カラダに優しい“週末断食”のやり方を追求する|疲れにくい料理はどっち?
「ファスティング」をテーマに、どちらが疲れない食べ方かをジャッジ。「グリーンサラダ&白ワイン」と「もち麦入りお粥&にんじんジュース」、疲れない食事はどっちだ!
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 料理製作・取材協力/河村玲子
初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売
週末断食で内臓疲労をオフにしよう。
太りすぎだと、自らの体重が支えられないから、当然疲れやすい。四の五の言わずに痩せよう。太った人は運動嫌い。運動抜きで痩せるなら、食事のカロリー摂取を減らすほかない。ならば、地味にカロリーコントロールに励むべきか、それとも思い切ってファスティング(断食)に走るべきか。
カロリーコントロールで手っ取り早いのは欠食。今回の対決では、この欠食によるカロリーコントロールを対決の俎上に載せよう。
ランチもディナーもたらふく食べたいという単純すぎる理由で朝食を抜いてしまうと、朝食でリセットされる体内時計が大きく狂う。体内時計は1日24時間のリズムを刻むマスタークロックで、代謝を制御している。この時計が狂うと、体脂肪の消費と蓄積のスイッチングが乱れてしまい、太りやすい。
欠食すると代謝が落ち、痩せられない。
加えて朝食抜きだと前日夜から当日昼まで空腹が続く。空腹時には、カロリーを補うために筋肉のタンパク質が分解される。欠食で空腹時間が長引いて筋肉が減ると、代謝が下がるので痩せられない。
あるいは、お酒をたっぷり飲みたいからといって、夕食のボリュームを大幅に減らして半欠食にすると、栄養バランスが崩れやすい。
お酒はカロリーはあるのに、大事な栄養素に乏しい「エンプティカロリー」。お酒のためにサラダなどでカロリーを控えようとすると栄養素が足りなくなり、やはり代謝が下がるので太りやすくなる。
続いて断食はどうか。断食でポピュラーなのは、週末断食。平日の食べすぎの帳尻を合わせるため、週末の断食で摂取カロリーを大幅に抑えるのだ。
「水以外摂らない水断食は危険ですし、筋肉が分解されるのでNG。お粥やジュースなどで最低限のカロリーと塩分、ビタミンとミネラルを補うのがオススメ。食物繊維が多くて腹持ちが良いもち麦入りのお粥+梅干しを3食のメインとしながら、食間に野菜ジュースか、モズクやワカメなどの海藻スープを2〜3回飲むのがいいでしょう」(管理栄養士の河村玲子さん)
このやり方なら断食といっても欠食しないから、体内時計や筋肉減少による代謝低下が防げる。
さらにカロリーコントロールより評価できるのは、内臓が休まること。内臓もたまには休めないと、働きが落ちて疲れる。断食なら、内臓への負担は最小限に留まる。
ただし、カロリーコントロールが絶対NGで、週末断食がベストチョイスとは言い切れない。
「欠食せず、1日3食からバランス良く食事量とカロリーを減らすのがベスト。すると痩せやすいし、内臓疲労もオフできます。それが続けられるなら、断食のような極端な手段でなくても、健康的に痩せられて疲れから解放されます」
結論
内臓疲労が避けられる断食の勝利。理想のカロリーコントロールの追求もお忘れなく。