「筋肉をつけるなら水泳はするな!」と聞きました。筋肥大に相性のいい種目はなんですか?(30代女性)
読者から寄せられた質問に、『ターザン』が誇る一流トレーナーがズバリ回答! 筋トレ・ボディメイクの悩みには、日本体育大学体育学部准教授にして現役ボディビルダー、「バズーカ岡田」の異名でも知られる岡田隆先生が向き合います。
取材・文/黒田創 イラストレーション/unpis
岡田隆先生
教えてくれた人
おかだ・たかし 日本体育大学体育学部准教授。柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。「バズーカ岡田」の異名で筋トレなどを各メディアで解説。現役ボディビルダーで2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝。著書多数。
今回の質問
よく「ちゃんと筋肉をつけたければ水泳はするな!」と言われますが何故でしょうか?また、筋肉をつけるうえで他にもやってはいけない種目、逆に向いている種目を教えてください。(30代女性)
水泳は、カロリー消費には効果的。しかし…?
まず、トレーニーにとって水泳は、決してやってはいけない種目ではありません。当然ながらカロリー消費にはなるし、心肺機能を鍛えられる点では実に効果的です。
ただ、筋肉をつけようとする際には“いい刺激の入れ方”というのを考える必要がある。普段あなたがやっている筋トレを思い出してください。ウエイトを持ち上げ、重みに耐えながら下ろしていく。その負荷に耐えることで筋肉は肥大するわけです。
その点、水泳はどうでしょうか。たしかに手を掻く時には水の負荷がかかりますが、そうでない動きは意外と負荷や制約のない中で、自由にカラダを動かせています。要するに動きが筋トレとはかなり違うんですよね。
つまり、特定の筋肉が大きく成長するための刺激を入れるという意味では、水泳はあまり効率的ではないということなんです。
筋肥大に不向きなのは、ランニングやサッカー
あと、ランニングも主に使うのが下半身だけ、という点で全身の筋肉を鍛えるには不向きであり、しかも動作的には瞬間的な負荷の繰り返しという点で下半身の筋肉を大きく発達させるのも不向きといえます。
そして、サッカーなどのスポーツでは、上半身の筋肉はあまり使わないなど、動きに偏りがあるため全身を満遍なく鍛える事ができませんよね。
行う運動によって筋線維の組成が変わる
ならば、トレーニーには筋トレ以外にどんな種目が向いているのか。 自体重をしっかりコントロールし、丁寧に動く器械体操。これは筋肉にしっかり負荷をかける自体重トレーニングの最たるものです。
鉄棒を使ったハイプルアップのやり方
また、陸上競技の短距離種目は下半身の筋トレになりますし、投擲系の種目は上半身の筋トレになります。格闘技以外は大人になるとなかなかできない種目もありますが、ひとつ参考まで。
もちろん、気分転換や持久力アップのために水泳をやるのは全然ありだと思いますよ。