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【2021秋冬】価格別にセレクト・ランニングシューズ12選【レヴュー付き】

ランとシューズ

楽しく、快適に走り、かつケガのリスクを抑えるためには、シューズ選びが大切になる。3人のランナーのインプレッションを参考に、自分にマッチしたシューズを見つけ出そう!

レヴューしたのはこのランナー3人

ランシューさえあれば、すぐに始められる手軽さがランニングの魅力。視点を変えれば、それだけシューズ選びが重要であるともいえる。

極端な例ではあるが、過体重の人がダイエット目的でランニングを始めようとした際、薄底でクッション性に乏しいシューズを選べば、膝などを痛めるリスクは間違いなく大きくなってしまう。健康のために始めたランニングを、シューズ選択のミスによるケガが原因でやめてしまうのは、非常にもったいない。

では、どんな機能を持ったシューズであれば楽しく、快適に走れるのか。一般的にクッション性と安定性を重視した設計のシューズを選べば、走力にかかわらず、長時間・長距離のランも心地よく行えるはず。短い距離を軽やかに走りたいなら、軽さや推進力を優先する選択もある。

しかし、自分にマッチする“最高のシューズ”を見つけるのはなかなか難しい。足の形体格ランニングフォームは千差万別。一度に走る距離も違えば、ペースだって異なる。

レースで自己記録更新を目指す人もいれば、コンディション維持を目的に走る人もいる。そこに何を求めるのか。“快適”と感じるシューズは、ランナーによって違って当然なのだ。

今回は、予算別におすすめシューズを紹介。自分の目的、ランニングスタイルを再確認しつつ、3人のランナーのインプレッションをシューズ選びの参考にしてほしい。 もちろん、シューズは自分の足にフィットしていることが大前提。ショップに足を運んで、試着をしてからの購入がおすすめだ

教えてくれた人

牧野仁さん牧野仁さん

まきの・ひとし/多くのランナーを完走に導いてきたマラソン完走請負人。パーソナルトレーナーとしても活躍。ランニングギアを紹介するYouTubeチャンネル『マラソン完走請負人ビギナーランニングマガジン』も展開。

長谷川朋加さん

はせがわ・ともか/日本一走るアナウンサー。フルマラソンのベストは3時間13分33秒で、月間走行距離は400〜600km。現在はサブ3を目指して練習中。趣味は走る、鍛える、ゴルフ。インスタグラム:@hasegawatomoka

 

神津文人

こうづ・ふみひと/ライター。試したシューズの数だけには自信があるまったりランナー。年間で試すランニングシューズは数十足。今年の月間走行距離は50〜80km、レースは年に1回ハーフを走る程度。趣味は柔術。

1万円以下の2足(ミズノ、SAUCONY)

初期投資をなるべく抑えたい。たっぷり走るのですぐに履き潰してしまう。そんなランナーにおすすめの価格帯。

ミズノ《WAVE REVOLT 2》

9,350円|走行時の安定性と軽やかな走り心地を両立した秀作

WAVE REVOLT 2

《WAVE REVOLT 2》WEBサイト

これからランニングを始めようとするエントリーランナー向けに開発された、コストパフォーマンスに優れた一足。〈ミズノ〉が従来使用していたフォーム材と比較して、柔軟性が約17%、エナジーリターンが約15%向上した「MIZUNO ENERZY(ミズノエナジー)」をミッドソールの下部全体に採用。

1万円以下のモデルとは思えないほどの最先端機能を盛り込んだ。アウトソールの耐久性も高いので、走り込みたいランナーにも適している。

WAVE REVOLT 2 ディテール

左/アッパーには、サポート性が必要な箇所は目が細かく、通気性が求められる部分は穴が大きくなっているエンジニアードメッシュを採用。右/硬度が異なるフォーム材を波形に合わせて、安定性を向上させている。

「クッション性、安定性のバランスが良く、アッパーのサポート力が高いので、多くの人におすすめしやすいシューズ。反発性はそれほど高くありませんが、ランニング初心者にはぴったりだと思います」(牧野仁)

「ファンランはもちろん、サブ3.5あたりを目指すランナーのスピード練習にもよさそう。足を包み込むようなホールド感があり、そのうえ地面をしっかりと捉えてくれるので、安心感がありました」(長谷川朋加)

「接地感がソフトで、かつ安定性も十分に高いシューズ。拇趾球に向かって上手く足が抜けていく感じもあって、走りやすい。アッパーのフィット感も上々。この価格でこの機能性は素晴らしいです」(神津文人)

SAUCONY《Axon》

7,590円|驚きの価格設定! 自然と足が前に出て気持ちよく走れる

《Axon》

《Axon》問い合わせ先/WEBサイト

低価格モデルであるにもかかわらず、〈サッカニー〉のトップモデルにも採用されている「PWRRUN(パワーラン)」というクッショニング素材をミッドソールに採用。この「PWRRUN」は、高い反発性と衝撃吸収性がありながら、軽く耐久性にも優れたハイスペックな素材だ。

踵と爪先が反ったロッカー形状により、着地から蹴り出しまでの体重移動、足運びをスムーズにしてくれるので、ラクに走ることができる。ABC-MART限定モデル。

《Axon》ディテール

左/厚底のミッドソールにはクッション性と弾むような反発性を両立したフォーム素材を採用。右/踵をしっかりとホールドしてくれるので、足がシューズの中で余計な動きをしない。アッパーのフィット感も心地よい。

「蹴り出しがとてもスムーズで、前へ前へと進む感覚があります。スピードが出しやすい設計で、ビギナーよりは、中級者、シリアスランナーのトレーニング用に向いていそう。フィット感はとても快適」(牧野仁)

「ブレやぐらつきがなく快適に走れました。着地から蹴り出しまでがスムーズで、自然に前傾姿勢になれる印象。1万円以下でこのクオリティは、走行距離が多いランナーにとってとてもありがたい」(長谷川朋加)

「クッション性より、安定性や推進力を重視しているイメージ。前傾姿勢をとれれば、どんどん進んでいけそう。アッパーの中足部から踵にかけてのホールド感が高く、足とシューズの一体感があります」(神津文人)

2万円以下の8足(Adidas、New Balance、PUMA、ASICS、UNDER ARMOUR、On、HOKA ONE ONE、THE NORTH FACE)

15,000円前後の競争が最も激しいのが、現在のランニングシューズ市場。機能性に優れた逸品揃いの価格帯でもある。

Adidas《ADIZERO BOSTON 10》

15,400円|自己ベスト更新をサポートしてくれる高機能シューズ

《ADIZERO BOSTON 10》

《ADIZERO BOSTON 10》WEBサイト

トレーニングやレースで、ランナーの持つスピードを引き出すべく開発されたシューズ。前作《ボストン9》からフルモデルチェンジされている。

〈アディダス〉のトップレーシングモデルの《アディゼロ アディオス プロ2》には5本のカーボン製ロッドが搭載されているが、この《ボストン10》には、カーボンよりも屈曲性と柔軟性に優れたグラスファイバー製ロッドを採用するなど、より幅広いランナーに対応した構造になっている。

《ADIZERO BOSTON 10》ディテール

左/ミッドソール内にグラスファイバー素材のロッドを5本搭載。着地のたびに強い反発を生み、ランナーのスピードアップを助ける。右/2種類のフォームを組み合わせ、優れた反発性、クッション性、安定性を実現。

「やや硬い感覚はありますが、クッション性、安定性のバランスは良好。反発性、レスポンスがとても良く、ストライドが自然に伸びます。スピードを出したい練習の際や、レースでの着用に最適」(牧野仁)

「反発力が高く、リズムに乗れるとスピードがかなり出せる印象。まったくの初心者ではなく、少し練習を積んでいる人向きかなと。軸が安定しているランナーが履くとより力を発揮してくれるはず」(長谷川朋加)

「いつも通りに走っているのに、キロ当たり10秒ぐらい速くなる印象。クッション性、安定性も十分。次のレースで自己ベストを狙うとなったら、これを選びそう。ただ初心者向きではないのかも」(神津文人)

New Balance《FuelCell PRISM v2》

13,200円|ブレずに弾む! 楽しさと保護性能を高次元で両立

《FuelCell PRISM v2》

《FuelCell PRISM v2》WEBサイト

卓越した反発性による、弾むような乗り心地が特徴の「FuelCell(フューエルセル)」という素材をミッドソールに採用。前作よりも厚さが増したおかげで、よりクッション感が得られ、着地衝撃の緩衝力も高まっている。

ミッドソールの内側には、走行時の足の内側への倒れ込みを防ぐメディアルポストという機能を採用している。アッパーのサポート力も高く、着地時のブレが抑制されるので、長距離を走っても脚のダメージが少ない。

《FuelCell PRISM v2》ディテール

左/足当たりがソフトなエンジニアードメッシュのアッパー。高い通気性とサポート力を備えている。右/FuelCellミッドソール特有のバウンス感は、ランニングを楽しいものにしてくれる。もちろんクッション性能も高い。

「クッション感がありつつ、柔らか過ぎない印象。優れたグリップ力のおかげで安定性があり、アッパーのサポートも高いので、初心者も扱いやすいと思います。また、足運びもスムーズに行えます」(牧野仁)

「着地衝撃をしっかりと緩衝してくれ、安定性も十分にあります。見た目のイメージよりシューズが軽く、足とシューズの一体感も抜群です。ビギナーから中級者まで幅広いランナーが活用できそう」(長谷川朋加)

「足が内側に倒れ込むオーバープロネーションを防ぐ設計になっているので、安心してカラダを預けられます。クッション性、反発性、安定性のバランスが良く、優秀なジョグシューズだと思います」(神津文人)

PUMA《MAGNIFY NITRO SP》

17,600円|バランスが良く汎用性も高い便利なシューズ

《MAGNIFY NITRO SP》

《MAGNIFY NITRO SP》WEBサイト

約80%のエネルギーリターン率を誇る〈プーマ〉の最新フォーム素材「NITRO FOAM(ニトロフォーム)」を、たっぷり搭載。窒素ガスを注入しているこのフォームは、着地の衝撃を最大40%も吸収してくれる。

また、反発性が高いうえに、従来のEVA素材と比較すると46%も軽いので、見た目の印象よりも走り心地は軽やかだ。アッパーのカラーリングは、太陽の光をプリズムに通したときにできる虹のような色の帯をイメージしたもの。

《MAGNIFY NITRO SP》ディテール

左/カジュアルな印象を受けるデザインながら、アッパーはフィット感、サポート力に優れている。右/踵もしっかりとホールドされるので、足とシューズの一体感が得られる。フォームのクッション性、反発性も高い。

「タウンユースできそうなデザインながら、機能はマラソン向きのしっかりとしたシューズ。クッション性、安定性のバランスが良く、スピード感はないものの、反発性があり足がラクに回せます」(牧野仁)

「クッション感がありつつ、地面を自分の足で捉えている感覚が強く、バランスが取りやすかったです。足を入れたときにすっと馴染む感覚があり、フィット感が快適。履く人を選ばない印象でした」(長谷川朋加)

「アウトソールのグリップ力が高いからか、安定性を強く感じるシューズ。アッパーは足をソフトに包むようにフィットしてくれます。前足部が少し細身の設計なので、試着してサイズを選びましょう」(神津文人)

ASICS《GLIDERIDE 2》

《GLIDERIDE 2》

《GLIDERIDE 2》WEBサイト

17,600円|ふくらはぎへの負荷軽減を実現。効率よく走れる!

長距離走でエネルギーの消費をいかに抑えるかを追求した《グライドライド》がバージョンアップ。

揺り籠のようなソール形状、ソールの踵から爪先にかけて縦方向に設けられたスムーズな足運びをサポートする溝、2層構造のミッドソール、前足部に搭載されたプレートなどが一体となって、ふくらはぎにかかる負荷を軽減し、ランを効率的なものにしてくれる。中足部の幅を広げることで、前作より安定性が向上している。

《GLIDERIDE 2》ディテール

左/爪先が大きく反り上がったソール形状により、足が自然と前に進む。右/ミッドソールのトップ層にはクッション性の高い素材、下層には反発性に優れた素材を採用。それぞれジェンダー別に硬度が調整されている。

「軽く前傾姿勢を取るだけで、前に進んでくれるシューズ。レースでの着用に適していて、特に疲れてきた後半に頼もしい存在。着地衝撃を上手く進む力に変えてくれ、良い意味で接地感を感じません」(牧野仁)

「爪先が反っているので、自然と前傾姿勢になり、前に前にと楽に進むことができます。着地から蹴り出しまでがスムーズで、脚へのダメージも少ないです。独特の形状に慣れる必要はあるかも?」(長谷川朋加)

「前傾すると、コロコロと転がって前に押し出してくれます。レースで省エネをしたい、脚を疲れさせずに脂肪燃焼ランをしたいという人に最適。前作より安定性が増し、アッパーがソフトになった印象」(神津文人)

UNDER ARMOUR《UA HOVR INFINITE 3》

14,300円|ビギナーも安心の万能モデルはアプリとも連動する!

《UA HOVR INFINITE 3》

《UA HOVR INFINITE 3》WEBサイト

〈アンダーアーマー〉のHOVR(ホバー)シリーズは、快適性を追求したコレクション。その中でも《UA ホバー インフィニット3》は、高いクッション性と大きなエネルギーリターンを感じられるシューズとなっている。

シューズ内部にはセンサーが埋め込まれており、専用のスマートフォンアプリ『マップマイラン』と接続することで、走行距離、ピッチ、ストライド、接地時間といったデータを取得することができる。

《UA HOVR INFINITE 3》ディテール

左/軽量で通気性に優れたエンジニアードメッシュのアッパーは、必要な部分のサポート力を強化。右/ヒールカウンターがしっかりと足をホールド。サポート力に優れているので、脚力不足のビギナーも安心だ。

「安定性が高くてコントロールしやすく、ヒールストライク(踵着地)向きなので、初心者におすすめしたいですね。スピードを出しやすい設計ではないのですが、だからこそ初めの一足に最適です」(牧野仁)

「しっかりと衝撃を吸収してくれている感じがありつつ、ブレやぐらつきがない、ビギナーにとてもやさしいシューズだと思います。シリアスランナーの方でもジョグに使えそう。見た目もいいです!」(長谷川朋加)

「安定性が高くて、変なクセがないので、好き嫌いが分かれず、誰が履いても「いいね!」と感じそう。足を入れたときの驚きは少ないかもしれませんが、だからこそ長く付き合えそうなシューズです」(神津文人)

On《Cloudstratus》

《Cloudstratus》

《Cloudstratus》WEBサイト

18,480円|〈オン〉史上最高のクッション性能を堪能しよう!

《Cloudstratus》ディテール

左/前足部がやや広めの設計になっている。星形のシューレースシステムにより圧迫感なく、足を包み込む。右/2層構造の「Cloud
Tec」を採用することで、クッション性と安定性を絶妙なバランスで両立。

世界特許を取得している〈オン〉独自のソール構造、「CloudTec(クラウドテック)」システムを2層構造にすることでクッション性を強化したモデル。2021年8月に登場した第2世代モデルは、ソールの構造が再設計されクッション性が向上している。

「Helion(ヘリオン)」というオリジナルのフォーム素材は、耐久性、温度耐性にも優れている。アッパーに採用されているポリエステルに、約75%のリサイクル素材を活用している点も特徴。

「クッション性が高いのはもちろんなのですが、反発のリターンをより強く感じる履き心地。足が回しやすいので、次の一歩がスムーズに出せます。アッパーのフィットは少しゆとりがある印象でした」(牧野仁)

「ラクに、長くゆっくりと走るのに適していて、初心者やファンランナーの方におすすめです。レースでも使えると思いますが、スピードランナー向きではないかも。私服にも合わせたくなるデザイン!」(長谷川朋加)

「前バージョンも快適でしたが、今作は反発性が高まった印象で、スピードが出しやすくなった気がします。なるべく脚にダメージを残さずに、長距離を走りたいという人には打ってつけのモデルです」(神津文人)

HOKA ONE ONE《CLIFTON 8》

17,600円|クッション性と快適性が向上したシリーズ最新作

《CLIFTON 8》

《CLIFTON 8》WEBサイト

ランニングシーンだけでなく、ファッションシーンでも高い人気を誇るブランドのアイコン的存在。〈ホカ オネオネ〉特有の、厚底+ロッカー形状によるコンフォートな履き心地を初体験するのに最適なシューズといえる。

シリーズ最新作となる《クリフトン8》は、前作よりもさらにクッション性がアップ。アウトソールのラバーパーツの面積が増えたことで、耐久性も向上している。ビギナーはもちろん、中・上級者にも愛用者が多い。

《CLIFTON 8》ディテール

左/アッパーに採用した通気性に優れたメッシュ素材は、前作よりもソフトに。シュータンには厚みを持たせ、心地よいフィット感を実現。右/新しくなった軽量フォームをミッドソールに採用。軽やかな走り心地になった。

「アスファルトの上を走っているのを忘れるぐらいのクッション性。グイグイという強い推進力は感じませんが、足が上手く回るので結果的にタイムが出ます。アッパーのフィット感も心地よいです」(牧野仁)

「クッション性、安定性は抜群。反発性も高くラクに走れます。シューズに足を通したときにフワッと包み込んでくれるようなホールド感があります。レースでもタウンユースでも活躍してくれそう」(長谷川朋加)

「クッション性が高く接地もソフト。いつまでもジョグをしていられそうな気がします。〈ホカ〉のラインナップの中では、スピード重視のモデルではないですが、反発性もあり自然にピッチが上がります」(神津文人)

THE NORTH FACE《Pinnacle Runner》

17,380円|日常にランやウォーキングをプラスしたい人に

《Pinnacle Runner》

《Pinnacle Runner》WEBサイト

独自配合のソフトな高反発フォーム素材を、硬度の高い外殻で包むことで、優れたクッション性と安定性を両立させた「XTRAFOAM(エクストラフォーム)」テクノロジーを採用。さらに、EVAを組み合わせてミッドソールに厚みを持たせ、クッション性を高めている。

アウトソールは、ドライな路面でもウェットな路面でも高いグリップ力を発揮するので、雨の日でもスリップの心配が少ない。シンプルなニットアッパーで日常使いしやすい。

《Pinnacle Runner》ディテール

左/ソフトな足触りの軽量ニット素材をアッパーに採用。心地よいフィット感で足を包んでくれる。右/XTRAFOAMテクノロジーと、EVAフォームを組み合わせたソールユニットは、ロードランニングに最適化されたもの。

「接地感がソフトで、安心感が高い。想像よりもスピードの維持がしやすく走りやすい。適しているのは、フルマラソンのレースよりもスローペースのジョギングや、サクッと短い距離を走るランニング」(牧野仁)

「靴に走らされているような感じがなく、自分の脚を使っている感覚が強いシューズ。長い距離をストイックに走るというよりも、初心者、ファンランナーがゆっくり楽しく走るのに適していそう」(長谷川朋加)

「ニットアッパーのフィット感がとても快適。前へと押し出すような推進力は感じないけれど、着地から蹴り出しまでを滑らかに行えて走りやすい。タウンユースとの兼用を考えている人にもおすすめ」(神津文人)

3万円以下の2足(NIKE、BROOKS)

高価格にはそれだけの理由がある。最新テクノロジーの盛り込まれたシューズは、見ているだけでワクワクが止まらない。

NIKE《ZoomX Invincible Run Flyknit》

24,200円|ケガの回避を目的に開発されたシューズで安全に

《NIKE ZoomX Invincible Run Flyknit》

《ZoomX Invincible Run Flyknit》WEBサイト

ランナーズニー(腸脛靱帯炎)などに悩まされ、ランを断念してしまう人は多い。ランナーの天敵であるケガの発生を減らすことを目的に開発された今作は、従来のシューズよりもケガの発生率を減らすことに成功したという。

それを実現できたのは、クッション性と反発性に優れたフォーム、ロッキングチェア型で踵部がワイドに設計されたソール構造。ケガを極力回避したいなら、選択肢の上位になるシューズだろう。

《ZoomX Invincible Run Flyknit》ディテール

左/アッパーは通気性に優れたフライニット製。履き口がソフトなのも好印象。右/トップレーシングモデルにも採用されている、クッション性と反発性に優れた「NIKE ZOOM X フォーム」をミッドソールにたっぷり搭載。

「シューズがクッション性をアピールしているかのようなフワフワな感触で、跳ねる感覚もとても強い。履いた瞬間に足にピッタリとフィットする履き心地。デイリーのトレーニングに最適なシューズ」(牧野仁)

「着地のときに足を包んで守ってくれるような優しさを感じました。安心して走ることができますし、反発性が高くてスピードも出しやすいです。トレーニングにもレースにも活用できると思います」(長谷川朋加)

「クッション感がありつつも、踵部、爪先部がワイドなおかげか、かなり安定性を感じます。確かに長い距離を走っても脚へのダメージが少なそう。走っていてとても安心感があります」(神津文人)

BROOKS《Aurora》

27,500円|革新的な新素材が驚きの浮遊感を実現。とにかく楽しい!

《Aurora》

《Aurora》WEBサイト

《Aurora》ディテール

左/半透明のメッシュアッパーを採用。中足部はブーティ構造になっており、快適なフィット感。右/ブランド史上最高のクッション性と反発性を備えた新素材「DNA LOFT V3」を大ボリュームでミッドソールに搭載。

「ブルーライン」という名称の〈ブルックス〉のイノベーションセンターが開発を担当。〈ブルックス〉独自のクッション素材である「DNA LOFT(ディーエヌエー ロフト)」に窒素ガスを混ぜて成形した最新フォーム「DNA LOFT V3」を初採用している。

「DNA LOFT V3」は「DNA LOFT」と比較すると、約28%軽く、約16%衝撃吸収性に優れ、約17%反発性が高いという。ここまで浮遊感のあるユニークな履き心地はなかなか味わえない。

「驚くほどふわっとしたクッション性と、跳ねるような反発性を感じられます。見た目から想像するよりもバランスが取りやすく、アッパーのフィット感も良かったです。走っていて楽しいシューズ」(牧野仁)

「ジェルを履いているような感覚で、かなりクッション感があります。スピードを出すのにはあまり向いていない印象ですが、初心者やファンランナーがゆっくり楽しく走るのにおすすめです」(長谷川朋加)

「着地時に少々ブレを感じますが、クッション感、反発感が抜群で、とてもユニークな履き心地。“新しいシューズを履いている”という印象が強く、楽しく走れます。近未来感のあるデザインも魅力」(神津文人)

取材・文/神津文人 撮影/小川朋央 イラストレーション/うえむらのぶこ

初出『Tarzan』No.820・2021年10月7日発売

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