ランニングを続けるために筋トレが必要な理由
週に何日も走ってカラダを動かすランナーに筋トレは不要? 答えはNO。レベルに関係なく、ランナーが筋トレを行う必要がある理由があるのです。ランを続けるためにやるべき筋トレも紹介。
取材・文/黒田 創 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/大谷亮治 取材協力/牧野 仁(Japanマラソンクラブ代表)
(初出『Tarzan』No.728・2017年10月12日発売)

少し前まで、週に何日も走ってカラダを動かすランナーには筋トレは不要、という風潮が一般的だった。しかし、時代は変わった。
「大迫傑選手は、世界のトップランナーが集うオレゴンプロジェクトで高重量のウェイトトレーニングを行っています。その主な目的は、長い距離を走ってもフォームを維持するためのカラダ作り。世界のエリートランナーの多くはすでに筋トレを取り入れていますよ」(牧野仁さん/Japanマラソンクラブ代表)
また、筋力が必要なのはエリートランナーに限った話ではない。
「脂肪をうまくエネルギー源として使えない初心者ランナーは多いですが、走る際に糖代謝と脂肪代謝のスイッチを切り替えるにはある程度の筋肉が必要です。それに、ランニングで行う有酸素運動は筋肉のタンパク質を分解し、細胞を損傷してしまう。つまりランニングは脂肪と一緒に筋肉も減らしてしまうのです」
自宅でのスクワットが効く
レベルに関係なく、ランナーが筋トレを行う必要がある理由がおわかりだろうか。でも、なかには「筋肥大したら筋肉が邪魔で走りづらいし、カラダが重くなるでしょ?」と言う人がいるかもしれない。
しかしそれはボディビルダー級に鍛えてからの話。ランをメインにしている限り筋肉隆々にはならないので安心を。ジムではラットプルやロウイングなどで体幹を保持する筋肉を鍛えよう。自宅ではスクワットをメインに。

下半身にパワーを伝える臀筋はスクワットでしっかり鍛えよう。足を肩幅よりやや広く開き、爪先は外側へ。臀筋をキュッと締めた状態で3秒で膝を約90度まで曲げ、3秒で元に戻す。これを毎日10回×3セット行う。