賢く使おう! 気になる「完全栄養食」8選

2015年ごろの登場以来、徐々に製品も増えて耳にする機会が多くなった「完全栄養食」。気になる8つの商品と、トレーニーの向けの活用法を紹介する。

取材・文/門上奈央 取材協力/石川伸一(宮城大学食産業学群教授) 編集/阿部優子

初出『Tarzan』No.819・2021年9月22日発売

完全栄養食ってなんですか?

これひとつで健康を保つために必要な栄養素がまるっと摂れます。というコンセプトで登場したのが完全栄養食。

「流れとしては2015年頃、最初に液体のシェイクのようなものからスタートして、現在のようにグミやパン、パスタなどの一品食材で過不足なく栄養が摂れるようになりました。お昼などの短い時間に手っ取り早く栄養素を摂るという意味では重宝すると思います」(食産業学の専門家・宮城大学の石川伸一教授 )

炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素はもちろん、代謝に必要なビタミンミネラルもカバーする完全栄養食はここぞというタイミングで使い分けを。

①《ベースブレッド プレーン》

《ベースブレッド プレーン》

全粒粉やチアシード、昆布など10種類以上の素材をブレンドした生地に卵やバターを合わせたパン。1食分(2個)で27gものタンパク質をはじめ、オメガ3系やオメガ6系の脂肪酸、食物繊維、ビタミン・ミネラルなど1日に必要な栄養素の3分の1を摂れる。プレーン、カレーやチョコレートなど、全5種類。4袋780円(オンライン販売)、1袋237円(小売店)。

②《huel Black Edition》

《huel Black Edition》

エンドウ豆やココナッツなどを合わせた粉末を水でシェイクして飲む。計26種類のビタミン・ミネラルのほか100%植物由来のタンパク質を1食当たり40g含む一方、炭水化物は17gと控えめ。バニラやチョコレートの甘みを引き立てるステビアとココナッツシュガーを使用。タピオカ粉を使うことでグルテンフリーに仕上げた。2袋(10,834円)から購入可。

③《COMP Gummy TB v.3.0》

《COMP Gummy TB v.3.0》

〈UHA 味覚糖〉と共同開発したグミタイプ。ゼラチンやコラーゲンペプチド、独自調整の必須アミノ酸の配合によりタンパク質を1袋で8.1g含有。脂質はオレイン酸やα-リノレン酸、リノール酸などの必須脂肪酸をバランスよく含む。水溶性と不溶性、両方の食物繊維が摂れるほか、ビタミン・ミネラルも配合。2袋で1食分の栄養素をカバーできる。20袋入り5,500円。

④《シーベリープロテインバー》

《シーベリープロテインバー》

200種類以上の栄養素を含むスーパーフード「シーベリー」を配合したプロテインバー。サジーとも呼ばれるシーベリーはビタミンA、C、E、B群や必須脂肪酸、アミノ酸などが含まれ、古くから中国〜インド、シベリアや北欧などで親しまれてきた果実。風味がいいモンゴル産のものを素材に使用。自然な甘さのアーモンド風味で運動後でも食べやすい。12本入り4,536円。

⑤《ベースクッキー 紅茶》

《ベースクッキー 紅茶》

全粒粉や米ぬか、アーモンドなどの材料にアールグレイの茶葉を混ぜ込んで焼き上げたクッキータイプ。糖質を最低限に控えつつ、タンパク質やオメガ3系脂肪酸、26種類のビタミン・ミネラルを摂れる。香ばしい食感で、嚙むほどに紅茶の香りがふんわり。4袋で1食分の栄養を含有。食事の時間を取れない日の間食にも。ココア味もあり。4袋680円(オンライン販売)、1袋194円(小売店)。

⑥《andew ノーマルタブレット》

《andew ノーマルタブレット》

27種類の栄養素をチャージできる、医学部の学生が開発したチョコレート。カカオのほか、アーモンドやチアシード、きなこ、ポピーシードなど7種類の植物由来の食材を原料にセレクト。白砂糖は一切使わず、天然のオリゴ糖やミネラルを含むてんさい糖を使用。優しい甘みで食べやすい。香料・保存料・乳化剤不使用。フレーバーは全5種類あり、ノンシュガータイプも。1枚980円。

⑦《ゼンブヌードル》

《ゼンブヌードル》

黄えんどう豆100%の麺は豆の薄皮まで余さず使用。1食で植物性タンパク質13g、食物繊維は1日の摂取目安量の半分以上に当たる14gを含有。麺は低GIであるうえに、通常のパスタに比べて糖質を約30%カット。もちもちとクセになる食感であらゆる味付けに合う。野菜のおいしさを活かしたこだわりの専用ソースも(別売り)。8食分入りの《ゼンブヌードル》1,584円。

⑧《もがな》

《もがな》

1日に必要な栄養素の3分の1を摂れるレトルトカレー。大麦や発芽玄米、もち麦など18種類の雑穀に加えてチアシードやキヌアなどのスーパーフードも配合。レシピは管理栄養士が監修しており、過剰摂取を避けたい炭水化物や脂質の量に考慮しつつ、タンパク質やビタミンの配合に工夫。5〜7分ほど湯煎してご飯にかけるだけ。中辛で濃厚な味わい。鶏ささみ入り。1袋500円。

トレーニーは完全栄養食にこれをプラス!

単品で必要十分な栄養素が摂れるというのは実にありがたい話。でもタンパク質を一般人以上に重視するトレーニーにはあとひと押し、これをプラスすればより完璧というプチアイデアをご紹介しておこう。

まずは食事系。パスタには低脂肪ミックスチーズ(約30g)、あるいはスモークサーモン(5枚)をトッピング。パンは1杯の無調整豆乳(200mL)とともにいただく。カレーはライスをオートミールにするとエネルギーを抑えつつタンパク質を強化できる。

続いておやつ系。クッキーは細かく砕いてプレーンのギリシャヨーグルト(100g)+低脂肪牛乳(150mL)をミックスしたものに加えてみる。グラノーラのようなザクザク食感でタンパク質も十二分。チョコレートはおつまみのくくりにし、ビーフジャーキー(100g)とともに盛り合わせてみるのもひとつの手。