忙しいので筋トレ回数を減らしても、筋肉量を維持する生活習慣のコツを教えてください。(20代男性)
読者から寄せられた質問に、『ターザン』が誇る一流トレーナーがズバリ回答! 筋トレ・ボディメイクの悩みには、日本体育大学体育学部准教授にして現役ボディビルダー、「バズーカ岡田」の異名でも知られる岡田隆先生が向き合います。
取材・文/黒田創 イラストレーション/unpis
岡田隆先生
教えてくれた人
おかだ・たかし 日本体育大学体育学部准教授。柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。「バズーカ岡田」の異名で筋トレなどを各メディアで解説。現役ボディビルダーで2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝。著書多数。
今回の質問
週3回程度コンスタントに筋トレしてきましたが、仕事と並行して資格試験の勉強を始めるため、しばらくの間は週1回、2時間程度しかトレーニングに時間を割けそうにありません。せっかく鍛えた筋肉ですが、頻度が減るとやはり筋肉量も減ってしまいますよね? 週1の筋トレと食事でなるべく筋肉量を減らさない方法を教えてください。(20代男性)
筋トレは週2回が効果を得やすい
なるほど、週に1回、2時間はトレーニング時間があるわけですね。ならば話は簡単です。その2時間を半分に分け、週2回、各1時間ずつトレーニングに充てましょう。
同じ2時間なら1時間ずつ分散させた方がいい理由は、週1回よりも週2回の方がトレーニング効果を得やすいからに他なりません。筋トレ後48~72時間休息をとることで筋力がよりアップする超回復理論(今はフィットネス−疲労理論が提唱されている)がそれで、週1回では少なすぎるし、今までの週3回ペースだと、ややトレーニング過多になってしまっていた可能性がある。
私たちビルダーはともかく、一般のトレーニーにとっては、実は週2回の筋トレが効率的という見方ができるんです。
1つの動きで複数の部位を刺激できる種目を選ぶ
1回1時間の筋トレ時間でいかに全身を鍛えるか。そのためには1つの動きで複数の部位を刺激できる種目を中心に選ぶことがポイントとなってきます。
例えば、ベンチプレスで胸と肩の三角筋前部、上腕三頭筋を鍛え、チンニングで広背筋と肩の僧帽筋と三角筋後部、ついでに上腕二頭筋も刺激してしまう。あとはスクワットで下半身を追い込む。
この3種目をベースに、あなたが特に追い込みたい部位に向けた種目をいくつか組み込んでいく。1時間あればこれだけのことができる訳です。
自宅でできるデスクチンニング
もちろんこれ以外の種目でもOKです。週2回のうち1日目が上の種目であれば、もう1日はダンベルプレスにベントオーバーローイング、デッドリフトをベースにする。一度のトレーニングの中で「押す系の動き」「引く系の動き」「下半身に効く動き」この3つを網羅すれば、全身みっちり鍛えられる。この法則を覚えておいてください。
ダンベルプレスのやり方
筋トレ日は炭水化物をやや多めに
週1回のトレーニングだと、その効果を最大限持続させつつ、体脂肪が乗りすぎないようにするべく、摂取カロリーを減らす日を設けるなど食事面も工夫が必要ですが、週2回のトレーニングであれば、毎日コンスタントに同じメニューを摂りやすい。
仕事や資格試験でも忙しいわけですから、毎日食事のことで頭を悩ませない方がいいと思います。高たんぱく&低脂肪、適量の炭水化物を基本に、筋トレする日と筋トレ直後は炭水化物をやや多めに摂るのがよいでしょう。