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主働筋・拮抗筋ってなに?:ストレングス学園 vol.10

カラダ作りに関する知識を深める「ストレングス学園」。第10回は「トレーニング動作中の筋の役割」について。

問1. ラットプルダウンの主働筋として妥当なものを選べ

ストレングス学園

トレーニングは動作によって、胸、腕、脚など鍛えられる筋肉が異なる。トレーニングにおけるメインターゲット、つまり中心的な役割を果たす筋肉のことを「主働筋」と呼び、この時の筋線維は収縮状態となっている。

主働筋を考える時にわかりやすいのが、腕を曲げ伸ばす上腕二頭筋のトレーニング、アームカールだ。

腕を曲げた時に上腕二頭筋(腕の前側)が収縮し、力を発揮する。一方で、上腕の裏側にあたる上腕三頭筋伸長している。このように、主働筋と反対の動きを生み出す筋を「拮抗(きっこう)筋」と呼ぶ。

これを踏まえると、上のイラストにあるラットプルダウンの主働筋はどの筋肉にあたるだろう。

答えはBの広背筋。バーをカラダに引き寄せる際に腕も使うためAの上腕二頭筋と間違いやすいが、意識するのは背中が正しい。肩甲骨を寄せて広背筋を収縮させることが大切だ。

問2. レッグエクステンションの拮抗筋として妥当なものを選べ

ストレングス学園

両脚を前へ伸ばすマシントレーニング、レッグエクステンション。イスに座って両膝を伸ばす際に収縮する筋肉は大腿四頭筋であり、すなわちこれが主働筋となる。

対して伸長する筋肉は腿の裏側にあたるハムストリングス。つまり拮抗筋はCが正解だ。トレーニングでは主働筋に目が行きがちだが、同時に拮抗筋を鍛えるメリットもある

まず、主働筋だけに偏って筋肉がつくことで起こる見た目のアンバランスが整い、関節への負担も分散される。さらに、ある研究では拮抗筋を使えるようになることで主働筋の筋出力が向上すると明らかになっているため、双方を鍛えることにより相乗効果が生まれる。

拮抗筋には主働筋の筋収縮を抑制するブレーキ機能がある。事前に拮抗筋を鍛えることでブレーキ機能を弱め、主働筋をより強く収縮させて筋肉への刺激を増やすという筋トレのやり方がスーパーセット法である。

問3. 筋トレ中の動作において、補助的に働く筋をなんと呼ぶ?

ストレングス学園

行おうとする動作において、中心的な役割を果たす「主働筋」。そして、その反対の動きを生み出す「拮抗筋」。これらのほかにも、トレーニングの動きはいくつかの筋肉がサポートしている。まず、問題の答え合わせから順に見ていこう。

トレーニング動作において補助的に働く筋肉は「協働筋」といい、主働筋のサブ的な役割を担っている。続いて、隣接する筋の動きを安定させる筋。これは「固定筋(安定筋)」といい、腕や脚を動かす際も姿勢を保持するために主に胴体付近で機能している。

そして「中立筋」は、望ましくない動きを排除したり、相殺したりする筋のことをいう。これらはマシントレーニングのように決まった軌道を動かして特定の筋肉にピンポイントで刺激を入れる時はあまり機能しないが、フリーウェイトのようにカラダを固定せずに不安定な状態でトレーニングを行う際に動員される。

取材・文/黒澤祐美 イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)

初出『Tarzan』No.817・2021年8月26日発売

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