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最小努力で最大効果を得る! 「エキセン筋トレ」3つの心得

「CLUB Tarzan」イベントで坂詰真二トレーナーが限定3名に向けたパーソナル指導を実施。テーマとなった「エキセン筋トレ」を徹底解説!

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2019年10月から始まったメンバーシッププログラム「CLUB Tarzan」。そのメンバー向けに、本誌でお馴染みのトレーナー・坂詰真二さんによる限定3名だけのパーソナルトレーニングイベントを開催しました。

テーマは、近年注目されている「エキセン筋トレ」。イベント中に解説してくれた、今日から活用できる「エキセン筋トレ」の心得を紹介しよう!

高負荷でなくても効果絶大な「エキセン筋トレ」。

坂詰真二トレーナー。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。「スポーツ&サイエンス」代表。エキセン筋トレをまとめた野坂和則氏との共著「「筋トレ革命 エキセントリックトレーニングの教科書(仮)」が3月9日、新星出版社より発売予定。
坂詰真二トレーナー。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。「スポーツ&サイエンス」代表。エキセン筋トレをまとめた野坂和則氏との共著「筋トレ革命 エキセントリックトレーニングの教科書」(仮)が3月9日、新星出版社より発売予定。

筋トレ中、効かせたい筋肉(ターゲット)の収縮・伸長を意識して鍛えることはトレーニーにとっては常識中の常識。だが、重りを持ち上げる収縮(筋肉を縮める)の動作に集中して取り組む一方、スタートポジションに戻る時の伸長(筋肉を伸ばす)の動作はおざなりでやってしまう人は少なくない。

しかし、それは実はもったいない話。坂詰トレーナーの恩師、豪エディスコーワン大学の野坂和則教授の研究によって、重りを持ち上げるよりも重りを下ろしていく筋トレの方が筋力を上げる効果が高いことが証明されている。

そのロジックに基づいて考案されたエキセントリック筋トレ(エキセン筋トレ)は、おなじみの筋トレ種目をするときに収縮(コンセントリック)以上に伸張(エキセントリック)に重きを置いたトレーニングだ。今回のイベントでは、その具体的なトレーニング方法を坂詰トレーナーが詳しく指導してくれた。

心得1|収縮ではなく伸長を意識せよ

「例えばアームカールなら、肘を曲げる動作で上腕二頭筋が収縮していき、逆に肘を伸ばしていく動作で上腕二頭筋は伸張していきます。」(坂詰さん)
「例えばアームカールなら、肘を曲げる動作で上腕二頭筋が収縮していき、逆に肘を伸ばしていく動作で上腕二頭筋は伸張していきます。」(坂詰さん)

「収縮・伸張の両方を意識し、反復することで筋肉を発達させる。それが従来の筋トレですが、これだと収縮される動作で筋肉が疲労してしまい、本当に必要な伸張動作が十分にできないのです。

重りを挙げる収縮動作を反動や体重などを利用することで可能な限り省略し、重りを下ろす伸張動作をしっかり行うのがエキセン筋トレです」(坂詰さん)

得られる効果は高いのに、実施中の肉体的な疲労も心理的な疲労も少ないのもエキセン筋トレの魅力。

心得2|カウントにもメリハリを。

収縮動作をできるだけ省略し、いかにゼロ化するかがエキセントレで重要な要素だが、それを安全に実施するには少々テクニックが必要となる。そこで、通常行っている筋トレをエキセン筋トレに変更する一番簡単な方法を坂詰トレーナーが伝授してくれた。

それは収縮動作をサッと1秒以内に行い、伸張動作を2~5秒かけてゆっくり行うという方法。

例えば、腹筋トレのアブドミナルクランチ。このエクササイズでは、背中を丸めて上体を起こす動作で腹筋群は収縮し、体を床に下ろす動作で腹筋群は伸長する。前者は1秒以内に行い、後者を2~5秒かけてゆっくり行うのだ。

坂詰トレーナーがアブドミナルクランチの収縮動作をゼロ化するために教えてくれたテクニック。仰向けになって腕を頭上に伸ばし、その腕を前方に振る勢いを利用して1秒以内に上体を起こす。
坂詰トレーナーがアブドミナルクランチの収縮動作をゼロ化するために教えてくれたテクニック。仰向けになって腕を頭上に伸ばし、その腕を前方に振る勢いを利用して1秒以内に上体を起こす。
「引き上げた上体を下ろす伸張動作をカウントしながらゆっくり行う。このときに腕の位置は動かさずに、背中の下部、肩甲骨、肩、最後に頭部を少しずつ床に下ろしていきます!」(坂詰さん)
「引き上げた上体を下ろす伸張動作をカウントしながらゆっくり行う。このときに腕の位置は動かさずに、背中の下部、肩甲骨、肩、最後に頭部を少しずつ床に下ろしていきます!」(坂詰さん)

上げる収縮動作は1秒以内に素早く行い、その後、ゆっくりとカウントしながら伸張動作を行う。最初は下ろす動作は2秒から始め、慣れるにしたがって最長5秒まで伸ばしていく。したがって往復1レップ(回)の動作は計3秒~6秒になる。

心得3|呼吸と連動させるべし。

筋トレ中に呼吸を止めないのは、もはや常識。呼吸を止めると血圧が急激に上がって血管に負担がかかるからだ。通常の筋トレは収縮動作で息を吐き、伸張動作で息を吸うのがスタンダードな方法だが、エキセン筋トレでは異なるという。

例えばレッグエクステンションでは、スタートポジションから両足を前に蹴り出す動作は息を吸いながら勢いよく行い、両足を元の位置に戻す動作は息を吐きながらじっくり行う。
例えばレッグエクステンションでは、スタートポジションから両足を前に蹴り出す動作は息を吸いながら勢いよく行い、両足を元の位置に戻す動作は息を吐きながらじっくり行う。

「やってみれば分かりますが、ゆっくり時間をかけて息を吸うのは難しいのですが、ゆっくり息を吐くことは容易です。エキセン筋トレは重りを下ろす伸張動作をゆっくり行うので、ここで息を吸うと途中で呼吸が止まりやすいのです。そこで通常とは逆に伸張動作でゆっくり息を吐くようにするのです」(坂詰さん)

筋トレを長期間励行している人にとっては、最初は呼吸を逆に行うのは少々不自然に感じるかもしれないが、1~2週間もあれば少しずつ慣れてくるそう。

背中を鍛えるラットプルダウンでは、バーを引き下ろす動作で息を吸い、戻す動作で息を吐く。パーソナル指導が進むにしたがって、参加者も少しずつエキセン筋トレ流の呼吸法とカウント法に徐々に慣れてきた。
背中を鍛えるラットプルダウンでは、バーを引き下ろす動作で息を吸い、戻す動作で息を吐く。パーソナル指導が進むにしたがって、参加者も少しずつエキセン筋トレ流の呼吸法とカウント法に徐々に慣れてきた。

この日はエキセン筋トレに基づいて、片足スクワットや腕立て伏せなどの自体重トレ、レッグエクステンションやラットプルダウンなどのマシントレ、最後にバーベルを使ったスクワットを行なった。おなじみのメニューもしっかりエキセン筋トレで行えば、いつもと同じ重量や回数でも筋トレ効果は絶大だ。

クラブターザン坂詰真二さんによるパーソナルトレーニングイベント
「カラダを持ち上げることではなく、鍛えたい筋肉に負荷をかけながらゆっくりカラダを下ろすことを意識しましょう」(坂詰さん)

「非常に効果的なエキセン筋トレですが、一つだけ注意して頂きたいのは、筋肉を伸張させる動作がトレーニング後の筋肉痛を起こしやすい点です。

ただし、軽い負荷から始めて慣れるにしたがって少しずつ負荷を増やしていけば、筋肉痛を避けることができます。エキセン筋トレ導入初期は、感覚的には物足りないと感じる程度、具体的には最大に挙上できる負荷の50%程度で行ってください」(坂詰さん)

坂詰さんと参加者たち
イベントが終わって記念写真。和やかで熱心な指導に満足頂いた3名の読者と坂詰トレーナー。

実際に自宅やジムで“エキセン筋トレ”にチャレンジしたくなったら、坂詰さん監修の下記の記事も参考にしてほしい。

今回のイベント会場
イベント会場

東京健康科学専門学校

1984年に設立され、多くの運動指導者を輩出してきた「東京健康科学専門学校」内のトレーニングジムが今回の会場。健康を支える「栄養」「運動」「休養」の3本柱のうち、主に栄養指導について学ぶ「栄養士科」と主に運動指導について学ぶ「健康スポーツ学科」の2つの学科を設置。2年間で病院栄養士・スポーツ施設栄養士・パーソナルトレーナー・フィットネスインストラクターなどを目指すカリキュラムが組まれている。各線の大井町駅から徒歩4分。

住所:東京都品川区南品川6-10-5 

Tel:0120-371846

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取材・文/門上奈央 撮影/黒川ひろみ

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