父親は空手師範。モデル・青野楓の得意技は「回し蹴り」。

小学校1年生から道場通い。過酷だったのは黒帯昇段試験。ただ、有段者として極めた空手道で精神力を鍛えられたという。モデル・青野楓が語る、空手を習うことの魅力とは。

取材・文/宮田恵一郎 撮影/田邊 剛 ヘア&メイク/福島利紗

初出『Tarzan』No.899・2025年3月19日発売

青野楓 モデル

ゴルフや野球の基礎トレにも、回し蹴りは活かせる。

モデルの青野楓さんは、父が空手の師範というサラブレッド。物心がつき始めた小学1年生の時には、すでに道場に通っていたそう。

「小学生の“あるある”だと思うんですが、男子と些細なことで喧嘩をした時に、絶対に負けたくなくって。それで父が教えていたフルコンタクトの空手を習うようになりました」

高長身を活かし、特に磨いたのは足技。自分よりも背の高い相手の顔を打つ上段回し蹴りが得意技だ。

「膝を高く上げ足先を遠くに飛ばす意識で力を抜いて蹴るのが、キレが増すコツです。回し蹴り全般の動きは、カラダの軸を安定させ、体幹を鍛えられるので、今も基礎トレとして取り入れています。これを数え切れないほど打ち込んできたおかげで、趣味の野球やゴルフをやっても筋がいいとよく言われるんですよ。腰の回転やミートポイントを定める動きは、ほんとに共通する点が多い」

有段者として空手道を極めると、さらに精神力も鍛えられるという。

「小学6年生で経験した黒帯昇段試験がとにかく過酷で。休みなしで10人を相手する“10人組手”は、今振り返っても人生イチ大変な瞬間でした。初のフルマラソンに参加した時も、10人組手に比べれば何てことないという気持ちを抱けたから、根性で完走できました。そうやって何事にも心のゆとりが持てるから、怯まずに新たな挑戦を続けられる。これも空手の賜物だと思います」

青野楓(あおの・かえで)/1992年、兵庫県生まれ。本格的なアクション俳優として映画やドラマでも活躍。小学1年生から空手を始め、12歳で黒帯取得。その経験を活かし、キックボクシングに特化した女性専用出張パーソナルジム〈kaedegym〉も運営する。