勢改善。
ヒップリフトで寝返り力を高める
よき眠りを得る条件のひとつは寝返りをきちんと打つということ。ずっと同じ姿勢で寝ていると特定の筋肉や骨に負担がかかる。
さらに、カラダと布団が密着して熱が籠もり、深部体温を下げることができない。つまり寝苦しい。これを防ぐためには一晩で20回程度の寝返りを打つことが必要だという。
「悪い夢を見る、朝起きたときに汗をかいている、肩や首が痛いというときは寝返りが減っている可能性があります」と、菅原さん。泥酔しているわけでもないのに寝返りをきちんと打てないのは、カラダをベッドから一度持ち上げて回転させる筋力がないから。
よって普段からカラダを持ち上げる大臀筋のトレーニングで「寝返り力」を身につけるべし。