正しい「フルスクワット」のためのエクササイズ ③|上体を起こす
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/清水忍(IPF代表)
初出『Tarzan』No.812・2021年6月10日発売
『ターザン』のイチオシトレーニング、フルスクワット。速く走れる、重たいウェイトを上げられる、高くジャンプできるといった“ご利益”満載のフルスクワットですが、正しく実践するには①可動域を広げる、②踵荷重を覚える、③上体を起こす、という3つの目的別エクササイズが必須。
これまで①可動域を広げる、②踵荷重を覚えるについて解説してきましたが、今回は最後の③上体を起こすエクササイズを徹底解説します。これであなたも、フルスクワット・マスター!
股関節の違和感を解消させる。
上体を倒したスクワットをする人は驚くほど多い。それでは爪先荷重になり、重心の垂線上で床が押せなくなる。この機会に背すじを伸ばし、上体を極力起こしたフォームで行うフルスクワットを学ぼう。
「しゃがむときに“股関節が詰まった感じがする”と訴える人は多いのですが、それは上体が前に倒れすぎている証拠。上体を起こすと股関節が詰まる嫌な感じはなくなります」(IPF代表・清水忍トレーナー)
上体前傾と股関節の違和感をなくすのに有効なのは、テニスボールを用いたエクササイズ。スクワットはしゃがんでから立ち上がる運動だが、ここでは立ってしゃがむ際に上体を倒しすぎない運動パターンをインプットする。
そもそも、立つときも、しゃがむときも、上体と脛がつねに平行に動くように注意していれば、上体は倒れすぎないし、フォームも乱れない。姿見に全身を映してみて、脛と上体の傾き具合を確かめてみよう。
上体を起こすための2種目。
テニスボールを潰さないようにしゃがむ。
- しゃがむときに、上体が折れ曲がり始める左右のポイントにテニスボール(なければ、丸めたハンカチ)を1個ずつ押し当てる。
- ボールをできるだけ押し潰さないように、上体を起こしたまま、フルスクワットのボトムポジションまでしゃがむ。
鏡で確認しながら立ち上がる。
- 全身が映る姿見を用意する(ない場合は、スマホで動画撮影し、あとで確認する)。
- フルスクワットのボトムポジションになり、脛と上体がつねに平行になっていることを確認しながら、パラレルスクワット→ハーフスクワットを経てまっすぐ立ち上がる。
バーベルスクワットの準備もしておこう!
自体重で行うスクワットの先には、パワーラックでバーベルを担いで行うスクワットがある。バーベルスクワットでは首の後ろにバーベルを担ぐ。そのためにやっておきたいのは、バーベルを担ぐための準備。腕を構えるポジションに注目してみよう。
バーベルトレの準備エクササイズ
- 左右の肩甲骨を寄せて両腕を左右に開き、肘を伸ばし、手のひらを天井に向ける。
- そのままの姿勢を守り、フルスクワットのボトムポジションから、まっすぐ立ち上がる。
- 上体が前後にブレたり、肘が下がったりしないように注意する。
自分の弱点を改善できたら、こちらの記事でフルスクワットに挑戦してみよう!