松尾諭(俳優)「総合格闘技は日進月歩。だから目が離せない」

芸能界きっての総合格闘技好きな俳優・松尾諭。出合いは役者を目指し上京した20代の頃だったと振り返る。20年以上も魅了され続けている理由とは?

取材・文/間宮寧子 撮影/今津聡子 

初出『Tarzan』No.899・2025年3月19日発売

俳優 松尾諭

総合格闘技は日進月歩だから飽きないし、目が離せない。

俳優・松尾諭さんは芸能界きっての総合格闘技好き。出合いは役者を目指し上京した20代の頃だった。

「のめり込むきっかけは、リングスで活躍した軍隊出身の格闘家、ヴォルク・ハン。異次元の技を次々と決めるのを見て“なんやこれ! ”と衝撃を受け、あれよという間に総合格闘技にハマってしまいました」

俳優として多忙になってからも熱は冷めず、UFCの中継番組にゲスト出演したことも。20年以上魅了され続けている理由はどこにあるのか。

「僕が思う一番の魅力は、進化の速さ。どんなスポーツも進化しているけれど、素人目にはわかりにくい。MMAは少し前まで主流だった技が、あっという間に通用しなくなることがザラにあります。技がふるいにかけられ、スピーディに洗練されていく。加えて、技の組み立て方も多彩で飽きないんです。選手の体型もスマートになってきていますよね。UFCで活躍したロイ・ネルソンを筆頭に、ぷにぷにした選手も、親近感があって好きだったんだけどなあ」

役者はカラダが資本という意識から、格闘技ジム通いの経験も。

「MMAのジムはいまや完全なる幽霊部員。24年柔術を始め、さらに元UFC王者、コナー・マクレガーのしなやかな動きに憧れて“アニマルフロー”というエクササイズを習ったりも。いろいろ嗜んでいますが、やはり格闘技は見る方が好きかもしれません(笑)」

松尾諭(まつお・さとる)/1975年生まれ。2000年映画『忘れられぬ人々』でデビュー、映画、ドラマで活躍。著書『拾われた男』(文藝春秋)のドラマ化も話題に。最近の出演作に映画『十一人の賊軍』『敵』など。サントリー《クラフトボス》CMにも出演。