鈴木拓(芸人)「理不尽な人がいても“俺のほうが強えし”と流せる」
小学生の時は柔道で県大会優勝。大人になってからはブラジリアン柔術と総合格闘技を長く続けているという、芸人の鈴木拓さん。彼が「芸能界最強」と言われる理由は、格闘モード時の思考回路にあった!
取材・文/間宮寧子 撮影/田邊 剛 ヘア&メイク/村田真弓
初出『Tarzan』No.899・2025年3月19日発売

格闘技をやっている時だけ、頭が高速回転するんです。
芸能界最強説がまことしやかに流れる芸人・鈴木拓さん。小学生の時に柔道で県大会優勝を果たし、大人になってからはブラジリアン柔術と総合格闘技を長く続けてきたという。
「18歳の頃、テレビで70kgくらいの青年が倍近い体格の相手を、絞め技と関節技で倒しているのを見て度肝を抜かれて。それがUFC第1回大会、ホイス・グレイシーの試合ですね。俺も柔術をやるぞと思い、町工場で働くブラジル人のおじさんに習い始めたのが32年前。そのおじさんはホイラー・グレイシーの弟子で、教えてくれる技術は素晴らしかったけど、突然どこかに行ってしまいました(笑)。僕が芸能界最強なんてことはなくて。ただ、日本で柔術をいち早くやっていたのは本当です」
とはいえ強さの自覚がないわけではなさそうだ。芸人になってから格闘家・菊田早苗さんに出会い、彼が率いる〈グラバカ〉に入門。スパーリングでは考えるより先にカラダが動き、何手も先の展開が読めたとか。
「何をやってもダメだった自分が、格闘技をやっている時だけ頭の回転が速くなる。パズルがどんどんハマり“ここを決めれば終わりだな”と瞬時に見える感じ。数年前に血管にプラークができてしまい、今はジムには通っていません。でも格闘技経験があるおかげで、理不尽な人がいても“俺のほうが強えし”と流せるのがいいですね。その考えが面白くねえ、って言われますけど(笑)」
鈴木拓(すずき・たく)/1975年生まれ。塚地武雅さんとのコンビ〈ドランクドラゴン〉で活躍するほか、ゲームや釣りなど趣味を活かした活動も。『アッパレやってまーす! 』(MBSラジオ)、『鈴木拓とマルコスの釣りわっしょい! 』(BS10)などに出演。