いつかお父さんになる人にぴったり。北米仕様のウォーミングなSUV。
韓国ドラマ『梨泰院クラス』の日本リメイク版、『六本木クラス』を観た人ならば、主人公・宮部新の父親・信二がハンドルを握った、見慣れぬクルマに視線が釘付けになっただろう。
ホワイト×ベージュのツートーンカラーに、いかにもベストファーザー感たっぷりなビッグボディ。「母さん、あれは一体何というクルマだね?」という質問がお茶の間で飛び交ってもいそうだが、実はあれ、90年代マツダを代表するSUV。
名をMPVという。1988年に北米向け専用車として開発された、街も山も海もどーんと来いなマルチ・パーパス・ビークル(MPV)なのだ。と大層なことは言いつつも、30年近く経った今では街中であまり見かけないのが実情。そんな不人気、いやレアな一台のハンドルを握るのが、〈SOUNDS GOOD®〉の主宰、安藤紘さんだ。
「完全に一目惚れでした。クルマとは無縁な生活をこのまま送るつもりが、クルマのウェブメディア『CAR CUTY GUIDE』のインスタでMPVをたまたま発見。思わず、可愛いなぁと溜め息が漏れるほど目が釘付けになってしまって……。しかも、よく見ると販売中と書いてある。スルーする? いやいやゲットしちゃう?という心の声を天秤にかけてみるも、見事に所有欲が勝ってしまった結果がこちらです」
運命の出逢いが今年の5月27日。都心の埠頭で待ち合わせて試乗したのが6月4日。そして、納車されたのが6月12日。1か月も経たないうちに、MPVオーナーになっていた。
「実は、今日(6月19日)はMPV乗車2回目なんです。全然慣れないかと思いきや、めっちゃ乗りやすいクルマですよね。何も遮るものがない大きなフロントガラスはノーストレスだし、独立型3列シートは後部座席にアクセスしやすい。しかも、この優しそうな見た目でV6エンジンの後輪駆動。さすが、合理性大国・アメリカ向けに作られただけありますね。グレーのモケットシートも、90年代の〈チャンピオン〉リバースウィーブみたいに親近感も湧くし、座り心地も抜群ですよ」
ワインや観葉植物好きな安藤さんだから、週末は由比ガ浜の老舗酒屋〈鈴木屋酒店〉や川崎の〈SOLSO FARM〉へドライブを計画中。
「クルマを持つと行動範囲はやっぱり広がりますね。来年は真鶴に引っ越す予定があるので、MPVがさらに活躍してくれそうです」
いずれ子供ができて、家族の思い出が刻まれるようになったときに、MPVの“いいお父さん”っぷりは、今よりずっと頼もしく感じられるはず。安藤さん、いい買い物をしたね。
MAZDA MPV
- 全長4,660×全幅1,825×全高1,815mm
- エンジン=2,954cc、水冷V型6気筒SOHC18バルブ
- トランスミッション=4速AT
- 燃費=7.4km/ℓ(10モード/10.15モード)
Owner
(〈SOUNDS GOOD®〉主宰)
1989年、東京都生まれ。企業の個性や象徴とも呼べる事業を“音の資産”として残し継承する、ブランデッドオーディオストレージ〈SOU
NDS GOOD®〉を運営。


























