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鍼灸は科学的な治療法です。知られざる「ツボ押し」3つの事実

生活を邪魔する不調の数々は、ツボ押しで簡単に解決できる! 正しい場所を正しく押すことが大切。まずは家で、じっくり試してみよう。

ツボは世界的に認められた医学の一つである!

一般的にツボと呼ばれる経穴は、中国の伝統医学に由来。その始まりは紀元前まで遡り、日本には唐の時代に伝わったとされる、長い長い歴史を持つ治療法なのだ。伝統的な治療法であるがゆえに、科学的根拠のないものと思っている方もいるかもしれない。

しかし、近年は鍼灸医学の研究が進み、WHO(世界保健機関)も、神経痛や頭痛、胃腸炎、眼精疲労などの症状に、ツボにアプローチする鍼灸療法が有効であると認めている。

ツボの位置についても、国際会議を経て、2006年に世界的に統一。ツボ押しの効果は、正真正銘、世界的にも認められているものなのである。薬の服用と異なりドーピングの心配がない鍼灸は、多くのアスリートも活用している。ツボ押しを利用しない手はないだろう。

ツボは神経の交差点。押すことで症状が改善。

どうしてカラダに点在するツボを刺激することで、さまざまな不調を改善できるのだろうか。日本ホリスティックセラピストアカデミー校長で薬剤師でもある加藤雅俊先生によれば、ツボは神経の交差点なのだという。

「ツボは大都市の交差点のように神経が集まっていて混雑しやすい場所です。ツボ押しとは、神経の交通整理をして、脳への情報の渋滞を解消するものと考えると、わかりやすいと思います」

ツボを刺激して神経が活性化すると、各種の情報が中枢神経を経由してスムーズにへと伝わる。すると、今度は脳からの指令が臓器などの各器官に正確に伝わり、不具合が解消される。既に不調があるときはもちろん、不調を起こさないための予防にも、ツボ押しは適している。

効果がないのは正しく押せていないから!

ツボ押しをしたことがあるけれど効果を感じなかったという人は、もしかしたらツボを正しく押せていなかったのかもしれない。

「ツボは神経が集まる場所。多くの神経は骨の近くを通っているので、骨を目標にして辿っていくと正しい位置が見つけられます。そして押す角度も重要です。痛いような気持ちいいようなツーンという感覚があれば、それが正しい位置と角度です」

もちろんツボの位置の目印となる骨の大きさや形には個人差がある。示されたポイントを目安に感覚を研ぎ澄まし、自分のカラダのツボの位置を探っていこう。

また、筋肉が緊張しているとツボに指が届かない場合がある。深呼吸ストレッチ入浴などでカラダをリラックスさせると、より押しやすくなる。

取材・文/神津文人 イラストレーション/BACKBONEWORKS 監修/加藤雅俊

初出『Tarzan』No.815・2021年7月21日発売

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