「肩や腰がだるい…」その原因は“血流”かも。筋コンディショニングで血流を促せ!
筋コンディショニングとは、文字通り筋肉を整えるコンディショニングのこと。肩こりや腰痛など、日々の不調を改善するには筋コンディショニングで積極的に“血流を促すこと”が効果的だ。キツい運動は必要なし。筋コンディショニングの考え方を3つのコラムで確認しよう。
取材・文/石飛カノ 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/山内省吾 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/仲田健
(初出『Tarzan』No.757・2019年1月24日発売)
常に筋肉と対話をしているボディビルダーや、入念なストレッチをルーティンにしているトップアスリートなら話は分かる。でも一般人にも筋コンディショニングは必要ですか?
もちろん、必要に決まってます。厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、病気やケガなどによる自覚症状の男性第1位と女性第2位は「腰痛」、男性第2位と女性第1位は「肩こり」。もう長いこと、このワンツーフィニッシュが不動のポジションに君臨している。
腰痛も肩こりもほとんどの場合、病名はつかないかもしれない。でも、「ズーン」だったり「ドーン」だったりとダル重く、心身ともに不快な状態でいることは明らかに健康ではないということ。
腰痛も肩こりも、多くは筋肉の不調によるもの。ならば筋コンディショニングはほとんどのニッポン人にとって必要不可欠ということだ。筋肉を整えれば、さまざまな不調は改善する。不調が改善すれば、その先には新しい自分に出会えるチャンスが芽生える。そのためにも、まずは知っておきたい筋コンディショニングの3つのトピックスを紹介しよう。
1. 不調のない“ゼロ地点”を目指す
あなたはもう何十年も本気で走っていない。でも、子どもの運動会では徒競走に出場し、案の定転んであえなく捻挫。あるある話だが、これ当たり前。だって、短距離走ができるくらいの素地がある、ゼロ地点に達していなかったから。
いきなりヨガ教室に参加してケガをするのも同じこと。柔軟性はゼロベースどころかマイナス地点。筋肉や腱がピキッとなるのも当然だ。
目的や目標をどこに定めるのかによって、コンディショニングの内容は大きく変わる。まずは日常生活を送るうえでどこにも不調や不快がないゼロベース状態にもっていくことを目標に。そこに達したら、初めて徒競走やヨガに取り組む余地が生まれる。
筋コンディショニングとは、自分をゼロベースにもっていく作業と心得よ。
2. 筋コンディショニングのメリットを確認
さて、肩こり・腰痛などの不快な症状は、肩甲骨や腰まわりの筋肉がガチガチに固まることで引き起こされる。よって、それらの固まった筋肉をほぐして血流を促すことがゼロベースを目指す作業となる。では、筋肉内の血流が促されると何が起こるか?
血流がスムーズになるということは、老廃物が取り除かれ、必要な場所に酸素や栄養が供給されるということ。柔軟性が向上するのはもちろん、代謝がアップし太りにくくなる。免疫細胞も活性化するので、病気の予防に繫がるしケガの治りも速やかになる。脳に酸素が供給されて頭もクリア、仕事や勉強のパフォーマンスが上がる。
このように体調全般が向上すれば精神的にも明るくなる。風が吹けば桶屋が儲かる、いいことずくめの筋コンディショニング。
筋コンディショニングに取り組むメリット
- 体調がよくなる
- 柔軟性が増す
- 免疫力アップ
- 頭がクリアになる
- ケガの治りが早い
- 精神的に明るくなる
- 痩せやすい
3. 第一歩は柔軟性を上げるストレッチがベスト
食糧を獲得し、生き延びて子孫繁栄するためにヒトは長いことひたすら移動してきた。移動するにはどうしたって筋肉が必要だ。でも、家から一歩も出なくても食糧が手に入る現代、意識的に動かさなければ筋肉の出番はあまりない。よって、一定の年齢以降は衰える一方。
不活動、つまり運動強度が低ければ筋肉の柔軟性は損なわれる。それなりの強度の運動で血流が促され筋温が上がれば、筋肉の柔軟性は向上し、いい状態に。あまりに高強度な運動に励むと、今度は乳酸が発生して筋肉は硬くなる。
筋コンディショニングの第一歩は適度な運動を習慣化すること。それには柔軟性を上げるストレッチがベストだ。
筋コンディショニング実践編!: