自体重スクワットでは飽き足らなくなった強者諸君、今すぐウェイトトレにシフトせよ。この記事では、ケトルベルを用いて「1種目だけ行うならこれ!」というメイン種目とバリエーション3種目を紹介。ターゲットはほとんどが大腿四頭筋と大臀筋、ハムストリングス。狙って下半身を鍛え上げろ!
扱い難度は随一。全身運動の効果もあり。
ダンベルに次いでお手軽感のあるケトルベル。
球体に取っ手がついた、まさにヤカンのような愛らしい形状だが、そのポテンシャルはある意味ダンベルやバーベルを凌駕するほど。
ケトルベルの最大の特徴は重心が手から離れているということ。ダンベルはグリップと同じ位置に重心があるが、ケトルベルは持ち手から離れた場所に重心がある。よって扱うために全身の筋肉を動員しなければならない。
さらに、スピードをつけて動かしたり振り回したりすることで大きな遠心力が働くので、重量以上の負荷が全身にかかる。つまり一粒で二度美味しい。ただしコツを掴むのが結構難しく、基本のスイングを行うにも事前トレが必要だ。
まずは3つの事前トレで、股関節を開閉させる動きをマスター。
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ヒンジ
まっすぐに立って股関節に左右の手の小指側を当てる。股関節を折り畳みつつ指を挟むようなイメージで腰を後ろに引き込む。これがスクワットとは微妙に異なるヒンジという動き。
デッドリフト
ケトルベルを両手で持ってデッドリフト。股関節と膝を曲げた姿勢からケトルベルをカラダの前面に沿わせるようにして胸を張り、膝を伸ばす。動作中に背中を丸めないことがポイント。
ウォールスクワット
壁から10cm程度離れた場所に立ち、ケトルベルを両手で持ってスクワット。顔や膝を壁につけずに太腿を床と平行に。股関節を引き込み、膝をしっかり開けないと腰を落とせない。
ケトルベルでスクワット、1つやるならこれ!
スイング(10回×3セット)
上の3つの事前トレをクリアして臨もう。
- 両足を肩幅より広めに開き、
- ケトルベルを両手で持つ。
- 腕を伸ばして肩の高さで切り返し、
- 膝を曲げて腰を落としケトルベルをお尻の下まで振り下ろす。
- 腰を落としたときに股関節を閉じ、
- 膝を伸ばしたときに開く“ヒンジ”の動きがコツ。
バリエーション3種目。
レベル ①
フロントスクワット(10回×3セット)
- 片手にケトルベルを持ち、
- 手首を返して肩から腕の付け根にケトルベルを担ぐ。
- これがケトルベル特有のラックポジション。
- 反対側の手は斜め下にまっすぐ伸ばす。
- そのまま太腿が床と平行になるまで腰を落とす。
- 逆も行う。
レベル ②
ランジパススルー(10回×3セット)
- ケトルベルを片手に持ち両足を肩幅に開いて立つ。
- 片足を1歩前に大きく踏み出しながら腰を落とし、
- 太腿の下で反対側の手にケトルベルをパスしたら、
- 元の姿勢に戻る。
- 次は逆の軌道でパス。
レベル ③
ボトムアップスクワット(10回×3セット)
ウェイトを背骨で支えるのではなく、体幹と肩まわりでコントロールする種目。三角筋、脊柱起立筋も鍛えられる。
- 片手にケトルベルを持ち、
- 前腕を垂直にキープ。
- 逆の手は肩の高さでまっすぐ伸ばしてスクワット。
- 逆も行う。
取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 トレーニング監修/白戸拓也(フージャース ウェルネス&スポーツ)
初出『Tarzan』No.812・2021年6月10日発売
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