究極の自体重、体操トレ「マッスルアップ」で無重力なカラダを手に入れろ!
懸垂とのコンビネーション「マッスルアップ」なら、下半身以外の筋肉をまとめて強化できる。自体重トレがひと通りこなせたら、ぜひ挑みたい。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/山内省吾 監修/奥村光紀 撮影協力/Pull Up Park Gym(https://pullupparkgym.wixsite.com/mysite)
初出『Tarzan』No.777・2019年11月28日発売
体操選手が持つ均整の取れたカラダと軽い身のこなしを手に入れる。
体操のエッセンスを取り入れた、鉄棒をメインに使うストリートワークアウト「体操トレ」。狙いは、体操選手のような均整の取れたボディとキレキレの身のこなしを手に入れることにある。
指導は、ストリートワークアウトの第一人者である奥村光紀さん。実演は、自体重トレ研究家の富岡貴広さんだ。
体操選手のカラダがキレイなのは、パワー・ウェイト・レシオ(PWR)が高いから。PWRは、体重とパワーの比率。筋力が高いほど大きなパワーが発揮できるが、余計な筋肉がありすぎると動きは悪くなり、体重が増えて体型も崩れる。
体操トレではPWRが整い、無駄のない機能的なアスリートボディに近づける。
今回取り上げるのは「マッスルアップ」。
マッスルアップは、体操トレのシンボル的存在。下の写真だけ見ると一見簡単そうだが、かなり鍛えた人でもなかなかクリアできない難関エクササイズだ。
マッスルアップの動きは、「プルアップ」(懸垂)と「ディップス」のコンビネーションに因数分解できる。プルアップは“クイーン・オブ・エクササイズ”の異名を持ち、ディップスは“上半身のスクワット”とも称される。
プルアップ、ディップスいずれも、筋肥大と筋力向上に効果的。プルアップでは背中、ディップスでは胸、肩、腕が鍛えられるし、姿勢を保つために体幹の筋力も欠かせない。プルアップとディップスのコンビであるマッスルアップなら、下半身以外の筋肉はまとめて強化できる。
「複数の関節と筋肉の、タイミングのよい連携が求められるので、フィジカルトレーニングの一環として取り入れるアスリートも少なくありません」(奥村さん)
とはいえクリアは難しい。そこで、エクササイズ!
マッスルアップをはじめとする体操トレはいずれも高難度。一度でクリアするのは無理なので、段階的に成功へ導くためのエクササイズ(プログレッション)を、奥村さんに考えてもらった。
プログレッションでは追い込まず、余力を残して2〜4回×2〜3セットで終えるのがコツ。以下の注意点を守りつつ、鉄棒が使える公園などで安全に十分配慮し、慎重かつ大胆にトライしよう。
- バーに飛びつかず、台に乗ってぶら下がる。
- 肘の曲げ伸ばしは両手均等に。片側ずつ行うと故障しやすい。
- 両脚はできるだけ伸ばしておく。
- バーに飛びつかず、台に乗ってぶら下がる。
プログレッションは以下の7種目。完成するまで精進を重ねたい。