「鍛える」前に整えたい人はこちら:
股関節の動きを「鍛える」
股関節の機能を高めるという意味では、実は整えてからがスタートだ。3Dの動きをカバーする股関節は鍛えてなんぼ。筋トレで股関節まわりの筋肉のパワーを底上げしてこそ、日常動作やスポーツのパフォーマンスアップが見込める。
といって、特定の筋肉をピンポイントで強化するわけではない。股関節の動きに関与する筋肉群を同時多発的に鍛えるのだ。軸となるのは3つの動き。股関節を前後方向に動かす、左右方向に動かす、そして回旋させる。これらの動作に関わる筋肉群を同時に刺激することによって、その連動性を磨くのだ。
前後の動きはウォークやラン、左右の動きは切り返し動作、回旋の動きはゴルフや野球の動きに関与する。すべて15回×2セットを週2〜3回。ひとつに絞って行ってもよし、むろん、すべて行ってもよしだ。
トレーニングのやり方
回数:すべて15回×2セット
頻度:週2〜3回
① 股関節の「前後の動き」
主な動作:歩く・走る・跳ぶなど
主に鍛える筋肉:大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリングス
カラダを中心線から縦割りにし、その面に沿って股関節を屈曲・伸展させるのが前後の動き。歩いたり走ったり跳躍する動作はすべてこれ。スクワットで磨きをかけよう。
② 股関節の「左右の動き」
主な動作:サイドステップ・切り返し動作・サイドキックなど
主に鍛える筋肉:大臀筋・中臀筋・内転筋
左右の動きは、カラダを中心線から横割りにした面に沿った動き。テニスや卓球など、左右の切り返し動作、格闘技のサイドキックなどの動きがこれに当たる。
③ 股関節の「回旋の動き」
主な動作:打つ・投げる・蹴るなど
主に鍛える筋肉:大臀筋・外旋六筋・梨状筋
バットでボールを打つ、ボールを投げる、ゴルフのスイングをする。これらはすべて股関節の回旋運動。手打ち、手投げでパフォーマンスは上がらない。鍛えるべし。
サーキットで「使える股関節」を完成させる。
前後、左右、回旋、3つの動きの連動性を個別に鍛えたら、お次はサーキットトレーニングに挑戦してみてほしい。目的は3つの動作を連続して行い、股関節の3Dの動きを存分に引き出すこと。
前後→左右→回旋→前後→左右→回旋、インターバルなしでそれぞれの種目を20回行って1サイクルがフィニッシュ。1分程度のインターバルを挟んで、最終的にこれを3サイクル繰り返す。
正直いってかなりキツいが、週2〜3回の頻度でこなしていけば、どんなスポーツにも対応できる機能的な股関節が手に入る。走ってよし、跳んでよし、蹴ってよし、打ってよし。ここまでこなせて初めて、“使える股関節”といえるのだ。では、気合を入れてスタート!