実践者に訊く!デジタルデトックスで得た「快適さ」。

情報過多な日常から抜け出して、心と体をリセット。タレント・ふかわりょうと『Veggy』編集長・吉良さおりが実践する、デジタルデトックスライフの意外な快適さと、そのコツとは?

取材・文/山梨幸輝 イラストレーション/モリスン

初出『Tarzan』No.905・2025年6月19日発売

ふかわりょう・吉良さおりのデジタルデトックス

タレント・ふかわりょう|スマホから離れる時間で“生きる実感”を得る。

社会生活に欠かせないからこそ、休日くらいはスマホから離れてもいいかも。そう思わせてくれるエッセイが、タレント・ふかわりょうさんの『スマホを置いて旅したら』。執筆のきっかけを聞いた。

「スマホからは膨大な量の言葉やビジュアルが流れ込んできますよね。いつもはそれが便利に感じるけど、長時間向き合うと疲れてしまう時もある。一度距離を置いてみたくなったんです」

旅の目的地は岐阜県美濃地方。電車移動は全て切符で、行き先も事前に作った“しおり”と現地の人との交流頼み。アナログだからこそ気づけることも多い。

「知らないおじさんと意気投合してスナックに行ったり、水琴窟で聞いた音色に感動したり、いろいろな経験ができました。効率化や利便性のために削ぎ落とされた面倒臭さにも魅力はある。それこそが“生きる実感”と言える気がします」

素朴な発見を笑いにする芸風は五感を大事にする日々の賜物かもしれない。

「スマホを置いて近所の公園を散歩すると、カルガモの親子や植物の生命力に気づけるようになるんです。それは“感受性”のような大それたものではなく、もっと些細。でも、僕はそういうことを大事にしていきたいんです」

ふかわりょう/タレント。1974年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学在学中、20歳で芸人デビュー。長髪に白いへアターバンを装着し素朴な発見やあるあるを呟く「小心者克服講座」で話題に。DJ・ROCKETMANとしても活躍し、楽曲提供やアルバムを多数発表。

『Veggy』編集長・吉良さおり|スマホは必要最小限でいい。 模範的デジタルデトックス。 

ホーム画面のアプリは数個のみ。起床は日の出より早い日もあり、置き時計を目覚ましに。スマホは当然、別室。模範的なデジタルデトックスの実践者がヘルスコンシャスライフ雑誌『Veggy』編集長の吉良さおりさん。

「20代でヨガに熱中したこともあり、もともと“アナログ派”。SNSが普及したのは30代の時なので、スマホは初めから“仕事で使うもの”でした。よりデジタルデトックスを徹底し始めたのは、昨年50歳になったとき。“人生の残り時間を無駄にしたくない”と思ったんです。スマホから降ってくるたくさんの刺激のほとんどは、本質的には必要ない。欲しい情報だけ能動的に取ればいいんです」

2児の母でもある吉良さん。子供のテスト前にはアプリを消すなど、親子でデジタルデトックスを実践中だ。

「SNSは他者と自分を比べて、自己嫌悪に陥るきっかけになります。特に自分が確立していない子供が触れるのは危ない。とはいえ、最近は面白くて勉強になるYouTuberやTikTokerも多いんです。そういう人に触れているから、今の若い子は学習のスピードも速い。だから、スマホは使い方次第。子供たちには“受け身ではなく[発信側]になるつもりでSNSを見よう”と伝えていますね」

吉良さおり(きら・さおり)/『Veggy』編集長。1974年生まれ。2008年に出版社を立ち上げ、プラントベースのライフスタイルを提案する雑誌『Veggy』を創刊。マクロビオティックやアーユルヴェーダ、薬膳などへの知見をもとに、ラジオ番組や講演会などにも出演する。