スマホ世代の「首のこり」を3ステップで解消
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/大谷亮治 監修/<a href="/tags/kazutaka_sawaki/">澤木一貴</a>(SAWAKI GYM)
初出『Tarzan』No.803・2021年1月28日発売
頭の重みは体重の10%ほどもある。体重70kgなら7kgだ。それを支える首はあまりに細く、非力な筋肉が多いため、頭の位置がズレると首まわりにストレスが募りやすい。首は、まさに人体のボトルネックなのだ。
ケアの方法は、こちらの「リモート肩こり」の解消法と同様に、①リリース、②ストレッチ、③トリガーポイントの3ステップ。以下、順番に試してみて欲しい。
① リリース
パソコンやスマホが手放せないと、首も肩も前に出やすい。まずは、硬くなった小胸筋をリリースして肩が引けるようにする(「小胸筋のマッサージ」を、左右を替えて各20~30秒×1~2セット)。
- まっすぐ立ち、右手でソフトボール(なければテニスボール)を持ち、左肩の鎖骨の下にある凹みに押し当てる。
- ソフトボールを強めに押し込みながら、20~30秒間マッサージする。
次に、コリコリになった首すじの胸鎖乳突筋をマッサージ(「胸鎖乳突筋のマッサージ」を、左右各20~30秒×1~2セット)。
- まっすぐ立ち、左手でテニスボールを持ち、左耳の後ろの頭蓋骨の出っ張り(乳様突起)の下にある凹みに押し当てる。
- テニスボールを強めに押し込みながら、20~30秒間マッサージする。
② ストレッチ
スマホ世代では、頸椎の前方カーブがフラットに近づくストレートネックが急増している。頸椎がフラットになると、首まわりの負担が増える一方。タオルを使ったストレッチで頸椎のカーブを復活させよう(下記の3ステップの「頸椎のアライメント調整」を、20~30秒キープ×1~2セット行う)。
① 中央のカーブを出す
- 首の後ろにタオルの真ん中を回し、両端を両手に持つ。脇を締め、タオルを床と平行に、弛みがないように軽く引く。
- タオルを前方へ引き、頭を前に突き出す。
- タオルを前方へ引く力に逆らいながら、頭を後ろに引く。
② 下のカーブを出す
- 首の後ろにタオルを回し、両端を両手に持ち、脇を締めて肘を曲げ、タオルを斜め下へ弛みがないように軽く引く。
- タオルを引いたまま、顎を引いて頭を前に倒す。
- タオルを引いたまま、顎を上げて頭を後ろに倒す。
③ 上のカーブを出す
- 首の後ろにタオルを回し、両端を両手に持ち、脇を締めて肘を曲げ、タオルを斜め上へ弛みがないように軽く引く。
- タオルを引いたまま、顎を引いて頭を前に倒す。
- タオルを引いたまま、顎を上げて頭を後ろに倒す。
③トリガーポイント
トリガーポイントへのアプローチでは、手の親指の付け根とお腹の腹直筋をストレッチ。親指の付け根は、腱鞘炎を起こす長母指外転筋の通り道。ここをほぐすと、筋膜で連絡する小胸筋が緩みやすい(「手首のマッサージ」を左右各20~30秒×1~2セット行う)。
右手の親指で、左手の親指の付け根を20~30秒間マッサージする。
腹直筋は筋膜の「フロントライン」上にあり、間接的に首まわりを整えてくれる(「腹直筋のストレッチ」を、20~30秒キープ×1~2セット行う)。
- 床でうつ伏せになり、両脚を腰幅で開き、爪先を伸ばす。両肘を肩の真下について上体を起こし、前腕と手のひらを床につける。
- 肘を伸ばして上体を反らし、へそを床に押し付け、お腹の腹直筋をストレッチ。ゆったり呼吸をしながら20~30秒間キープする。