CONDITIONING
2020.09.23

自律神経が整う! 呼吸のタイプ別・背骨リセット術

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背骨を正しい位置にリセットして、自律神経のバランスを整えよう。背骨のリセット法は【胸骨タイプ】と【肋骨タイプ】に分かれて行う。この記事で自分の呼吸の癖を把握して、効果的なエクササイズに取り組むべし。

深呼吸しやすいカラダをつくる呼吸編に続いて、今回は背骨編。でもなぜ背骨にアプローチすることで自律神経が整うのだろうか。

「背骨、つまり脊椎のそばには交感神経幹という神経の束が通り、内臓と脳を繫ぎます。つまり自律神経は背骨を介して全身に広がっているのです。そのため背骨を動かす、もっと言えば正しい位置にリセットしてあげると自律神経のバランスは整います」(理学療法士・財前知典先生)

胸骨と肋骨の位置関係
胸骨と肋骨は脊椎とともに胸郭を形成しており、胸骨は前面の中心に上下に通る。左右の胸を覆う細長い弓状の骨が肋骨。胸椎から胸骨にかけて内臓を取り囲んで付いている。

背骨のリセット法は【胸骨タイプ】と【肋骨タイプ】に分かれる。胸の中心の胸骨部分を一点押しした場合と、胸の上部、左右の肋骨を押さえた場合、各々鼻で息を吸った際にどちらが吸いやすいだろうか。タイプに応じてアプローチしよう。

あなたは胸骨タイプ? 肋骨タイプ?

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【胸骨タイプ】

胸骨タイプ

背すじを伸ばし、胸のど真ん中のゴツゴツした胸骨を軽く押し上げて鼻で息を吸う。この方が楽に吸える人は相対的に肋骨が下がるときに吸うのが楽なので、息を吐きながら背骨リセットエクササイズを行った方がいい。

【肋骨タイプ】

肋骨タイプ

背すじを伸ばし、肋骨を左右の人差し指で軽く押し上げて鼻で息を吸う方が楽な人は、肋骨の間隔を開けたときの方が呼吸しやすい証拠。つまり、背骨リセットエクササイズは鼻で息を吸いながら行った方がベター。

タイプがわからない人は…

どちらのタイプかわからない人

どちらのタイプかわからない人は胸骨タイプエクササイズ(後述)を行った後に前屈、肋骨タイプエクササイズ(後述)を行った後に前屈を行い、深くまで曲がった方が向いているタイプと判断する。

自分のタイプがわかったら、まずは呼吸の練習を。

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【胸骨タイプ】

胸骨タイプは吐く

【肋骨タイプ】

肋骨タイプは吸う

胸骨タイプは普段胸を反らす筋が働きがち。両手を胸の前で組み、背中を軽く丸めて息を吐く練習を。逆に肋骨タイプは普段背中を丸める筋が働きがち。両手を後ろに引き、胸を軽く張りつつ息を吸う練習を。


【胸骨タイプ】のための、息を吐きながら行う背骨リセット。

胸骨タイプは姿勢と関係なく胸を反らすようにカラダを使うことが身についているパターン。背中を丸めて息を吐きながらエクササイズを行う機会を増やすと肋骨の動きが良くなり、ひいては胸郭も広がっていく。背骨リセットも基本的に息を吐きながら行おう。

背骨リセットはストレッチの動きがメインとなる。風呂上がりなど、カラダの力が抜け筋肉が温まった状態で行うと日中酷使した自律神経が整い、交感神経から副交感神経に切り替わりやすくなる。まだまだ寝苦しい晩夏の夜も眠りにつきやすくなるだろう。

エクササイズは3種類。費やす時間は就寝前の5分間だけ。毎日リセットしてスッキリした目覚めを迎えよう。

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1. キャットストレッチ

キャットストレッチ

四つん這いになり腕を肩幅に開き、肩の下に手を置く。腰は反らない。尻側から背骨を一つずつ動かすよう徐々に背中を丸める。続けて尻から頭に向かって背骨を一つずつ動かしながら背骨を伸ばし、最初の位置へ。伸ばす→丸めるの間、鼻から息を吐き続ける。3回行う。

2. うつ伏せで首の上下運動

うつ伏せで首の上下運動

床にうつ伏せになり、脚を揃えて姿勢をまっすぐに。両腕はカラダの横、手のひらは上向きに。そのまま頭の重みを利用して上下に動かそう。鼻で息を吐きながら15秒×3セット。背骨の延長上にある頸椎を動かすことで背骨まわりもほぐれていく。

3. うつ伏せで腰を反らす

うつ伏せで腰を反らす

床にうつ伏せになり、脚を揃えて姿勢をまっすぐに。両腕はカラダの横。そのまま鼻から息を吐きながら上体を引き上げ、胸を丸めながら腰を反らす。程よい位置で止まり、元の位置へ。戻す際は息を吸う。この動きを10回行う。

【肋骨タイプ】のための、息を吸いながら行う背骨リセット。

肋骨タイプは姿勢と関係なく普段背中を丸めるようにカラダを使う癖がついている結果、肋骨を指で押し上げると息を吸い込みやすい傾向にある。そのため、財前先生は胸を反らして息を吸うエクササイズをすることで肋骨の動きを改善するようすすめている。

胸まわりを深呼吸のしやすい状態に持っていくこと、さらに息を吸いながら行う背骨ほぐしという2つのアプローチの相乗効果で、夏に乱れた自律神経を整えていくのがここでの大きな目的だ。

胸骨タイプと同様、行うエクササイズは3種類。できれば毎日の入浴後、就寝前の5分間でやってみてほしい。しっかり胸を開き、鼻で大きく息を吸い込む。日常生活でもこの点を意識したい。

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1. ダウンドッグ

ダウンドッグ

床に四つん這いになり、腕を肩幅に開き肩の下に手を、尻の下に膝をつく。次に鼻から息をゆっくり吸いながら両手を前に滑らせ、同時に肩を下げて腕~背中のラインを一直線にする。一旦止まったら、息を吐きながら元の位置に戻る。これを3回繰り返そう。

2. 仰向けで首の上下運動

仰向けで首の上下運動

仰向けになり膝を立てる。腕は床に。手のひらを上に向け肩甲骨を寄せる。鼻で息を吸いながら首の上側を動かす意識で頭を持ち上げ、首の上側を意識しながら息を吐きつつ下ろす。5回×3セット。首を動かす役割を担う首の上側を意識することで頸椎~背骨が整う。

3. 仰向けドローイン

仰向けドローイン

床に仰向けになり膝を立てる。手のひらを上に向け、肩甲骨を寄せながら両腕は床に。お腹の収縮を意識しながら鼻から大きく息を吸い、鼻からゆっくりと息を吐き切る。このときお腹は自然に凹む。5回×3セット。

教えてくれた人
財前知典先生

財前知典先生(ざいぜん・とものり)/理学療法士、PTNEXT代表。東京・広尾整形外科副院長を経て現職。個々のカラダの動かし方に着目した不調解消エクササイズ「ネックス」を考案。https://ptnext.asia

取材・文/黒田創 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/YUNOSUKE 監修/財前知典(理学療法士、PTNEXT代表)

初出『Tarzan』No.794・2020年8月27日発売

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