その靴、本当にランニング向け?初心者が失敗しないシューズ選び。

ランニングを今日からでも始めたい気持ちは分かる。だが、足元を見てほしい。その靴は本当にランニング向きだろうか?不必要な怪我を防ぐためにも、専用シューズを履くことはマスト。数多あるメーカーやブランドの中から、自分に合う一足を選ぶためのコツを伝授しよう。

取材・文/神津文人 撮影/森川英里 スタイリスト/佐藤奈津美

初出『Tarzan』No.897・2025年2月20日発売

ビギナーのためのランニングシューズ

シューズ選びのTIPS。

1.その靴、本当にランニングシューズ?

まず、スポーティなシューズ=ランニングシューズではない。アパレルショップで売られているスニーカーの中には、ランニングシューズベースのものもあるが、機能面がタウンユース用にアレンジされている場合が多い。スポーツショップの、ランニングコーナーに並んでいるものこそが選ぶべきシューズ。「不必要なケガを避けるためにも専用シューズを選んでください」と、ランニングトレーナーの牧野仁さん。

2.試着する時は靴下も持っていこう。

「ソックスの厚さによってフィット感が変わってしまうので、試着の際は実際に走るときに使うソックスを履いておきましょう」。ショップによっては、試着用のソックスが用意されていることもあるが、自分がそのソックスで走るわけではないので注意。ランニング用のソックスを持っていないという人は、ショップのスタッフに相談しながら、シューズと一緒にソックスを購入するのもおすすめだ。

3.レベルに合ったシューズを選ぶ。

正月の箱根駅伝を観ていると、学生たちの履いているシューズがカッコよく見え、同じものを履いてみたいと思うもの。しかし、トップ選手たちがレースで履くシューズと、初心者用のシューズとでは、設計が大きく異なる。「トップアスリート用のシューズは推進力や軽さを重視している反面、初心者用のシューズには欠かせない安定性やサポート力はあまり高くありません。レベルに合ったものを選びましょう」。

改良を重ねたロングセラーモデルは安心。

世界中のランナーたちが履き続け、アップデートを繰り返しているロングセラーモデル。改良を重ねてきた分、その完成度も高い。迷ったらロングセラーを選んでおけば間違いない。

《Mizuno WAVE RIDER 28》クッション感がアップしてより心地いいライド感に。

《Mizuno WAVE RIDER 28》

MIZUNO ENERZY NXT(ミズノ エナジー ネクスト)をミッドソールのボトムに新採用することで、前作から衝撃吸収性が約20%、反発性が約15%向上。安定性の高さに定評のある《ウエーブライダー》だが、シリーズ最高レベルのソフトな接地感と弾むような心地いいライド感を実現した。WEBサイト

《Mizuno WAVE RIDER 28》

《ミズノ ウエーブライダー 28》16,500円 サイズ:メンズ24.5〜29.0・30.0cm、ウィメンズ22.5〜25.5cm カラー:メンズ6色、ウィメンズ5色 いずれもスーパーワイド含む

踵部から中足部にかけて搭載されたウエーブプレートが、クッション性と安定性を両立。前方へのスムーズな重心移動もサポートする。

《New Balance Fresh Foam X 1080 v14》安定性が向上。重心移動が今まで以上にスムーズに!

《New Balance Fresh Foam X 1080 v14》

ミッドソールに軽量でクッション性に優れた独自素材、フレッシュフォーム エックスを採用。クッション性の高さに定評があり、タウンユースモデルとしても人気。前作からアウトソールのパターンが見直され、着地から蹴り出しまでの重心移動がさらにスムーズになった。WEBサイト

《New Balance Fresh Foam X 1080 v14》

《ニューバランス フレッシュフォーム X 1080 v14》19,800円 サイズ:メンズ25.0〜29.0・30.0cm、ウィメンズ22.0〜25.0cm カラー:メンズ4色、ウィメンズ4色

ミッドソールのサイドウォールが外側・内側ともに前作のv13と比べ約2倍の高さに。安定性が高まり、踵周辺のフィット感も向上。

《ASICS GEL-KAYANO 31》長時間、長距離ランの際に頼りになる抜群の安定性。

《ASICS GEL-KAYANO 31》

広がりを持たせたミッドソール形状、アーチ部に配置された高反発フォーム材、接地面積の広いアウトソール、踵部の適切な傾斜をポイントとする、独自の4Dガイダンスシステムによって、快適性と安定性を両立。走行時の過度な倒れ込みを抑制しながら、スムーズな重心移動をサポートする。WEBサイト

《ASICS GEL-KAYANO 31》

《アシックス ゲルカヤノ 31》20,900円 サイズ:メンズ24.5〜29.0・30.0・31.0・32.0cm、ウィメンズ22.5〜26.5cm カラー:メンズ6色、ウィメンズ6色

アーチ部に高反発のフォーム素材を配置し、疲労時の助けとなる中足部の安定性を確保する。疲れているときほど頼りになる存在だ。

《NIKE PEGASUS 41》必要な機能をハイレベルでバランスよく備えたシューズ。

《NIKE PEGASUS 41》

1983年の誕生以来、多くのランナーからのフィードバックとともに進化を続ける《ペガサス》。今作は、前足部と踵部にエア ズーム ユニットを搭載。ナイキ リアクトX フォームとの相乗効果で、エネルギッシュで心地よいライド感を実現。アウトソールの耐久性も高く、長く付き合える。WEBサイト

《NIKE PEGASUS 41》

《ナイキ ペガサス 41》16,500円 サイズ:メンズ24.5〜30.0cm、ウィメンズ22.0〜27.5cm カラー:メンズ9色、ウィメンズ10色

従来のナイキ リアクト フォームと比較して、エネルギーリターンが約13%高いナイキ リアクトX フォームをミッドソールに採用。

普段履きしやすいものなら、走らない日も使いやすい。

専用シューズが必要なのはわかったけれど、せっかくなら普段も使えるモデルが欲しい。毎日の通勤・通学から散歩、週末の外出まで、足元に取り入れやすいシューズをご紹介。

《HOKA CLIFTON 9》タウンユースモデルとしても人気なジョグシューズ。

《HOKA CLIFTON 9》

〈ホカ〉のアイコン的存在である《クリフトン》シリーズ。クッション性と安定性のバランスがよく、独自のメタロッカーテクノロジー(ソールのカーブ構造)により、着地から蹴り出しまでの重心移動がスムーズ。タウンユースしやすいシンプルかつ洗練されたデザインも魅力。WEBサイト

《HOKA CLIFTON 9》

《ホカ クリフトン 9》20,900円 サイズ:メンズ25.0〜29.0・30.0cm、ウィメンズ22.0〜26.0cm カラー:メンズ4色、ウィメンズ4色

履き口部分は足入れしやすい形状で、足首周辺のフィット感はソフト。踵はしっかりホールドされ、足とシューズの一体感が味わえる。

《UNDER ARMOUR UA INFINITE PRO》ランもウォークも快適。履きこなしやすいデザイン。

《UNDER ARMOURUA INFINITE PRO》

ジョグ、ロング走、マラソン大会まで、長く走ることをサポートするために開発されたモデル。クッション性と安定性を両立し、ランナーの足への負担を軽減する。エンジニアードメッシュのアッパーは、足にソフトにフィット。通気性にも優れ、長距離ランの際もシューズ内を快適に保つ。WEBサイト

《UNDER ARMOURUA INFINITE PRO》

《アンダーアーマー UAインフィニット プロ》15,400円 サイズ:メンズ25.0〜29.0・30.0cm、ウィメンズ22.5〜26.0cm カラー:メンズ7色、ウィメンズ4色

2層構造のUAホバープラスクッショニングをミッドソールに採用。着地衝撃を緩衝しながら推進力を生む。踵のホールド力も高い。

《On Cloudflyer 5》ユニークなデザインが足元のアクセントにもなる。

《On Cloudflyer 5》

安定性とサポート力を重視して設計されたモデル。クッション性に優れたフォーム素材を採用。ソール底面が広く取られているため、安定した着地が可能となっている。足首まわりに厚みがあり、ヒールカウンターが踵を包み込むように支えてくれるので、足がしっかりホールドされる。WEBサイト

《On Cloudflyer 5》

《オン クラウドフライヤー 5》22,000円 サイズ:メンズ25.0〜31.5cm、ウィメンズ22.5〜28.0cm カラー:メンズ2色、ウィメンズ2色

密度の異なるヘリオン スーパーフォームを組み合わせたミッドソール。踵部と前足部で硬度を変えて、弾むようなライド感を実現。

《SKECHERS Max Cushioning Premier 2.0-Lucid 2》日常使いしやすい上品なレザーアッパーモデル。

《SKECHERS Max Cushioning Premier 2.0-Lucid 2》

クッション性の高さと軽量性が特徴のULTRA GOフォームをミッドソールに使用。着地から蹴り出しまで、スムーズな重心移動を促す独自のロッカー構造も採用されており、ライド感は快適。プレミアムレザーのアッパーは、かしこまったシーンにもフィットする上品さ。WEBサイト

《SKECHERS Max Cushioning Premier 2.0-Lucid 2》

《スケッチャーズ マックスクッショニング プレミア2.0-ルシッド2》15,950円 サイズ:メンズ25.0〜29.0cm カラー:メンズ2色

ミッドソールにはクッション性に優れたULTRA GOフォームを採用。グッドイヤー社製のラバーをアウトソールに採用している。

2025年発売の新作シューズで気持ちを高めよう。

今年発売されたばかりの新作シューズは、もちろん機能もデザインも最先端。ニューモデルならではのワクワク感が、ランニングへのモチベーションを高めてくれる。

1.《ASICS GEL-NIMBUS 27》ミッドソールの厚さが増してさらにソフトに。

モデル名の「ニンバス」は、ラテン語で雲を意味する言葉。その名の通り、雲の上を走っているかのような、柔らかく軽やかな履き心地が特徴。シリーズ最新作にも、環境に配慮したクッションフォーム材を採用。ミッドソールが全体的に2mm厚くなり、さらにクッション性と快適性が向上した。WEBサイト

《ASICSGEL-NIMBUS 27》

《アシックス ゲルニンバス 27》20,900円 サイズ:メンズ24.5〜29.0・30.0・31.0・32.0cm、ウィメンズ22.5〜26.5cm カラー:メンズ6色、ウィメンズ6色

前作はニットだったアッパーが、今作は通気性とフィット性を高めたエンジニアードメッシュに。シュータンはソフトなニット素材。

2.《Topo Athletic AURA》ウォーキングにも最適なハイクッションモデル。

ロードロップ、広めのトウボックス、軽量性で足の自然な動きをサポートする〈トポアスレチック〉から、待望のハイクッションモデルが登場。安定性も高く、デイリーのジョグはもちろん、ウォーキングにも適している。フットベッドもソフトで、履き心地はかなり快適。WEBサイト

《Topo AthleticAURA》

《トポアスレチック オーラ》25,300円 サイズ:メンズ26.0〜29.0cm、ウィメンズ22.5〜25.0cm カラー:メンズ2色、ウィメンズ1色

ミッドソールには独自素材のジップフォームを採用。安定性が高く、耐久性にも優れている。踵周辺のホールド感もしっかりしている。

3.《SALOMON AERO GLIDE 3》抜群のクッション性と快適なフィット感。

〈サロモン〉を代表するロード用クッショニングモデルがアップデート。ミッドソールにはクッション性に優れた新素材、Energy Foam Evoを大ボリュームで搭載し、さらにソフトなライド感に。シームレス構造のアッパーは、手袋をはめたかのようなぴったりとしたフィット感が得られる。WEBサイト

《SALOMONAERO GLIDE 3》

《サロモン エアログライド 3》17,600円 サイズ:メンズ25.0〜29.0・30.0・31.0cm、ウィメンズ22.0〜25.5cm カラー:メンズ5色、ウィメンズ5色

ミッドソールに独自のクッション素材、Energy Foam Evoを採用。ソールの厚さは踵部40mm、前足部32mmの厚底クッションモデル。

4.《PUMA FOREVERRUN NITRO™ 2》サポート力が高く安心してランが楽しめる。

2層構造のNITRO(ニトロ)フォームにより、高いクッション性と安定性を両立。柔らかな接地感と、安定した足運びを堪能できる。TPU製のヒールクリップで、踵をホールド。足とシューズを一体化し、接地時のブレを抑制する。アッパーは通気性とサポート力を両立。フィット感も快適。WEBサイト

《PUMA FOREVERRUN NITRO™ 2》

《プーマ フォーエバーラン ニトロ 2》19,800円 サイズ:メンズ25.0〜29.0cm、ウィメンズ22.5〜25.5cm カラー:メンズ3色、ウィメンズ1色

PUMA GRIPアウトソールは耐久性に優れたラバー製。グリップ力が高く、路面をしっかりと捉えてくれるので、足運びも安定する。

5.《HOKA BONDI 9》〈ホカ〉の人気モデルが全面的にアップデート。

〈ホカ〉を代表するベストセラーシリーズが、約2年半ぶりにアップデート。ミッドソール素材がスーパークリティカルEVAフォームに変更され、ソールの厚さが10mmアップ。クッション性がさらに向上した。履き口周辺の設計も一新され、フィット感もアップ。今まで以上に快適な履き心地に。WEBサイト

《HOKA BONDI 9》

《ホカ ボンダイ 9》24,200円 サイズ:メンズ25.0〜29.0・30.0cm、ウィメンズ22.0〜26.0cm カラー:メンズ8色、ウィメンズ7色

もともとクッション性の高さに定評がある《ボンダイ》。ミッドソールの素材変更とソール厚のアップで、さらに足にやさしくなった。

6.《adidas Supernova Rise 2》絶妙なバランス設計。超優等生シューズ。

クッション性に優れたドリームストライク+と、自然でスムーズな重心移動を促すサポートロッドにより、快適なライド感を実現。アッパーのフィット感、踵のホールド感もよく、走っていて気になるところのない優等生モデル。長時間、長距離のランでも安心して足を任せられる。WEBサイト

《Adidas Supernova Rise 2》

《アディダス スーパーノヴァ ライズ 2》15,400円 サイズ:メンズ24.5〜29.0・30.0cm、ウィメンズ22.0〜26.0cm カラー:メンズ2色、ウィメンズ2色

クッション性と安定性をハイレベルで両立した、絶妙なソール設計。サポートロッドがナチュラルで滑らかな重心移動を助けてくれる。