何気ないけど、見逃せない。部屋と姿勢の意外な関係

とくに意識しなくても正しい姿勢でいられる環境づくり、始めませんか? 家具や家電の置き場所を変えるだけでも、姿勢の良し悪しに差が出ます。

取材・文/黒澤祐美 撮影/谷尚樹、角戸菜摘 取材協力/小原まどか(Hi美scus)

初出『Tarzan』No.787・2020年5月14日発売

部屋とボディメイクと姿勢。

姿勢を整えるための運動をいくら行っても、毎日生活する環境に問題があれば歪みが生じるのを止められない。

「最も気をつけたいのが、うつむきの状態になる環境。パソコンを覗き込むような前傾は避けたい。頭は5〜6kgの重さがあるため、下を向けば向くほど頭を支える首・肩に負担がかかります。居住環境を見直すなら、まず前傾しやすい家具の配置を変えて、目線を上げることから始めましょう」(トレーナーの小原まどかさん)

肩こり腰痛といった不調がある人はもちろん、ボディメイクをしている人も姿勢を整える必要がある。

「たとえばいつも同じ方向にカラダを捻っていると、筋肉のつき方にも左右差が出ます。つまり、アンバランスな見た目になってしまうのです。前後だけでなく左右差も確認しましょう」

4つの家具・家電の環境改善!

今回は「テレビ」「ソファ」「キッチン」「寝室」と4つの環境問題と改善方法をまとめた。思い当たるようなら、模様替えを試みてもいいだろう。

① カラダを捻ってテレビを観る…

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部屋と姿勢の関係
テレビが常に右か左にある/テレビを観る定位置があるという人は多いだろう。しかし、定位置でカラダを捻らなければテレビが観られないポジションだったら……。いつも同じ方向を向くと、骨盤の傾きに左右差が出やすい。
部屋と姿勢の関係
カラダの正面にテレビを移動/一人暮らしの場合は、座る位置の正面にテレビを移動させれば万事解決。が、家族みんなで観るなら、家具位置が変えられないケースもある。ときどき席替えをして、カラダを捻る向きを変えよう。

② ソファにカラダが沈み込む…

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部屋と姿勢の関係
倒れ込む、沈み込む/ふっかふかのソファに座面が広いソファ。どちらも気持ちがいいけれど、お尻が深く沈み込んだり、知らぬ間に自分の“姿勢のクセ”に合わせた座り方になっていたりと歪みが生じやすい。
部屋と姿勢の関係
クッションで調整する/歪んだ姿勢の調整には、クッションを使うといい。腰と背もたれの間に挟んで寄りかかれば腰椎の自然なカーブがキープできるし、お尻と座面の間に入れれば沈み込み防止にもなる。

③ 低い調理台には「100均」で対策を

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部屋と姿勢の関係
調理台の高さが低い/リノベーションの普及により最近は古い賃貸マンションも人気だが、ひとつ問題を挙げるとするならキッチンの高さが低いこと。身長が高いほど腰が曲がり、腰痛の原因にもなりやすい。
部屋と姿勢の関係
まな板を台に乗せる/とくに包丁を使うときは、手元に集中するため前のめりになりやすい。そこで適度な台を用意し、まな板の位置を上げる。こちらは〈ダイソー〉で買った《まとめてレンジトレー》を利用。

④ ベッドで映画を観るときは…

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部屋と姿勢の関係
ベッドで映像を視聴/ベッドに入ってぬくぬくと映画を観る時間は、至福と言わずになんと言おう。姿勢が崩れるって? まあ今回ばかりはお堅いことばかり言わずに。ちょっとしたアドバイスだけ送りたい。
部屋と姿勢の関係
まめに向きを変える/たとえば右向きに横になって観ていたとしたら、数十分ごとに逆向きにチェンジしよう。たったこれだけ。でも、偏った筋肉や骨を圧迫しないためには大事なこと。ついでに抱き枕やクッションを抱えるとラクな体勢で楽しめる。お試しを。