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平日10分くらいでできるトレーニングを教えてください(20代男性)

読者から寄せられた質問に、『ターザン』が誇る一流トレーナーがズバリ回答! 筋トレ・ボディメイクの悩みには、日本体育大学体育学部准教授にして現役ボディビルダー、「バズーカ岡田」の異名でも知られる岡田隆先生が向き合います。

岡田隆先生

教えてくれた人

おかだ・たかし 日本体育大学体育学部准教授。柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。「バズーカ岡田」の異名で筋トレなどを各メディアで解説。現役ボディビルダーで2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝。著書多数。

今回の質問

一流トレーニーは1日のどの時間帯にトレーニングを入れ、食事をしているのか知りたいです。僕は朝が弱くてなかなか起きられず、帰宅時間は仕事が忙しいために遅くなる。帰ったら寝るだけの生活が続いていて、結果的に土日にトレーニングするしかありません。平日に10~15分だけでもやれることや、土日で効率的に鍛えられるメニューなどがありましたら教えてください。(20代男性)

一流トレーニーの多くは午前中の過ごし方を大事にしています

夜に脳もカラダも疲弊した状態で鍛えても、トレーニングの質はどうしても落ちてしまう。僕はスケジュールの都合で夜に鍛える機会が多いですが、たまに朝にやると、カラダを休めた後だけに筋肉の感覚が研ぎ澄まされて、夜よりもウエイトに立ち向かう気力も体力も、 集中力も満ちているのを感じます。

あと、脳がしっかり整理されているおかげでトレーニングが雑にならず、丁寧に行える。ただし起床してすぐは体内のエネルギーが空になっているので、必ず朝食をしっかり摂ってから行うのが絶対条件です。

タンパク質豊富な朝食は筋量・筋機能アップに有効
「タンパク質豊富な朝食は筋量・筋機能アップに有効」のグラフ

上段左のグラフは朝にタンパク質をしっかり摂っている朝型の人、右は夜にタンパク質を多く摂っている夜型の人を示している。両者の筋肉量と握力を比べたのが下のグラフ。朝型の人の方が筋量・筋機能ともに高いことがわかる(画像は「筋肥大したいなら、朝、タンパク質を摂りなさい」より)。 Protein intake in breakfast, lunch and dinner by FFQ(food frequency questionnaire)

朝が苦手なら平日は1日おきに夜15分だけ、自体重トレーニングを

しかし、あまり朝に鍛えると日中の仕事のパフォーマンスが低下するリスクがあるのも事実。朝が苦手なあなたが何とか筋肉量を増やしたいなら、平日は1日おきに夜15分だけ時間を作り、自体重トレーニングを2種目程度やりましょう。

まずは、プッシュアップバーを使っての腕立て伏せ。限界までを3セット程度。可動域が広がる分、通常の腕立て伏せより、大胸筋中部だけでなく下部にも強い刺激が入ります。プッシュアップは深さがとても重要なので、私はディーププッシュアップバーのトレーニングも監修しています。

プッシュアップのOKフォーム
プッシュアップのOKフォーム

床についた手の指を軽く外側に向ける。肘を閉じないようにしながら曲げ、胸を床すれすれまで下ろし、両手で床を押して戻る(画像は「【筋トレのNG】手の指先を内側に向けてプッシュアップをする」より)。

あとは両足を椅子に置いて大胸筋上部に効かせるプッシュアップ椅子に両手を置いて大胸筋下部に効かせるプッシュアップ(チェストディップス)をバリエーションとして適宜行えば、胸まわりと肩の前側、上腕三頭筋はバッチリです。

肩の側部や後部に関しては、2リットルのペットボトルを2〜3本、それぞれ丈夫なビニール袋に入れて、左右の手で持ってサイドレイズを行えばさらによくなります。これ、かなり効きます。これも限界までを3セット。

サイドレイズのやり方
サイドレイズのやり方

両手にダンベルなどを持ち、両足を腰幅に開いて立つ。肩の真下で肘を軽く曲げダンベルを平行に構える。股関節から上体を軽く前に倒し、膝を少し曲げる。肘を軽く曲げたまま、肘を肩の高さまで引き上げ、元に戻す。小指から肘を上げるイメージで行う(画像は「どこから見てもキレイな肩をつくる5種目 ジムでの徹底追い込みトレーニングより」)。

公園の鉄棒などが使えるのであれば、背中と肩の後部、上腕二頭筋をまんべんなく鍛えられる懸垂を。あとアブローラーを使ってお腹回りを追い込むのもおすすめです。これらも限界までを3セット。
鉄棒を使ったチンニングのやり方
鉄棒を使ったチンニングのやり方

高い鉄棒をワイドクリップで握り、両足を地面から浮かせる。

懸垂のやり方

肩を下げたまま肘を曲げ、鎖骨が鉄棒の高さに来るイメージでカラダを引き上げる。このとき腰を反らせるのがコツ。(『ジムも器具も要らない! 公園で「胸と背中のボリュームを底上げ」するトレーニング』より)

そして、休日はマシンなりフリーウエイトなりで時間をかけて鍛えること。土日が休みなら、月曜はプッシュアップとアブローラー、水曜はサイドレイズとアブローラー、金曜は懸垂とアブローラーでそれぞれ15分間鍛え、土日に他の部位を順番に鍛える。こんな感じでやれると理想的です。このパターンなら、ジムで腹筋を鍛えなくてもよいでしょう。

ただし、休日にいくら時間があると言っても、休憩をダラダラと挟みながらやるのは考えもの。意識的にインターバル短めでやることで、1時間程度でも全身を追い込むことは可能だと思います。

取材・文/黒田創 イラストレーション/unpis

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