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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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トレーニングをしていると耳にする「コンディショニング」という言葉を、詳しく紐解いていく「コンディショニングのひみつ」連載。第1回は「そもそもコンディショニングってなあに?」というお話。
今や日常会話にも定着している「コンディション(Condition)」とは、「調子」や「状態」のこと。一般的には場所や天候など幅広い場面で使用されるが、スポーツやフィットネスの現場では調子が良い・悪いなど「人のカラダ」に対して用いられている。
そんなカラダの状態を整えるセルフアクションのことを「コンディショニング」といい、未病に対してのアプローチとして認知されている。国際ストレングス&コンディショニング協会(以下NACA)によれば、コンディショニングの役割は2つに分けられる。
1つ目に「スポーツパフォーマンスを最大限に高めるために筋力やパワーを向上させつつ、柔軟性、全身持久力など競技パフォーマンスに関連するすべての要素をトレーニングし、身体的な準備を整えること」。
2つ目に「快適な日常生活を送るために、筋力や柔軟性、全身持久力をはじめとする種々の体力要素を総合的に調整すること」。
つまり、いつでも自分の能力を最大限に発揮できる状態を作ることがコンディショニングであり、アスリートのみならず、あらゆる人が取り入れるべきセルフケアなのである。
では具体的に“カラダの状態を整える”とは、何から始めればよいのだろうか。人体を構成する筋肉・骨・内臓・脳と4つのパーツに分けて解説していこう。
筋肉が引き起こす代表的な不調に、肩こりと腰痛がある。同じ姿勢でのルーティン作業や長時間のデスクワークなど、何らかの理由で筋肉が収縮した状態で硬くなると、全身をめぐる血流が滞り痛みや不快感が生じることがある。この固まった筋肉に外からの力を加えて、本来の弾力と長さに戻すことができる最も手軽なコンディショニングが、ストレッチだ。
ストレッチを怠った状態でいくら筋力トレーニングをしても、マイナスな状態からスタートしているようなもので効果は得にくい。筋肉をゼロベースに戻してこそ、筋力アップは狙えるのだ。
コンディショニングというとストレッチやマッサージの印象が強いが、実は何よりも先に取り組みたいのが骨の歪みの改善である。なぜなら不良姿勢が持続すると、不快、痛み、障害が発生し、最悪の場合は寝たきりに至る可能性があるため。
不良姿勢は、脚の組み方、机と椅子の位置関係、自動車運転時の姿勢、カバンを持つ手など、日常生活の癖で知らず知らずのうちに起こりうる。崩れた姿勢でいることが徐々にラクに感じるようになるが、必ずしもラクな姿勢が良い姿勢であるとは限らない。
股関節、骨盤、背骨、肩甲骨と4つの関節からアプローチをして正しい姿勢を取り戻すことで、不調から解放される。
キリキリとした痛みや便通の不調などいつもとは違う変化が起こらない限り、内臓の不調に気づくのは難しい。けれど、食の欧米化や生活スタイルの変化によって、現代人の体内環境が乱れていることはさまざまな研究から明らかになっている。
食事の選択、アルコールとの付き合い方、必要な栄養素の摂取など毎日の食事を見直すこともコンディショニングの一つである。
ヒトが感じる疲労の原因の多くは、この脳にあるといわれている。とくに、身体的にも精神的にも人体に影響を及ぼすのが自律神経。働き続ける交感神経を静め、副交感神経を高める睡眠・入浴などで調子を整えることもれっきとしたコンディショニング。
ストレスからくる不調を感じている人は、脳からのアプローチが必要になる。
レジスタンス・トレーニング(いわゆる筋トレ)と違い、コンディショニングは毎日でも取り入れて害はない。しかし人には年齢、性別、体格、目的、生活環境など個人差があり、他人と同じことをしても、その人同様の効果が得られるとは限らない。自分の癖を見抜き、不調改善に向けてターゲットとなる部位にアプローチするのが正しいのである。
答え:上から☓○☓☓☓
取材・文/黒澤祐美 漫画/コルシカ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.808・2021年4月8日発売