スペインではサッカーより競技人口が多い!? 注目のニュースポーツ・パデルの専門コートがニセコに誕生!

世界中でプレイヤー人口が増え続けるパデル。日本国内ではまだまだ少ないその専用コートが北海道の《ニセコHANAZONOリゾート》にオープン。日本代表の主将も駆けつけたレセプション会場で、競技の魅力を教えてもらいました。

写真・文/編集部

パデルというスポーツを知っているだろうか。一見テニスにも似たその競技は、メキシコで生まれて以来、スペイン語圏の国々や中東各国で急激に人気を博し、2032年のブリスベンオリンピックでは正式種目に採用されるのではとも囁かれる。そんな新しい競技の専門コートが、北海道の《ニセコHANAZONOリゾート》にオープンすると聞き、取材に向かった。

オープニングレセプションには、このプロジェクトを主導した香港発のパデル普及団体〈PADEL+〉の関係者や地元倶知安町長が参加。さらに、日本代表の主将を務める畠山成冴選手を招いたエキシビションマッチや体験会が行われた。

関係者による記念写真の様子。ニセコという土地柄もあり、世界各国からゲストが集まった。

体験会に参加するこどもたち。筆者も体験してみたが、打ち込まれたボールをコートのガラス面に反射させた後に打ち返す、という他のラケットスポーツにはない動きが新鮮だった。

エキシビションマッチに参加した日本代表の畠山成冴選手。大学まではテニスプレイヤーとして活躍し、現在は都内の広告代理店に勤務しながら、2032年のオリンピック出場を見据え、パデルの普及活動にも取り組む。

お披露目となったコート。手前と奥に2面用意されており、ラケットやボールはレンタル可能なので、手ぶらですぐに楽しめる。6,600円/1時間(1コート)。要予約。

プロユースのコートに足を踏み入れると、気分が高揚する。見上げれば、羊蹄山をはじめとしたニセコの山々が視界に入る。

パデルのラケットはテニスラケットに比べて短く、小さな穴がいくつも空いている。ラケット自体の軽量化を図るためだ。

パデルのルールをなるべくシンプルに説明すると、以下のようになる。

コートの大きさはテニスコートの約半分で、前後左右の四方がガラス製の壁に囲まれている。試合の風景は概ねテニスと同じく、サーブとラリーの応酬。ただし、特殊なのは囲まれたガラス壁面にボールをぶつけ、その反射を利用して相手コートにボールを打ち込むことができる点。なお、試合はダブルスで行われる。

鋭いスマッシュを撃ち込まれた! と思っても、プレイヤーはガラスからの反射を計算してボールを打ち返すことができる。ゆえに、初心者でも比較的ラリーが続きやすいのが見どころだ。ある種、大型ピンボールを見ているような楽しさもある。

ほかの多くのパデル選手と同じく、テニスからこの競技に転向した畠山成冴選手にこのスポーツの最大の魅力を聞いた。

「パデルはメキシコやアルゼンチンなどのスペイン語圏で流行していることもあり、お酒を飲みながらワイワイ楽しむソーシャルアクティビティの側面がある。実際、スペインではサッカープレイヤー以上に競技人口が多いほど。ラテンミュージックを流しながら、みんなで楽しめるのが人気を博している理由かもしれません」

畠山成冴選手にパデルプレイヤーとしてのライフスタイルや、競技の魅力を聞いたポッドキャストはこちらからどうぞ。

そのルール特性もあり、パデルをプレーするには、専門のコートが必要となるが、ここ日本ではまだまだ少ないのが実情。今回コートがオープンした《ニセコHANAZONOリゾート》には、施設内に世界的なラグジュアリーホテルである《パーク ハイアット ニセコ HANAZONO》があるほか、ラフティングやジップフライトといった30のアウトドアアクティビティを提供している。

ウィンタースポーツのイメージが強いニセコだが、夏は比較的ホテルの宿泊予約も取りやすいという。パデルコートの予約を済ませ、山に川にとアウトドアアクティビティをどっぷりと楽しむ。そんなウェルネストリップのプランを、この夏の選択肢に入れてみるのはどうだろうか。

尻別川にそって行われるラフティングツアー。要所で水が早い箇所もあるが、概ね穏やかな水面を、ゆっくりと漕いで行く。木々のグラデーションが目に鮮やかで、様々な植物が発する匂いが鼻腔を心地よく刺激する。大人6,500円・小人4,500円。要予約。

3コースから成る総滑走距離が2,591mという《HANAZONO ZIPFLIGHT》。中でも日本最長となる「マッハ3コース」も体験。スタート直前は恐怖で足がすくむも、体感時間が長いので次第に身体が順応し、景色が楽しめるようになっていった。3コース大人15,000円・小人12,000円。マッハ3コースのみ大人・小人 各9,800円。要予約。

《パーク ハイアット ニセコ HANAZONO》館内にはプールやジムも完備。夏の眩しい日差しに疲れたら、自然を借景に快適な室内で身体を動かすこともできる。

羊蹄山を望む客室。今回宿泊させてもらったのは温泉が併設されたタイプの部屋。

BBQスタイルでいただくディナーも格別。道内産の野菜、魚介、肉を堪能し、いくらを乗せた焼きおにぎりで締め。と思ったら、最後はマシュマロを焼いてクッキーに挟んだデザートが提供された。夏の思い出になるに違いない。

Information

ニセコHANAZONOリゾート
北海道虻田郡倶知安町字岩尾別328-36

 

パーク ハイアット ニセコ HANAZONO
北海道虻田郡倶知安町岩尾別328-47