自律神経が整う! 呼吸のタイプ別・背骨リセット術
背骨を正しい位置にリセットして、自律神経のバランスを整えよう。背骨のリセット法は【胸骨タイプ】と【肋骨タイプ】に分かれて行う。この記事で自分の呼吸の癖を把握して、効果的なエクササイズに取り組むべし。
取材・文/黒田創 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/YUNOSUKE 監修/財前知典(理学療法士、PTNEXT代表)
初出『Tarzan』No.794・2020年8月27日発売
深呼吸しやすいカラダをつくる呼吸編に続いて、今回は背骨編。でもなぜ背骨にアプローチすることで自律神経が整うのだろうか。
「背骨、つまり脊椎のそばには交感神経幹という神経の束が通り、内臓と脳を繫ぎます。つまり自律神経は背骨を介して全身に広がっているのです。そのため背骨を動かす、もっと言えば正しい位置にリセットしてあげると自律神経のバランスは整います」(理学療法士・財前知典先生)
背骨のリセット法は【胸骨タイプ】と【肋骨タイプ】に分かれる。胸の中心の胸骨部分を一点押しした場合と、胸の上部、左右の肋骨を押さえた場合、各々鼻で息を吸った際にどちらが吸いやすいだろうか。タイプに応じてアプローチしよう。
あなたは胸骨タイプ? 肋骨タイプ?
自分のタイプがわかったら、まずは呼吸の練習を。
胸骨タイプは普段胸を反らす筋が働きがち。両手を胸の前で組み、背中を軽く丸めて息を吐く練習を。逆に肋骨タイプは普段背中を丸める筋が働きがち。両手を後ろに引き、胸を軽く張りつつ息を吸う練習を。
【胸骨タイプ】のための、息を吐きながら行う背骨リセット。
胸骨タイプは姿勢と関係なく胸を反らすようにカラダを使うことが身についているパターン。背中を丸めて息を吐きながらエクササイズを行う機会を増やすと肋骨の動きが良くなり、ひいては胸郭も広がっていく。背骨リセットも基本的に息を吐きながら行おう。
背骨リセットはストレッチの動きがメインとなる。風呂上がりなど、カラダの力が抜け筋肉が温まった状態で行うと日中酷使した自律神経が整い、交感神経から副交感神経に切り替わりやすくなる。まだまだ寝苦しい晩夏の夜も眠りにつきやすくなるだろう。
エクササイズは3種類。費やす時間は就寝前の5分間だけ。毎日リセットしてスッキリした目覚めを迎えよう。
【肋骨タイプ】のための、息を吸いながら行う背骨リセット。
肋骨タイプは姿勢と関係なく普段背中を丸めるようにカラダを使う癖がついている結果、肋骨を指で押し上げると息を吸い込みやすい傾向にある。そのため、財前先生は胸を反らして息を吸うエクササイズをすることで肋骨の動きを改善するようすすめている。
胸まわりを深呼吸のしやすい状態に持っていくこと、さらに息を吸いながら行う背骨ほぐしという2つのアプローチの相乗効果で、夏に乱れた自律神経を整えていくのがここでの大きな目的だ。
胸骨タイプと同様、行うエクササイズは3種類。できれば毎日の入浴後、就寝前の5分間でやってみてほしい。しっかり胸を開き、鼻で大きく息を吸い込む。日常生活でもこの点を意識したい。
教えてくれた人
財前知典先生(ざいぜん・とものり)/理学療法士、PTNEXT代表。東京・広尾整形外科副院長を経て現職。個々のカラダの動かし方に着目した不調解消エクササイズ「ネックス」を考案。https://ptnext.asia