正しい「フルスクワット」のためのエクササイズ ②|踵荷重を覚える
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/清水忍(IPF代表)
初出『Tarzan』No.812・2021年6月10日発売
『ターザン』がイチオシのフルスクワットを正しく実践するには、①可動域を広げる、②踵荷重を覚える、③上体を起こす、という3つの目的別エクササイズが必須。
前回の記事に引き続き、この記事では「②踵荷重を覚える」ためのエクササイズを紹介します。
重要なのは踵で床を押す感覚。
フルに限らず、スクワットでは重心の垂線上にある踵で床を強く押し、その反動で立ち上がることが大切。頭でそう理解しても、なかなかできない人に試してもらいたいのは、丸めた2枚のティッシュペーパーを用いるシンプルなトレーニング。
まず、丸めたティッシュを裸足の踵で真上から強く踏んでしゃがみ、爪先荷重をリセット。さらにティッシュを真上から押し潰しながら、フルスクワット→パラレルスクワット→ハーフスクワットと途中で止め、踵荷重を確かめつつ立ち上がる。
踵荷重を覚えるエクササイズ。
3段階スクワット
- 裸足になり、ティッシュを踏むポイント(踵の中央からやや外側)を確認する。
- 丸めたティッシュを左右の踵で踏み、フルスクワットのボトムポジションを取る。
- ティッシュを真上から強く踏み込み、その反動で太腿前側が床と平行になるパラレルスクワットのボトムポジションを取る。
- 続いて同様にティッシュを強く踏み込み、その反動で膝が90度曲がるハーフスクワットのボトムポジションになる。
- 最後はもう一度ティッシュを強く踏み込み、まっすぐ立ち上がる。
ポイントは、踵の真ん中からやや外側でティッシュを踏むこと。
「重心が通るのは、脛の脛骨ですが、踵の骨(踵骨)は、脛骨の真下よりもやや外側に張り出しています。なので、踵の少し外側で床(ティッシュ)を踏むと、その反作用が真上に効率的に伝わりやすくなるのです」(IPF代表・清水忍トレーナー)
踵荷重ができるようになれば、ニーインする悪いクセも抜けやすい。
踵荷重が欠かせない、クローズド・キネティック・チェーンとは?
フルスクワットの本質は、クローズド・キネティック・チェーン(CKC)。床や地面のように動かないものに力を発揮し、それに応じた筋肉の連鎖的な動きをコントロールする。その動作の起点は、床を両足の踵で強く押すこと。その結果、立ち上がれるのだ。
「床を踵で強く押す感覚」を掴むためのエクササイズ
- まずはフルスクワットのボトムポジションを取る。
- パートナーに、両手を肩に置いてもらう。
- パートナーが、肩から踵に向けて真上から両手で押し込む力を感じつつ、それに打ち勝ちながら真上に立ち上がる。
- 上体を前傾しすぎない。
自分の弱点を改善できたら、こちらの記事でフルスクワットに挑戦してみよう!