眠っている深層筋は“外遊び”で鍛えなおそう!

あの頃、暗くなるまで夢中でやった、懐かしい外遊びの数々。それが、眠っていた深層筋を目覚めさせる近道だとしたら?さあ、遊びながらカラダの芯を鍛えよう。気をつけるべきは公共のルールを守りながら、安全に楽しむこと。童心に返って、いざ外へ!

取材・文/石井 良 イラストレーション/アレッサンドロ・ビオレッティ 監修/大屋隆章(リコンディショニング ラボ・ライフMICHIBIKI)

初出『Tarzan』No.911・2025年9月25日発売

持ち物不要な1人遊び。

水切り|肩のインナーが重要!しなやかなスナップが命。

水切り

ターゲット:ローテーターカフ・インナーユニット・手の内在筋

水辺に行ったら、やっぱりコレ。美しい波紋を量産する鍵は、肩のローテーターカフと安定した体幹にある。力まず、しなやかなスナップを利かせるのがコツだ。石を操る手の内在筋の繊細な感覚も研ぎ澄まされる。

ダッシュ|ただ走るだけじゃない、全身を連動させる全力疾走。

ダッシュ

ターゲット:腸腰筋・インナーユニット・外旋六筋

たまには理屈抜きで走ってみよう。風を切って走る爽快感は格別だ。速く走るには、ブレない体幹と腸腰筋による力強い足の引き上げが不可欠。全身がバネになったような感覚は、眠っていた筋肉が目覚めた証拠。

木登り|摑む、引く、支える。野性の動きで全身が目覚める。

木登り

ターゲット:腸腰筋・インナーユニット・ローテーターカフ・前鋸筋・外旋六筋・手足の内在筋

次はどこに手と足をかけるか、ルートを探して登るのが木登りの醍醐味。手足の内在筋でしっかり摑み、体幹と肩甲骨まわりの筋肉でカラダを引き上げる。全身でゴールを目指す時間は、野性に返るアドベンチャーだ。

遊具を使って集中力もアップ。

けん玉|上達するほど体幹が安定、膝と指先で技を決める。

けん玉

ターゲット:手の内在筋・腹横筋・腸腰筋

夢中になるうち、自然と体幹にスイッチが入る。膝の柔らかい屈伸が、腹横筋や腸腰筋を目覚めさせるのだ。“大皿”でピタッと玉を止める瞬間、手の内在筋が静かに活躍。技を磨くほどに、感覚が研ぎ澄まされていく。

なわとび|跳躍、リズム、操作性。全身の協調性を鍛える。

なわとび

ターゲット:腸腰筋・インナーユニット・外旋六筋

久しぶりに跳ぶと意外と難しい。リズミカルに跳び続けるには、ブレない体幹と、腸腰筋を使った軽やかな脚さばきが大切。縄を回す腕の動きと跳躍のタイミングを合わせることで、全身の協調性が磨かれる。

フープ|骨盤を立体的に回旋、背骨をしならせるのがポイント。

フープ

ターゲット:インナーユニット・腸腰筋・足の内在筋

子供の頃、うまく回せなかった人も再挑戦の価値あり。コツは腰を水平に振るのではなく、骨盤をなめらかに回し、背骨をしならせること。この動きが、腹横筋や骨盤底筋群など、体幹の奥深くをぐんぐん刺激する。

バランス遊具は練習あるのみ。

ホッピング|弾む衝撃に負けない、体幹と下肢の支持力が肝。

ホッピング

ターゲット:インナーユニット・外旋六筋

ピョンピョンと弾む、あの独特の浮遊感がたまらない。連続ジャンプの衝撃に負けず跳ね続けるには、体幹や股関節の外旋六筋、足裏の内在筋の支える力が必要。バランス感覚を養いながら、空飛ぶ気分を楽しもう。

竹馬|足元がグラグラだからこそ、股関節と体幹で立つ!

竹馬

ターゲット:腸腰筋・インナーユニット・外旋六筋

背が高くなった気分が味わえる竹馬。不安定な足元を支えるのは、股関節と体幹の絶妙なバランス感覚だ。腸腰筋で足を持ち上げ、インナーユニットで重心をコントロール。休む暇がないから、意外と鍛えられる。

一輪車|究極の不安定さが導く、体幹と骨盤底筋群の覚醒。

一輪車

ターゲット:腸腰筋・インナーユニット・外旋六筋

誰もが一度は憧れる一輪車。究極の不安定さが、体幹のインナーユニットや骨盤底筋群を自然と叩き起こす。ペダルを漕ぐ腸腰筋、バランスをとる外旋六筋。筋肉を総動員して乗りこなす、エキサイティングな挑戦だ。

公園の遊具で大胆に深層筋トレ。

ブランコ|体幹でコアを固めて、股関節で空へ漕ぎ出せ。

ブランコ

ターゲット:腸腰筋・インナーユニット

独特の浮遊感、ついムキになる心。高く漕ぐコツは、体幹のインナーユニットで軸を安定させ、腸腰筋でリズミカルに脚を振り出すこと。風を感じながら空を目指す、大人にとっても最高に気持ちのいい全身運動だ。

うんてい|腕力より体幹で振る。肩甲骨で進む空中散歩。

うんてい

ターゲット:ローテーターカフ・インナーユニット・前鋸筋

公園で見かけると、ついやりたくなってしまう「うんてい」。腕力だけで進むのは大変だ。体幹を使ってカラダを振り、その勢いで肩甲骨まわりの筋肉を使って進んでいくのがコツ。気分はまるでターザンだ。

懸垂|背中だけじゃない!体幹と肩甲骨の連動が大切。

懸垂

ターゲット:ローテーターカフ・前鋸筋・インナーユニット

鉄棒を見つけたら、童心に返ってぶら下がってみて。それだけでも、肩甲骨まわりの前鋸筋やローテーターカフ、インナーユニットが喜ぶはず。1回でもできれば大したもの。自分の体重と向き合うシンプルな遊びだ。

みんなでワイワイ、体幹遊び。

靴飛ばし|股関節をダイナミックに、あの頃の飛距離を超えろ!

靴飛ばし

ターゲット:腸腰筋・腹横筋・外旋六筋

子供の頃、夢中で飛距離を競った靴飛ばし。遠くへ飛ばすコツは、股関節のバネにある。軸脚をお尻の外旋六筋と体幹でぐらつかないよう支え、腸腰筋を使って思いっきり脚を振る。シンプルだからこそ奥が深い遊びだ。

だるまさんが転んだ|鬼が振り向くその瞬間に、ピタッ!と止まる体幹遊び。

だるまさんが転んだ

ターゲット:インナーユニット

鬼に近づくドキドキ感と、振り向く瞬間にピタッと固まる緊張感。「静と動」の繰り返しが、インナーユニットを楽しく刺激する。変なポーズで固まるのも醍醐味。自然と体幹の制御能力が身についていく。

フライングディスク|体幹の捻りが生む、ムチのような腕のしなり。

フライングディスク

ターゲット:ローテーターカフ・インナーユニット

青空に向けてディスクを投げれば、気分爽快。遠くへキレイに飛ばすには、腕に頼ってはダメ。体幹を意識してカラダの中心に軸を作り、腹斜筋でカラダを捻る。するとムチのように腕がしなり、勢いよく飛ぶのだ。