全身の筋肉に、エキセントリック・ダンベルトレーニング6種目
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央、中島慶子(野坂先生) スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修・取材協力/野坂和則(オーストラリア・エディスコーワン大学教授)、トレーニング監修・指導/坂詰真二(スポーツ&サイエンス代表)
(初出『Tarzan』No.760・2019年3月7日発売)
チーティングを積極的に取り入れて。
反動や勢いをつけずに負荷をゆっくり持ち上げて、ゆっくり下ろすのが「ストリクト」。反動や重力などを利用して負荷を上げ下げするのが「チーティング」。
ガチトレーニーはセットの最後、あえてチーティングを行うことがある。これはストリクトではこれ以上無理!となったときの追い込み方法。
ダンベルを使ったエキセンでは最初から、このチーティングを積極的に取り入れて最大効果を狙う。「正しいチーティング」でコンセンの負荷を軽減し、「正しいストリクト」のエキセンで狙った筋肉を刺激するのだ。
下半身の力を使ったり、体幹の動きを利用するチーティングは、いつもならNG。エキセントレに限ってはそれが正解だ。
ターゲットごとに取り組みたい、エキセン6種目。
1. 僧帽筋に効く「ショルダーシュラッグ」
ダンベルを左右の手に持って立ち、まずはエキセン。上体をまっすぐ保って肩をすくめた状態から、3〜5秒かけてゆっくり下ろす。下ろし切ったら両膝を曲げていったん腰を沈め、膝を伸ばす勢いでラクにダンベルを引き上げながら肩をすくめる。
2. 三角筋に効く「ラテラルレイズ」
左右の手にダンベルを持って立ち、ダンベルを真横に引き上げる。ダンベルの位置は肩の高さよりやや下、肘を軽く曲げる。ここからゆっくりダンベルを下ろすエキセン。下ろし切ったら両膝を曲げて腰を落とし、膝を伸ばす勢いでラクにダンベルを引き上げる。
3. 広背筋に効く「ワンハンド・ロウイング」
左手でダンベルを持ち、右の手で椅子の座面を握る。右足を前、左足を後ろに引き、上体は床と平行。ダンベルを持った手をできるだけ床に近づける。体幹を捻る勢いで肘を引き、ダンベルを上げたら胸の横に改めてセット。ここからゆっくり下ろしてエキセン。逆側も。
4. 上腕二頭筋に効く「バイセップス・カール」
左右の手にダンベルを持ち、膝を軽く曲げて立つ。肘を曲げてダンベルを胸の前に掲げた姿勢からのエキセン。太腿の前までダンベルを下ろしたら、ダンベルを後ろに振り上げ、反動でラクに持ち上げて最初の姿勢に戻る。後方に注意。
5. 腹斜筋に効く「トランクツイスト」
床に仰向けになり両膝を立てる。両手でダンベルを縦方向に握り、肘を伸ばす。このポジションから体幹を捻り、斜め45度までゆっくりダンベルを倒していくエキセン。肘を曲げてダンベルを胸に引きつけ、体幹を正面に戻す。肘を伸ばし、今度は逆側のエキセン。
6. 前腕屈筋群に効く「リストカール」
椅子に座り、両手に逆手でダンベルを持つ。上体は前傾、肘を直角に曲げ前腕を太腿に乗せ、手首を起こした姿勢がスタートポジション。ここから手首をゆっくり反らせてエキセン。ダンベルを下ろし切ったら肘を一旦伸ばしてからすぐに曲げて持ち上げ、1の姿勢に。