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“ムラっとする”のはどうして? 脳で起こっていること|脳科学と性①

目を背けようとしたとしても、「性欲」は私たちの生活と深く結びついている。でも、メカニズムとしてはよくわからないことがたくさん。そこで、欲求を司る脳との関係性について、岡山大学の坂本浩隆准教授に話を伺った。今回は、「ムラッとする瞬間に脳で起きていること」。

ムラッとするとき、私たちのカラダに起こること。

性衝動。いわゆる“ムラッとする”のは、欲情をかきたてるスイッチの代表格。この気持ちのたかぶりによってカラダも反応し、良いムードに切り替わることも多いだろう。このときはどのような働きをしているのだろうか。 「ムラっとする状態は軽い興奮状態にあると言えます。何らかの形で性的な刺激を受けて交感神経が優位になると、脳からの指令で精巣や卵巣から性ステロイドホルモンが分泌され、その血中濃度が上昇すると脈拍が上がり、場合によっては呼吸が荒くなることもあります」(岡山大学・坂本浩隆准教授) ここで鍵を握るのが、脳の視床下部。ここは自律神経や内分泌をコントロールする役割を担っており、性的な刺激を受けると、全身の交感神経を活発化させるそうだ。これは真っ暗だった家の電気をすべて点けるイメージに近い。

性的指向性は「性的二型核」によって決まる!?

ちなみに性差性的指向性の個人差があるのにも、この視床下部が関係している。視床下部内の視索前野に「性的二型核」と呼ばれるものがあり、その存在の影響が大きいそうだ。

性的二型核の図説

「性的二型核はラットの研究によって発見されたニューロン(神経核)です。人にもあるとされており、ニューロンや神経突起、シナプスの、または形態などによって性差や性的指向性の違いが生じるのではないかと言われています」 雄ラットを使った実験では、視索前野を破壊すると性行動の神経制御に障害が生じ、性行動が完全に消失したという。 また、性的二型核だけを破壊すると性経験の有無によって違いが生じたそうだ。交尾を経験したことがない雄ラットの性的二型核を破壊すると、刺激を受けて性行動に至るまで時間が長くなり、発現の頻度も低下。 一方で、交尾を経験したことのある雄ラットは性的二型核を破壊されても影響があまりなかったという。 ちなみに、性的二型核のニューロンの数は雄の方が多いという結果が残されていており、人間にも同じようなことが言えるという。男性の方が視索前野は大きく、ニューロンが集まる神経核も多い。 これは男女の性欲の違いや個々人の性的指向性に関わりがある可能性が高いが、このあたりのことはまだまだ研究中のことなので、今後さらなる解明がなされるかもしれない。

教えてくれた人
坂本浩隆先生
坂本浩隆(さかもと・ひろたか)/岡山大学大学院自然科学研究科准教授。専門は神経内分泌学。特に神経ペプチドホルモンやステロイドホルモンの神経系への影響や、行動レベルで作用している神経内分泌系の仕組みに関心を持ち、研究をしている。また、科研費研究課題を対象とした先端バイオイメージング支援事業(ABiS)にも携わる。

取材・文/石川優太、村上広大 イラストレーション/村林タカノブ

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