噺家・瀧川鯉斗、特技は「三角絞め」。ブラジリアン柔術との出合いを語る。

落語家の瀧川鯉斗さんは2024年、カラダを変えるためにブラジリアン柔術を始めた。努力の甲斐あって体重は約12kg減。結果を出しても今なおトレーニングに励む。底知れぬモチベーションと「上達への近道」を聞いた。

取材・文/宮田恵一郎 撮影/田邊 剛

初出『Tarzan』No.899・2025年3月19日発売

瀧川鯉斗 落語家

自分と似た体型の師範を見つけることが、上達への近道。

「呑むのも芸のうち」という文化が今も根強く残る噺家の世界に、瀧川鯉斗さんが身を置くようになって21年。日々の運動不足と不摂生で弛んだカラダと生活を変えるべく、2024年に始めたのがブラジリアン柔術だった。

「友人の誘いがきっかけで体験レッスンを受けたのですが、その日から見事にハマって。始めて1年ばかしで、柔術なしの生活は考えられないと思うくらいのめり込みました。今ではあまりに好きすぎて、毎朝ジムに行くために、前日は酒を抜いて、0時までに就寝しないと気持ちが落ち着かなくて。この変化がなければ、夜明けまで酒に溺れる生活を今も続けていたと思います」

週5回のジム通いを重ね、体重は約12kg減。今はさらなる強さを求めてトレーニングに励んでいる。

「もともとカラダを動かすことは好きで、強い男への憧れがあったので、柔術は性に合っていたのだと思います。いくら疲労困憊でも苦に感じることはありません。対人練習で相手にやられても学ぶことはたくさんあって、強くなる糧となる。こんな感覚を大人になって味わえるなんて思いもしませんでした」

体重や背丈、さらに手足のリーチによっても適材の技が異なる柔術では、誰に教わるかも重要なのだそう。

「上達への近道は、自分と同じ体型の人の技を習得すること! 」

身長182cmで手足の長い体型を活かし、今は足技を磨いている。

瀧川鯉斗(たきがわ・こいと)/1984年、愛知県生まれ。役者を目指し、上京。瀧川鯉昇の落語に感動し、2005年入門。19年、真打に昇進。噺家としての実力に加え、端正なルックスと、元暴走族総長という異色の経歴で話題を集めている。得意技は三角絞め。