10年後の肌が変わる!今すぐ始める“メンズ顔美容”の基本。
今や顔美容への意識が高まっている人は、男性にも多い。化粧品での手入れで確実に肌を変え、見た目を若返らせることは基本中の基本。やるかやらないかで、10年後の肌はさらに変わる。面倒と思わず、実践あるのみ。
取材・文/今井 恵 撮影/久々江 満 イラストレーション/大谷美保子
初出『Tarzan』No.902・2025年5月8日発売

教えてくれた人
藤村岳(ふじむら・がく)/男性美容研究家。メディアへの出演、メンズ美容のコンサルタント、コスメプロデューサー、All Aboutのメンズコスメガイドとしても活躍。著書『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)。
目次
肌のベタベタは“乾燥”のせい!勘違いを正し、整えよう。
夏になると、べたつきやすい肌に汗や皮脂が加わり、不快指数は上がるばかり。それなのにスキンケアして保湿が必要? と疑問視するのが本音だろう。
「肌の表面には角層、つまり外的要因から肌を守るバリア機能があり、皮脂が出ることで、本来は乾燥などから肌を守っています。でも近年の肌環境はあまりに過酷。さらに加齢でバリア機能が正常に働かなくなります。だから年齢を重ねた肌ほどスキンケアが欠かせないのです」(男性美容研究家・藤村岳さん)
さらに男性特有の勘違いもある。
「男の一番の勘違いは肌がベタベタしているから自分は乾燥していないだろうと思うことです。肌は乾燥を感じると、潤そうとして過剰に皮脂を分泌するのです」
下の表からも、男の肌は女性以上に水分が蒸散しやすい=つまり乾きやすく、老化の引き金になる“酸化”に弱いのが一目瞭然だ。
出典/資生堂
「夏は外気温と室内温度の激しい温度差も肌にダメージとなって表れます。クーラーで肌はとても乾燥しますし、寒暖差による自律神経の乱れも深刻で、肌のバリア機能が低下しやすくなるのです。こうなると肌が持つ自己回復機能だけではどうにもならず、やはり日々のスキンケアで肌が正常に働くよう補うことが大切なのです」
そこで提案するのは、始めやすい洗顔からまずは見直すこと。そして洗う→潤す→攻めるの順に肌を整えることだ。さらにアンチエイジングに欠かせないのは日焼け止め。そこまで押さえておけば、10年後の肌に差が出るはずだ。
洗う【洗顔】
基本の洗顔。日中、そして寝ている間に出た皮脂をきちんと落としておかないと、肌の上で酸化が起き、肌老化の大きな引き金になる。
潤す【保湿】
あらゆる老化を引き起こすのが乾燥。とくにシワやたるみを引き起こす原因。たっぷり水分補給した肌には、次に使う化粧品も浸透しやすくなる。
攻める【美容液】
べたつきが苦手な男の肌にも美容液は快適に使えるはず。シミ、シワ、たるみといった悩み別、また最近はアンチエイジング全般に対応する美容液も多い。
守る【日焼け止め】
肌の奥まで届く紫外線A波、肌を赤くする紫外線B波による光老化は、加齢による老化より深刻。日焼け止めは毎日の必須アイテム。
洗う|汚れは泡で絡め取り、肌は極力こすらない。
夏の肌は朝晩ともに皮脂や汚れが肌に溜まりやすい。
「洗顔はシャワーやぬるま湯洗いで済まさず洗顔料を使いましょう。皮脂は弱酸性なのでお湯では落ちづらく、健康な肌ならアルカリ性の石鹼成分で洗うのがベスト」
しかも汚れはこすり落とすのではなく、泡で絡め取るのがキホン。そのためにどんな洗顔料もしっかり泡立てて使うことがマストだ。
「洗顔で間違えがちなのが、さっぱり洗おうとこすりすぎてしまうこと。洗顔のキホンはたっぷりの泡で汚れや皮脂を絡め取ること。手のひらと肌の間に泡を挟んで、肌はこすらず洗う」
手のひらに洗顔料を出し、水を加えて空気を含ませ、泡立てる。
「それが難しいのなら、泡がダイレクトに出る洗顔料が手軽。また泡立てネットなら、誰でも簡単にふんわりした泡を作れます」
皮脂を抑える、さっぱり洗顔。
1.《メラノCC ディープクリア酵素洗顔》
気になる角栓の約70%はタンパク質。タンパク質分解酵素や汚れを吸着するクレイを配合し、さらにピュアビタミンCを配合して潤いを守りながら、つるんとした洗い上がりに。130g715円。WEBサイト
2.エリクシール《スムースジェルウォッシュ》
ジェルを肌になじませると、ざらつきの原因となる不要な角質を吸着。洗い流すだけでなめらかなツヤ肌に仕上がる洗顔料。濡れた手でも使えるので、シャワータイムにも使いやすい。105g1,980円。WEBサイト
3.THREE《バランシングステム ジェリー ウォッシュ MJ》
国産スペアミントの香りが爽快な泡立て不要のジェリー状洗顔料。指の腹で、10秒ほど肌の上でくるくる円を描きながらなじませ、洗い流すと肌がつっぱらずにさっぱり洗い上がる。100g4,510円(限定発売)。WEBサイト
ズボラも続く泡洗顔。
4.《デュオ ザ ブライトフォーム BK》
濃密な炭酸の泡×炭のダブル吸着力で、くすみの原因となる肥厚した古い角質を落とす。濃密な泡でマッサージしながら洗って血行促進、肌を泡で密閉するパックでスペシャルケアも。150g3,300円。WEBサイト
5.ファンケル《メン フェイスウォッシュ》
男の肌を研究した無添加スキンケアラインのクリーミーな泡洗顔料。テカリ、べたつき、カサつきの原因となる過剰な皮脂分泌を抑える成分や肌荒れの進行を抑える甘草成分誘導体配合。180mL1,540円。WEBサイト
6.ドクターケイ《ABC-Gピールウォッシュ》
もっちりした肌には角栓や角質を柔らかくするグリコール酸など、開発が美容皮膚科らしい視点から選ばれた成分。アミノ酸洗浄成分と各種ビタミンが配合された手軽な角質ケア泡洗顔料。200mL4,400円。WEBサイト
洗顔ネットなら簡単に理想の泡に!
空気を含みやすい洗顔ネットなら速攻で弾力のある泡が作れる。
潤す|角層を潤いで満たせば、トラブルが出にくい肌に。
洗顔と保湿はつねにセット。T字でも電動でも、男性はヒゲ剃りで角層を削ぎ落とすので、スキンケアしないと肌荒れのリスクが高まる。
そのうえ夏は皮脂が多くなるうえに汗もかき、肌の乾燥に気づきづらい。
「インナードライという言葉があり、実は肌の内側が乾燥しているという人も多いのです。エアコンで肌の水分蒸散量も増えるから、保湿は意識して行ってほしいもの。毛穴が気になる人も、肌の乾燥が原因という方が多いんです」
化粧水を手のひらに出して肌に塗った時の心地よさを知るべきだが、それさえも面倒という人には、シートマスクがおすすめ。
「シートマスクは意外と便利です。顔に貼り付けるだけで、化粧水や美容液の成分が、シートの密閉性も加わってかなり高浸透します。肌の保湿ができていれば、ふっくらして柔らかくなるので、効果がすぐに実感できるはずです」
ほかにスプレータイプやオールインワンなど時短アイテムもある。使いやすいものを選ぼう。
化粧水代わりにペタッと密閉効果で集中保湿。
7.《FAS ザ ブラック デイリー シートマスク》
黒米発酵液と高機能なポリフェノール成分をメインに、肌をこれでもかと潤わせながら肌ダメージを改善させるレスキューシートマスク。マスクは骨格を問わず、肌にぴたりとフィット。10枚6,600円。WEBサイト
8.BULK HOMME《THE FACE MASK》
女性より大きめの男の顔に合わせた設計のシートマスクには、約33mLの濃縮美容液がたっぷり浸透。疲れた肌を集中的にケアし、まるでエステに行ったかのように潤い、ツヤが出る。5枚入り4,840円。WEBサイト
濃いヒゲに使いやすい、部分シートマスク。
9.《SHISEIDO バイタルパーフェクション UL ファーミング エクスプレス アイマスク》
老けて見えやすい目元を、ピンと引き締めはつらつとした印象に導くアイマスク。目の下に貼りやすい形状となめらかな感触で、美容液を凝縮したようなうるうるした感触で心地よい。(医薬部外品)12包入り9,680円。WEBサイト
10.《バイユア ビタギビング トナーパッド》
化粧水を約1本分流し込み、丸いコットンにたっぷり含ませたトナーパッド。ヒゲを避けて、顔の中の気になる部位に貼って使えるから便利。10種類のヒアルロン酸配合で潤いを補給。70枚2,800円。WEBサイト
貼るだけで肌に浸透する、アンチエイジング成分。
11.《メラノCC 集中対策マスク》
ピュアビタミンCとビタミンC誘導体のWのビタミンを中心に有効成分をたっぷり含ませたマスク。密着力と保湿力で美容成分が肌の奥まで浸透。たっぷり大容量でコスパも最高。28枚入り990円。WEBサイト
12.《サボリーノ お疲れさマスク アンドブラック》
夜のお手入れを一枚で完成させるシートマスク。メンズ対応で横長タイプのマスクが、60秒で潤いを補給し、肌と皮脂のバランスを整えながら、翌朝までしっとり乾き知らずの肌に。32枚入り1,540円。WEBサイト
炭酸ミストやオールインワンも。
左/肌悩みに合わせて化粧水を付け替えて使う、炭酸ミスト化粧水。混合肌向けの化粧水《スキンセンサー》をセット。MEGLY《Starter Kit》(写真はスキンセンサー)30,000円。WEBサイト
右/洗顔後の肌をこれ一本で整えられる。ファンケル《メン オールインワン ウォーター》100mL2,750円。WEBサイト
攻める|悩みを見極めて選ぶか、肌を底上げするものを。
アンチエイジングを極めるのなら、保湿の後に美容液を使うべき。
「攻めのアンチエイジングを考えるのなら美容液も使ってほしい。鏡で自分の老けの要素がシミなのか、シワなのか、たるみなのかを探す。そこに効く美容液を塗ることで、かなり積極的なアンチエイジングが可能になります。
美容液は肌悩みに特化したものを使うべきですが、男性の場合は何を選べばいいかわからない方も。そういう場合は店舗で悩みを伝え、選んでもらうのも手です」
最近は肌全体を底上げする、マルチタスクの美容液も多い。
「悩みがわからない人は、肌を元気につややかにするビタミンC、シワ、シミの両方に効果を発揮するナイアシンアミド配合のものを選んでおけば肌は安心です」
肌荒れ、ニキビが気になる。
13.リンクオリジナルメーカーズ《フェイスセラムV バランス》
24年誕生したスキンケアラインのスタイリッシュなパッケージの美容液は、季節の変わり目や荒れやすい肌を落ち着かせるアラントインなどを配合し、肌の油分と水分も整える。30mL5,500円。WEBサイト
14.イプサ《ピンプルクリア》
トラネキサム酸やキシリトール配合で、繰り返すニキビの原因にアプローチ。ニキビ部位や周りに使える軽い感触のジェルクリームは、使い続けるうちにニキビのできにくい肌状態に導く。(医薬部外品)25g3,850円。WEBサイト
シミが気になる人に。
15.オバジ《C25セラム ネオ》
シミだけでなく、毛穴やシワなどあらゆる悩みに効果を発揮するピュアビタミンCの効果を、最大限に高めた処方の美容液。肌悩みに合わせて4段階の濃度があり、これは最高濃度。12mL11,000円。WEBサイト
16.《HAKU メラノフォーカスⅣ》
シミの根本原因を徹底的に研究した最先端技術を搭載。3種の薬用有効成分が頑固なシミにアプローチする薬用美白美容液は、軽い感触で肌にのびて使いやすい。肌荒れを予防する効果も。(医薬部外品)45g11,000円。WEBサイト
疲れ肌が気になる人。
17.アスレティア《スムース ジェリーセラム》
植物由来の保湿成分を含んだ、夏の肌にも心地よいジェリー状のセラム。肌を包み込むようにフィットしたあと、ゆっくり浸透して張りやキメの整ったしなやかな肌へと導く。30mL7,700円。WEBサイト
18.SHISEIDO《アルティミューン™ パワライジング セラム》
うるおい新成分・発酵カメリアエキスの新知見を搭載したエイジングケア美容液。コクがありながら軽い感触でのび、張りのあるみずみずしく輝きに満ちた、もっちりした肌に整える。30mL9,900円。WEBサイト
話題の成分名を知れば美容液も選びやすい。
【ヒアルロン酸】
真皮に多く存在し、水分を抱え込む働きを持つので、乾燥を防ぎ、肌を潤わせ張りを与える。
【ナイアシンアミド】
おもな働きは肌荒れ予防、美白作用、シワ予防で、近年多くの化粧品に配合されている注目の成分。
【CICA】
韓国美容で大流行したCICAは、ツボクサエキスなど植物由来の成分。肌荒れ防止、抗炎症効果があるといわれている。
痛みのない針状ヒアルロン酸が気になる部分に直接成分を注入。クリニラボ マイクロニードルパッチ。左/肌荒れ部分をなめらかに導く《ディープ-Ci》、右/乾燥小ジワを目立たなくする《ディープ-Hy》、各6枚入り各2,970円。WEBサイト
守る|日焼け止めの日常使いで、肌は鉄壁の守りとなる。
最後にアンチエイジングの鉄壁の守りとなるのが日焼け止めの存在。
「毎日、日焼け止めさえ塗っておけば、アンチエイジングケアはほぼ完璧といえると思います。無人島に何かひとつだけ化粧品を持っていけるとしたら、僕が選ぶのは日焼け止めです」
そこまで言わせる理由は、紫外線こそが老化の一番の原因だから。
「老化の約90%が光老化といわれているし、紫外線は肌の自浄作用ではどうにもできないもの。だからこそ、アンチエイジングの総仕上げは日焼け止めにあるのです」
日焼け止めを購入する際は、テスターを必ず試すべきと藤村さん。
「塗ってすぐに判断せず、べたつきがなじんで消えるか、肌の色から浮かないか、時間を置いて見極める。さらに何度も塗り重ねることができる感触や形状かも重要」
スティックやスプレーなら手が汚れず、塗り直しが楽。頭皮の日焼けも抜け毛の原因といわれるだけに、スプレーで防止をしたい。
スプレータイプで頭皮にも忘れず!
19.《ビオレUV アスリズム プロテクトミスト SPF50+・PA++++》
外出先での塗り直しやスポーツシーンに使いやすい、逆さにしてもスプレーできるノンガスミスト。屋外シーンを想定したスーパーウォータープルーフで高温多湿環境でも安心して使える。70mL2,200円(編集部調べ)。WEBサイト
20.アスレティア《スキンプロテクション UVボディミスト SPF30/PA++++》
冷感を残す爽やかなミストが瞬時にオイルジェル化してしっかり密着。塗り残しが気になる時も手を汚さず、気軽にスプレーできる。汗や水に強い処方で、髪や頭皮にも使える。100mL4,400円。WEBサイト
21.《グロウイング サン オイル ハイ プロテクション SPF30/PA++++》
べたつかず、さらりとなじんでサテンのような仕上がりのボディ・ヘア用日焼け止めオイル。水や汗に強いウォーターレジスタントタイプなので、アウトドアやレジャーシーンにもお勧め。150mL4,510円。WEBサイト
手を汚さずに塗れる便利なスティック。
22.《SHISEIDO メン クリアスティック UVプロテクター SPF50+・PA+
+++》
男性の肌悩みや弱点を解明したシリーズの透明スティックタイプの日焼け止め。汗や水、熱によって防御膜が強くなる機能を搭載しているので、トレーニングやスポーツシーンにお勧め。4,180円。WEBサイト
23.《スキンPFCT UV スティック SPF50+・PA++++》
ピンクと白のマーブル状のスティックが肌にほんのり血色感と明るさを加えつつ、肌を紫外線など外的刺激から守る。スキンケア成分を配合し、ヘルシーなツヤ肌に仕上げる効果も。11g7,370円。WEBサイト
24.《ディズム マルチスキンケアUVスティック SPF50+・PA++++》
紫外線とともにたるみの原因になりやすい近赤外線も防ぎ、美容成分が日中の肌をケアする日焼け止め。皮脂吸着パウダーを配合し、塗り直すたびに肌がさらさらになって心地よい。15g2,310円。WEBサイト