楽しく・ラクに積み重ねる。井上咲楽のランニングライフ。

公私ともに「ランニング」が生活の一部となっている井上咲楽さん。彼女のランの取り組み方には、ランナーへの走るヒントが満載!

取材・文/重信 綾 撮影/佐藤航嗣 ヘア&メイク/栗原里美

初出『Tarzan』No.912・2025年10月9日発売

Profile

井上咲楽(いのうえ・さくら)/1999年生まれ。『ランスマ倶楽部』(NHK BS)をはじめ、『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ)、『ひるおび』(TBS)などレギュラー番組多数。25年4月に行われた第28回長野マラソンで、フルマラソンの自己記録を更新した。

気負わずにいることが継続の秘訣。

フルマラソンでは3時間20分50秒という自己記録を持ち、ランニング番組のMCも務めている井上咲楽さん。さぞ走ることが好きなのかと思いきや、「子どもの頃からずっと走っているけれど、走ることが大好きというよりも、常に走る状況に置かれてきて、あれよあれよという間に今に至る……という感覚が強いです(笑)」という意外な答えが返ってきた。

井上咲良

「走ることを始めたのは小学生の時。足が速くてシャトルランで目立てたことが嬉しかったというのがきっかけです。その後、学生時代に陸上部の人たちに交ざって駅伝に出場したり、仕事を始めてから事務所のマラソン部に入って走るようになって。本格的に走るようになったのは、MCを務める『ランスマ倶楽部』で、記録を出すことを目指し始めてからです。普段は、家を起点にした決まったコースをポッドキャストや音楽を聴きながら走っています。ポイント練習をする時は信号のない公園で。大会前になると、400mをレースよりも速いスピードで走るインターバルトレーニングや、15kmをジョグするロングトレーニングなど、少し負荷が高めのものを組み合わせて取り入れています。仕事で地方に行った時は川沿いであったり、海を目指して走ってみたり。海外の場合はホテルのジムへ行ったり、近くの公園を“どんな人が走っているのかな?”と見ながら走ることもあります」

好きではないと言いながら走ることを長く続けている井上さん。秘訣やモチベーションとは?

「中学の時はバレー部でしたが、一向に上手くならなかったんです。その点、ランニングやマラソンは、フォームや技術ももちろん重要だけど、走るということが何よりも大事で、走り続けていればある程度までは速くなれる。それなら自分でも勝負できるかも?と。あと、何も思わず、気負わずにいるということが、気持ち的に息切れをせず走り続けるための一番の秘訣ではないでしょうか。歯磨きと同じで、カロリーが高いものに分類しないことが大事。家に帰ったら、無意識的に着替えて、“とりあえず5分だけ走ってみよう”とスタートします。途中で嫌になったら帰ってくればいいし、0よりは1kmでも走った方がマシ。走るというハードルを減らすことを第一に考えています。失敗体験が重なると辛くて嫌になっちゃうので」

走ることは自分が健やかでいるために必要。

一般的なランナーに比べて走る距離も少ないと言う。

井上咲良

「ランナーの方は月間何百kmも走る方も多いですが、私は120kmくらい。女性の場合はカラダの周期的なこともあるので、走行距離も大事だけど、無理をしすぎず、カラダのケアをしっかりしつつ走るという方が、結果的に効率がいいのかなと最近思うようになりました。日焼けをしたくないので、走るのは絶対に夜。正直、今年の夏の練習は暑くてキツかったですね。氷水をかぶりながらやっていました。ランナーたちの間では氷を握ったりと、手を冷やしながら走るのがはやっていたみたい。ただ、思い切り汗をかくことや、終わった後の冷たいシャワーの気持ち良さは忘れられません。新しい楽しみを見つけた感覚です」

今年、走ることの大切さがあらためて身に染みる、大きな出来事があったのだそう。

「6月にトレイルランニングの大会に出て山道を100km走ったのですが、あまりにも辛すぎて途中から気力がなくなり、終わってから20日くらい走らなかったんです。そんなの初めてで、すると一気に体調を崩しちゃって。食欲がなくて走っていないのに痩せる、疲れないから眠れない、肩こりが凄い、やる気が湧かない、無感情……という感じでした。これまであまり意識をしていなかったけど、走ることは自分が健やかでいるために必要なものなのだと気づきました。走っている時間で頭の中を整理したり、スケジュールを組み立てたりもできますしね。きっと、私は一生、走ることから逃れられないんだと思います(笑)」

走りをサポートする井上咲楽さんの愛用グッズ3選。

ストレッチチューブで走る時の土台作りを。

ストレッチチューブ

ストレッチチューブ

バンドタイプのストレッチチューブは、主に下半身の筋トレに活躍。太腿あたりにセットしてスクワットをすることでお尻の筋肉を鍛えられ、走る時のフォームが整い、足を踏み出しやすくなるなどのメリットが。地道なトレーニングがフルマラソンを走る時の土台作りになっています。

凝りや詰まりをほぐし軽快な走りを導く。

ファイテン加工をしたボール

ファイテン加工をしたボール

ファイテン加工をしたボールはお尻に当てて転がすと筋肉がほぐれ、楽に足を踏み出せる。腕の付け根や手のひらに使うと腕を振りやすくなり、足裏のアーチ作りにももってこいです。多面体の突起がしっかりと筋肉に当たるところや、移動中などいつでも気軽に使えるサイズがお気に入り。

疲れた筋肉の回復がスピードアップ!

CBDオイルを配合したスポーツバーム

CBDオイルを配合したスポーツバーム

CBDオイルを配合したスポーツバームは、走った後、脚や首まわり、腕など疲れが気になる場所に塗ると、筋肉の回復が早いんです。100kmマラソンを走った時に“脚が終わった……”と思ったけど、合間にこれを塗っていたおかげですぐに復活。手軽に塗れるバータイプが便利です。